2024年12月31日

パスワード

気温の低下に伴い衣料品が稼働、雑貨も高伸長

大手百貨店4社の11月売上高はいずれもプラスで、大丸松坂屋百貨店が7.8%増、三越伊勢丹が6.8%増、阪急阪神百貨店が5.8%増、高島屋が2.5%増となった。寒さが増したことで冬物や防寒用品が動き始めた。化粧品や美術・宝飾・貴金属などの雑貨の伸び率も高かった。

高島屋(国内百貨店子会社含む)の売上高前年比は2.5%増で、店頭に限ると2.0%増、免税売上高は29.9%増、免税を除いた店頭売上高は0.6%減を示した。店舗別では12店舗のうち5店舗が増収で、日本橋(7.3%増)、新宿(7.0%増)、大阪(5.9%増)、横浜(4.8%増)、京都(3.6%増)がプラスだった。

主要5品目は食料品(0.1%減)を除いた4品目がプラスで、家庭用品が15.5%増、身の回り品が11.7%増、衣料品が7.7%増、雑貨が7.5%増だった。品目別では化粧品(11.4%増)、美術・宝飾・貴金属(10.9%増)が好調に推移した。法人事業(23.0%増)は受注が堅調に推移し、前年実績を上回った。クロスメディア事業(18.9%減)は、通販カタログの計画的な部数、ページ数削減の影響により前年実績を下回った。

三越伊勢丹(国内グループ百貨店含む)の売上高前年比は6.8%増で、23カ月連続プラスとなった。伊勢丹新宿本店(15.1%増)、三越日本橋本店(3.9%増)、三越銀座店(12.1%増)の旗艦店を中心に高付加価値商材の好調が続き、三越伊勢丹計は10.1%増だった。

主要5品目は食料品が2.7%減のマイナスだったが、3品目がプラスで、衣料品が13.4%増、雑貨が13.3%増、身の回り品が7.0%増となった。家庭用品は0.0%だった。気温が低下し寒さが増すと、婦人と紳士共にコートやセーターなどが動いた。引き続きラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのハンドバッグ・財布、宝飾、化粧品なども堅調に推移した。免税売上げは国慶節のあった先月と前年の実績を超えた。国内百貨店の全体傾向と同様に、高付加価値商品への関心の高さが継続している。

大丸松坂屋百貨店(関係百貨店含む)の総額売上高は前年比7.8%増で、23カ月連続でプラス。関係百貨店を除いた店計は8.4%増、入店客数は5.2%増だった。店舗別では15店舗のうち14店舗がプラスで、梅田(12.7%増)、神戸(10.4%増)、博多大丸(9.6%増)、心斎橋(8.9%増)の伸び率が高かった。

主要5品目は家庭用品(1.8%減)を除いた4品目がプラスだった。雑貨(17.3%増)が引き続き好調で、中でも美術・宝飾・貴金属(22.9%増)が高伸長した。化粧品(16.8%増)も気温の低下により高単価なスキンケア商品が動いた。身の回り品(7.7%増)は、アクセサリーやハンドバッグが引き続き好調だった。衣料品(6.2%増)の婦人服・洋品(7.4%増)は、ラグジュアリーブランドが好調を維持したほか、下旬に松坂屋名古屋店がリニューアルオープンし、新たな婦人ファッションフロアが新規顧客を増やしたこともプラス要因となった。紳士服・洋品(1.7%増)は、ジャケットが好調に推移したが、コートの動きが鈍く微増にとどまった。食料品(4.7%増)は、秋の行楽シーズンが後ろ倒しになったことにより、菓子や惣菜に動きがみられた。

阪急阪神百貨店の売上高前年比は5.8%増と28カ月連続プラス。阪急本店は13.8%増、阪神梅田本店は20.8%減、支店計は3.8%増だった。支店のうち阪神・御影(11.2%増)、博多阪急(9.5%増)、神戸阪急(6.1%増)、宝塚阪急(5.6%増)の伸び率が高かった。

主要5品目は食料品(1.5%減)を除いた4品目がプラスで、雑貨(16.4%増)が2桁増となり、家庭用品(8.9%増)、身の回り品(8.3%増)、衣料品(2.5%増)も堅調だった。