2024年12月 大手百貨店4社売上高
重衣料や化粧品、高額品がけん引
大手百貨店4社の12月売上高はいずれもプラスで、阪急阪神百貨店が8.7%増、大丸松坂屋百貨店が7.5%増、高島屋が6.3%増、三越伊勢丹が5.2%増となった。雑貨は化粧品や美術・宝飾・貴金属が好調で、依然として増勢が続いている。衣料品も気温の低下を受け防寒衣料が稼働し、婦人・紳士共に好調だった。
高島屋(国内百貨店子会社含む)の売上高前年比は6.3%で、店頭に限ると6.1%増、免税売上高は30.1%増、免税を除いた店頭売上高は3.5%を示した。店舗別では12店舗のうち7店舗が増収で、日本橋(15.4%増)、新宿(12.8%増)、京都(12.8%増)、玉川(9.6%増)、大阪(5.6%増)の伸び率が高かった。
主要5品目は食料品(1.0%減)を除いた4品目がプラスで、雑貨が8.6%増、身の回り品が5.6%増、衣料品が4.3%増、家庭用品が2.9%増だった。品目別では雑貨の化粧品(8.4%増)、美術・宝飾・貴金属(7.9%増)の好調が続く。法人事業(30.5%増)は受注が堅調に推移し、前年実績を上回った。クロスメディア事業(4.6%減)は、通販カタログの計画的な部数、ページ数削減の影響により前年実績を下回った。
三越伊勢丹(国内グループ百貨店含む)の売上高前年比は5.2%増で、24カ月連続プラスとなった。新宿(10.0%増)、日本橋(2.6%増)、銀座(14.4%増)の旗艦店を中心に引き続き高付加価値商材が好調で、三越伊勢丹計は7.6%増だった。
主要5品目は食料品(2.4%減)を除いた4品目がプラスだった。雑貨(12.5%増)の美術・宝飾・貴金属(13.0%増)、化粧品(12.5%増)が堅調に推移した。衣料品(8.4%増)も気温の低下により婦人・紳士共にコートやセーターなどが動いた。基幹3店を中心に春物への関心も高まっている。身の回り品(4.7%増)のラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのハンドバッグ、財布も伸長した。免税売上げは前年実績を大きく上回り、国内百貨店の全体傾向と同様に、高付加価値商品への関心の高さが継続している。
大丸松坂屋百貨店(関係百貨店含む)の総額売上高は前年比7.5%増で、24カ月連続でプラス。関係百貨店を除いた店計は6.9%増、入店客数は3.7%増だった。店舗別では15店舗のうち12店舗がプラスで、心斎橋(15.3%増)、札幌(13.7%増)、梅田(10.2%増)、上野(7.6%増)、東京(6.6%増)の伸び率が高かった。
主要5品目は家庭用品(0.2%減)を除いた4品目がプラスだった。雑貨(13.6%増)は好調が続き、中でも化粧品(17.5%増)はフレグランスや高単価の美容グッズが活発に動いた。美術・宝飾・貴金属(14.8%増)も伸長が継続している。衣料品(9.6%増)の婦人服・洋品(11.3%増)では、気温が低下しコートなど防寒衣料が動いたほか、ラグジュアリーブランドが引き続き売上げをけん引した。身の回り品(2.5%増)は、インバウンド需要が高いアクセサリーのほか、ハンドバッグが好調を維持。食料品(0.3%増)は、お歳暮ギフトの動きが鈍かったものの、おせちの単価アップがけん引し、前年実績を超えた。
阪急阪神百貨店の売上高前年比は8.7%増と29カ月連続プラス。阪急本店は13.5%増、阪神梅田本店は9.4%増、支店計は1.7%増だった。支店のうち阪神・御影(7.9%増)、高槻阪急スクエア(4.6%増)、西宮阪急(3.9%増)の伸び率が高かった。
主要5品目は全てプラス。雑貨(20.5%増)が高伸長し、衣料品(13.8%増)と家庭用品(11.4%増)が2桁増を示した。身の回り品(5.2%増)、食料品(0.9%増)も堅調だった。