花王、「ビオレ」から初のノンケミカル日焼け止め

花王は来年2月8日、日焼け止めブランド「ビオレUV」の「アクアリッチ」シリーズで、「ウォータリーホールドクリーム」を発売する。アクアリッチシリーズ初のノンケミカル処方（紫外線吸収剤フリー）で、高い紫外線防御効果と肌になじむ付け心地を実現した。オープン価格で、想定価格は1400円前後。

近年は、日焼け止めに肌への優しさを求める人が増えている。SNSでは「酸化亜鉛フリー」「アルコールフリー」といった「成分フリー」や、「低刺激」などに関する投稿が多い。中でも「紫外線吸収剤フリー」の日焼け止めのニーズが高まっていることから、同商品を開発した。

ウォータリーホールドクリームは、紫外線散乱材をみずみずしいアクアカプセルで包み込むことで、ウォーターベースに分散させることに成功した。1回の使用で、約2兆個のアクアカプセルが水を抱え込んだ厚みのある膜を形成する。夕方まで肌の水分を逃さずにみずみずしさが続く。

今年3月から一部のドラッグストアでテスト販売したところ、「みずみずしい使い心地」「濃厚なテクスチャーなのに、付けた後はべたつかない」など好評を博し、売上げも計画の4倍を記録。こうした声を受け、全国販売に至った。

同社は21年から、テスト販売を活用したマーケティングを行っている。日焼け止めは春夏にボリュームが偏るため、PDCAサイクルを回す活動期間が短く、思い切ったチャレンジに大きなリスクが伴うという欠点があった。しかしテストマーケティングの導入により、まずはテスト販売でチャレンジし、課題を確認した上で全国発売での成果を最大化するというサイクルが回せるようになった。