西川、「よい睡眠」と「新しい1日」をつなぐ睡眠アプリ「goomo(グーモ)」
2024/12/06 6:00 pm
西川が10月15日よりローンチした睡眠アプリ「goomo(グーモ)」は、睡眠データを記録し、睡眠の可視化、入眠・起床支援など多岐にわたるサービスを提供する睡眠分析スマホアプリケーションだ。同時にこのアプリと連携した高精度センシングマットレス「『エアーコネクテッド』SXマットレス」の販売も開始した。「ふとんの西川」から、睡眠の質向上に貢献する「睡眠ソリューション企業」へと進化していく大きな一歩を踏み出している。
長年の知見から導く睡眠スコアとアドバイス
睡眠アプリ「グーモ」は、「よい睡眠」と「新しい1日」をつなぐスマホアプリである。西川の研究機関である日本睡眠科学研究所の長年の知見から導き出した睡眠スコアやアドバイスを提供する。起床時にその日の眠りのデータが確認でき、睡眠時間、寝つき時間、中途覚醒、睡眠効率の4項目で、それぞれ100点満点でスコアが算出される。
このスコアと行動記録に基づき、その人の眠りの特徴や改善に向けたアドバイスを伝えることができる。しかも解析結果は週次並びに月次単位で表示できるため、睡眠の傾向や改善を実感しやすい。
睡眠解析に際し、スマートアラーム機能、睡眠をサポートするコンテンツ、音声録音機能など、様々な機能を搭載している。スマートアラーム機能とは、アラーム設定時刻よりも少し前の段階で眠りの浅いタイミングを察知してアラームを鳴らし、目覚めの良い朝をサポートする。アラーム音は6種のオリジナルサウンドに加え、タレントの声にも設定できる。睡眠コンテンツは、睡眠前や起床時にアスリートや声優が声をかけるタレントボイス、入眠を促すヒーリングミュージック、ヨガやオリジナルストレッチ動画などを揃えている。音声記録機能は、いびきや寝室環境の騒音などの睡眠中の音声を記録して、音量が大きかった10件を表示する。睡眠環境が分かり、改善につながる。
睡眠解析でスコアが低い場合、病院を受診する前の相談ができるように、同社が運営する「ねむりの相談所」を紹介する。また入眠前にその日の行動記録を入力することで、睡眠との関係性を分析する。これをフィードバックすることで行動改善をサポートできる。
スマート家電との連携も可能だ。連携して睡眠開始時、アラーム鳴動時、起床時のタイミングで家電をコントロールできる。例えば睡眠を開始すると自動的に照明が消えたり、あるいは目覚めるとアラームが止まり、音楽が流れるなど、睡眠環境をサポートする。睡眠データの共有もできる。遠方に住む親や祖父母、1人暮らしの子供などの睡眠データを家族や友人でシェアすることができ、体調の変化に気付くきっかけやコミュニケーションの糸口としても活用できる。
「エアーコネクテッド」SXマットレスと連携
ここまでは睡眠アプリ単体の特徴だが、グーモの最大の特徴は、マットレスとの連携だ。エアーのエクストラプレミアムモデルである「エアーSX」マットレスに、非接触型センサーによる寝心地を妨げないセンサーを搭載した。センサーは厚さ約2ミリメートルで、0.004秒に1件のデータを取得できるという同社のオリジナル。グーモと連携した「エアーコネクテッド」SXマットレスは、いつものように寝るだけで、高精度の睡眠データが測定できる。就寝前や目覚め後の自律神経のバランスや無呼吸リスクの程度を可視化。さらに睡眠、睡眠効率、中途覚醒、寝つきに加え、グーモ標準(単体)ではできない睡眠深度も測定できる。つまりマットレスとの連携によって、よりパーソナルな睡眠アドバイスを提供することで、睡眠を取り巻く日常生活をサポートできるようになる。
睡眠の質を向上、健康で豊かな生活の礎に
グーモの操作手順は、就寝前に睡眠コンテンツを利用したり、翌日のアラームを設定したりして準備を済ませたら睡眠開始ボタンをタップ。次に、2時間以内の行動を選択する。カフェイン、アルコール、激しい運動、うたた寝の4項目のうち、該当項目を選択してOKをタップする(複数選択も可)。もちろん該当なしの選択肢もある。そしてスマホを枕元に置いて就寝する。別のアプリ画面で寝てしまったり、端末をスリープモードにしたりしていても、アプリをバックグラウンドで起動できていれば計測できる。ただ、スマホが枕の下に入ると体動を検知しすぎて正確に計測できない。
目覚めたら、起きるボタンを長押しして睡眠解析を終了する。次いで今日のねむりに対する評価を選択する。この評価は後に睡眠記録から確認できる。最後に睡眠記録をチェックする。眠りの特徴やアドバイスが文章で表示される。
睡眠記録をさらに詳しく知りたい場合は画面右上の「?」ボタンをタップする。
グーモはまだ緒についたばかりで、第一段階に過ぎない。機能や使いやすさなど、順次アップデートしていく。何よりも「睡眠の可視化」の重要性を提唱して、睡眠への関心を高め、眠りを通じて人々に健康で豊かな生活を送ってもらうことが目的だ。それを実現していくためには百貨店や専門店との連携が欠かせない。例えば、百貨店の顧客データと睡眠データを活用すれば、データに基づいた様々な最適なモノ・コト提案ができる。
西川は寝具・睡眠業界のリーディングカンパニーとして、睡眠科学とテクノロジーで社会課題の解決に貢献する「睡眠ソリューション」企業への変革を推進している。睡眠の可視化によって睡眠の質の改善につながるグーモの始動は、睡眠ソリューション企業へのローンチとも言えよう。
(羽根浩之)