スタイル、小売りブランドが次々始動
2024/11/28 6:00 pm
スタイルは、小売り事業を強化する。これまでの卸売り事業に加えて、新たな収益の柱として育てていく考え。今秋に英国のファッション&ライフスタイルブランド「オーラ・カイリー」、英国のサステナブルバッグブランド「トルバドール」、オランダで誕生したレザーテックブランド「ムジョー」を、来春にメンズ・レディスブランド「ポール・スチュアート」の展開を始める。販路は商業施設の常設売場やポップアップ、自社ECサイトなど。
ノスタルジックなテキスタイルの「オーラ・カイリー」
オーラ・カイリーは、1995年にロンドンで誕生したブランド。デザイナーのオーラ・カイリー氏は自然をインスピレーションの源としており、ミッドセンチュリーのデザインを追求した色使いとテキスタイルパターンを特徴とする。バッグ、レザーグッズ、アクセサリーに加え、テーブルウェアやホームウェア、ウィメンズのアパレルなども揃える。
2024年のホリデーコレクションからスタートし、25年春夏に本格始動する。今年10月にECサイトを始め、リアル店舗は松坂屋名古屋店とあべのハルカス近鉄本店に常設店を、高島屋横浜店などに期間限定店舗を構える。
25年SSコレクションは、ハートモチーフのバレンタイン向けのアイテム、春夏らしい明るいカラーのバッグ、雨の時期に使いやすい傘やレインコートなどを順次投入していく。価格はバッグが9900円~4万5100円、身の回り品が9900円~2万2000円、革小物が6600円~3万1900円となる。
通勤から登山まで、究極のバッグ「トルバドール」
トルバドールは、12年に誕生した英国のサステナブルバッグブランド。2人の創業者が、ビジネスから休日のアウトドアまであらゆるシーンで使えるバッグを自分用に開発したのがきっかけとなった。コスト度外視で使い勝手や素材を追求したため、ミニマルなデザインと耐久性、軽さ、機能性を併せ持っている。環境にも配慮しており、廃棄されたペットボトルを原料とした素材など、基本的にリサイクルマテリアルからつくられている。
ラインナップは、ブランドアイコンとなるバックパック「エイペックス バックパック 3.0」(4万9500円)、トートバッグ「エイペックス エブリデイ トート」(4万6200円)、ブリーフケース「エイペックス ブリーフケース」(4万9500円)などがある。
現在全国の百貨店でポップアップを展開しており、売れ行きは好調だという。担当者は「品切れになってしまう時もあるほど。商品にストーリーや機能性があり、こだわりが詰まっている一方で、価格は5万円前後と手に取りやすいのが良いのでは」と話す。
ムジョーはオランダで誕生したアイフォーンケース専業ブランドで、22年にトルバドール社が買収し、同社のデザイナーがリブランディングを手掛けた。日本ではスタイル社がトルバドールとセットで展開している。アイフォーンケースやワイヤレスイヤホン「エアーポッズ」のケースなどを揃え、価格は1万3200円~1万4300円。
レザーは環境汚染しないなめしを行い、他の部材も解体してリサイクルできる仕様にした。デザインは流行を追い求めるのではなく、「純粋さ」「シンプルさ」を基本としている。
顧客の裾野拡大を狙う「ポール・スチュアート」
来春には、ポール・スチュアートのバッグと革小物の展開を開始する。同ブランドジャパンディレクターの鴨志田康人氏が監修を務めた。三陽商会が手掛けるアパレルより若い世代の取り込みを目指し、ターゲット層は30~40代に定めた。全国の百貨店とスタイルのECサイトで25年2月から順次スタートする。
いくつかのラインに分かれており、「コレクションライン」(バッグが4万9500円~)は英国の伝統的なハンティングバッグなど、特にブランドの世界観を色濃く表現する。「オリジナルライン」(バッグが2万4200円~、革小物が1万4300円~)はトートバッグやブリーフケースなどを揃え、ビジネスパーソンが使用しやすい機能性を保ちつつ、素材やデザインで遊び心を持たせた。
「ウェルカムライン」(バッグが1万9800円~、革小物が9900円~)はポール・スチュアートの世界観をリーズナブルな価格で楽しむことができる。オーダーシステム「customLAB(カスタムラボ)」(バッグが5万9400円~、革小物が2万2000円~)もあり、バッグや革小物のカスタムができる。
(都築いづみ)