~広島で守り継がれる”宝”の味を~「ケークショコラ衹園坊柿」誕生
広島県を流れる一級河川、太田川。
その上流に位置する安芸太田町で、代々大切に育まれている希少な渋柿があります。
柿の名は、衹園坊。
干し柿にすれば、とろける果肉の上品な甘さが口に満ちる高級古品種です。
もとは太田川下流域の祇園社で栽培され、そこの僧侶の頭に似た果実の形が名前の由来になったと、江戸期の文献に記されています。
時の広島藩主・浅野公に献納されたことで、その美味しさが一躍知れ渡ったそうです。
気候や気温に敏感な衹園坊柿は、やがて適地を求めるかのように太田川上流へ。
明治後半頃、川船や陸運を経て安芸太田町に根を下ろしたと考えられています。
以来地元の宝物として、誇りとして、脈々と受け継がれてきました。
2022年10月末、辻口シェフは現地の圃場と加工場を訪問。
そこで出会ったのは、1人の若手農家でした。
衹園坊の干し柿の美味しさに惚れ込み、後継ぎとして定住を決めたといいます。
後継者問題に揺れている同町の農家にとって、まさに希望の星。
「自分が衹園坊柿を食べて好きになったように、たくさんの人に食べてもらって興味を抱いてもらいたい」と力を込めます。
郷土の誇り・衹園坊柿の可能性を求めて、世界的パティシエ・ショコラティエが洋菓子との新たなマリアージュを生み出しました。
ブランデー・アニス・シナモンで香りづけした衹園坊干し柿が贅沢に入ったチョコレートパウンドケーキに、柿と相性の良い和栗とキャラメル風味のガナッシュをあわせチョコレートでコーティング。
刻んだくるみも加え食感にアクセントをつけました。
衹園坊柿の魅力を存分に引き出したバレンタイン限定の商品です。
【参考】
・『柿の里づくり 衹園坊』 太田川衹園坊柿生産者連絡協議会 H3.9.30
・『安芸太田町特産 衹園坊柿』 安芸太田町観光協会