松屋、若手企画の福袋で前年超え目指す
松屋は先ごろ、2025年福袋のラインナップを発表した。テーマは「『えん』を感じる福袋」で、「縁起」「生活応援」「エンジョイ」などをキーワードに企画した。24年に続いて人流復活やインバウンドの影響があるとみて、売上高は前年比1割増を目指す。
24年は初めて銀座店が1月2日を、浅草店が1日1日を休業日とし、初売り日を変更した。それにもかかわらず、福袋の売上げは前年比20%増と大きく伸長した。コロナ禍の5類移行から初の正月であることと、インバウンドの影響が大きく、インバウンドを除いても前年超えだった。
来年も需要は健在と見込み、今年の目標は前年比10%増に定めた。顧客販促部顧客販促課プランナー(課長補佐)の新井基哲氏は「25年は日回りも良い。24年は3日が水曜日だったが、今回は金曜日なので、後ろに土日が続く。お客様の購買意欲は高まるのでは」と勝算を語る。
福袋の販売個数は、前年並みの約1.2万個を用意する。これまで食品の方が売行きが良く、物価高の影響も鑑みて食品福袋の内容を充実させた。また、銀座や浅草の街の魅力に触れられる福袋や、ガチャガチャ、お菓子すくいなど、コト・体験系が多いのも特長だ。新井氏は「お客様の中に思い出として残った方が満足感、納得感につながる」と述べる。
一番の目玉となるのが、銀座店限定の「~街と百貨店福袋~銀座と松屋 銀座の『えん』でお祝い招福袋」(20万2500円、3個)で、歌舞伎座での歌舞伎鑑賞、老舗レストラン「銀座吉沢」での食事、ホテル「ハイアット セントリック 銀座東京」の宿泊など銀座観光を楽しめる。松屋銀座店のデパ地下のスイーツ土産、パターンオーダースーツなども付く。
浅草店では、「~街と百貨店福袋~浅草と松屋 浅草お楽しみ福袋」を用意。「浅草『満喫』プラン」(4500円、4組)と「浅草『満腹』プラン」(1万5000円、8組)があり、前者は浅草花やしきの貸し切りや東武浅草駅の見学、後者は浅草名物「雷おこし」の製造体験、「築地玉寿司」によるすし握り体験などができる。
体験系福袋はほかにも、最大で2万円相当の食品が当たる「食の福ガチャ~『えん』を感じる福袋~」(5000円)、和洋菓子の詰め合わせに、お菓子すくいの挑戦権が付く「お菓子すくい~ご『縁』をつなげていこう~」(2025円)などがある。
最近の世相を反映した商品として、「生活応『援』!食品てんこ盛り福袋」(3240円)は物価高騰の苦しいムードに対抗するため、調味料やレトルト、缶詰など8000円相当の商品を3240円で販売。「紅白ワイン 50-50福袋」(17万円)は赤ワイン50本、白ワイン50本を詰め合わせる。50-50という数字は、今年も大活躍したメジャーリーガー・大谷翔平選手に掛けているという。
これらの商品は、全て入社3年未満の社員が企画している。新井氏は「若手社員の発想には、我々にはないトレンドやキャッチーさがある。当社は次世代層のお客様の取り込みも狙っており、その層に響くことも期待できる」と話す。
(都築いづみ)