2023年5月下旬、中央区のある不動産会社では、購入者に引き渡されていない住戸の広告が店頭に貼り出されていた。その広告には「築後未入居」とアピールされていた。 この物件は、東京・中央区晴海の大規模マンション群「HARUMI FLAG」(以下、ハルミフラッグ)のサンヴィレッジ街区にある板状棟の住戸。東京五輪・パラリンピックの選手村として活用された総戸数4・・・
2023年5月下旬、中央区のある不動産会社では、購入者に引き渡されていない住戸の広告が店頭に貼り出されていた。その広告には「築後未入居」とアピールされていた。 この物件は、東京・中央区晴海の大規模マンション群「HARUMI FLAG」(以下、ハルミフラッグ)のサンヴィレッジ街区にある板状棟の住戸。東京五輪・パラリンピックの選手村として活用された総戸数4・・・
今年4月、東京・歌舞伎町の西武新宿駅近くに巨大なタワーがオープンした。不動産関係者のみならず小売り関係者を驚かせたのはその巨大さだけではない。これまでの巨大タワーにない、まったく新しいコンセプトでつくられたものだったからだ。 その名前は「東急歌舞伎町タワー」。東急とグループ会社の東急レクリエーションが、映画館の旧新宿ミラノ座やサウナの跡地4600㎡の敷・・・
コロナ禍を経て世界の金融市場が大きく変動する中、富裕層はどのような金融商品に関心を持ち、投資してきたのか。 2019年以前、富裕層がこぞって投資していたのが米国株だ。代表的な株価指数S&P500を見ると、19年までの10年間の平均年率リターンは11%超に上る。同指数に連動するETF(上場投資信託)を10年間保有していれば、資産価値が約3倍になった計算だ・・・
今年8月10日、あるテレビ局が報じたニュースに、旅行業界はまるで蜂の巣をつついたかのような騒ぎになった。そのニュースとは、中国政府がそれまで禁じていた中国本土から日本への団体旅行について、解禁する方針を固めたというものだ。 中国政府は新型コロナウイルスの感染が最初に拡大した2020年1月以降、国内の旅行会社に対して海外への団体旅行の取り扱いを制限してき・・・
富裕層の海外移住が大きく様変わりし始めた。これまで多かったシニア世代の相続対策に加えて、現役世代が子どもの教育目的で移住するケースが広がっているのだ。 海外移住のコンサルティングを手掛けるある男性は、「IPO(新規株式公開)や未公開株売却で数十億円の資産を築いた30〜40代半ばの経営者からの相談が増えている」と明かす。富裕層の若返りが進み、教育環境の良・・・
「打つ手がかなり限られてしまって厳しい。かつてのようなお手軽に節税できるスキームは、もはや一掃されてしまったのではないか」 東京都内で中小企業を経営する50代の男性は、そう話して肩を落とす。これまで重宝していたのが、建築足場のリースといった少額減価償却資産の損金(費用)算入制度を活用したスキームだ。詳しくは後述するが、このスキームは大きな事業リスクを抱・・・
日本の富裕層が増えている。野村総合研究所が今年3月に発表したデータによれば、富裕層・超富裕層の世帯数が、2005年以降の最多に上っていることが明らかになった。 野村総研は2年に1回、預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から不動産購入に伴う借り入れなどの負債を差し引いた「純金融資産保有額」を基に・・・
佳境を迎えている株主総会が、例年に比べて熱を帯びている。株主提案が過去最高の件数に上っていることに加え、社長の“クビ”を取りにいっているケースが多いからだ。 皮切りは、5月に開かれたセブン&アイ・ホールディングスの株主総会だった。アクティビスト(物言う株主)のバリューアクト・キャピタルが、傘下のイトーヨーカ堂を始めとする不採算事業の取り扱いをめ・・・
バブル崩壊から今に至るまで、日本企業は「選択と集中」と「持たざる経営」を進めてきた。だが新たな事業創造ができず、成長軌道に乗れずにいる。 そこで、『持たざる経営の虚実』(日本経済新聞出版社)を出版したフロンティア・マネジメント代表取締役の松岡真宏氏に、日本企業が目指すべき道について4回に亘って寄稿してもらった。4回目の最終回は、日本企業が成長するために進む・・・
「私に勧めてきたプライベートバンカーや金融機関、引いてはスイスの規制当局を訴えられないか、弁護士と協議している」 都内で数百億円の金融資産を抱える富裕層の男性は、憤まんやるかたない表情を浮かべながらこう語る。 この富裕層が怒っているのは、今年3月19日にスイス政府がスイスの大手金融機関クレディ・スイスが発行していた仕組み債の「AT1債」約160億・・・
バブル崩壊から今に至るまで、日本企業は「選択と集中」と「持たざる経営」を進めてきた。だが新たな事業創造ができず、成長軌道に乗れずにいる。そこで、フロンティア・マネジメント代表取締役の松岡昌宏氏に、日本企業が目指すべき道について聞いた。3回目は、どのようなM&Aを目指すべきかについてだ。 境界統合型という新しいM&Aの形 日・・・
発表後わずか5日間でユーザー数が100万人、2カ月後には1億人を突破するなど、驚異的に普及しているAI(人工知能)がある。その名も「ChatGPT」。オープンAI社が22年11月末に発表した生成AIだ。 これまでのAIは、操作にプログラミング言語が必要で、いわばプロしか使いこなせなかった。ところがChatGPTは、普段話す言葉でAIとコミュニケーション・・・