2024年11月21日

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残暑の影響で秋物衣料が鈍化

大手百貨店4社の9月売上高はいずれもプラスで、高島屋が9.7%増、大丸松坂屋百貨店が6.2%増、阪急阪神百貨店が5.8%増、三越伊勢丹が1.0%となった。残暑の影響で秋物衣料品の動きが鈍くなるなどマイナス要因があったものの、引き続きラグジュアリーブランドが売上げをけん引した。

高島屋(国内百貨店子会社含む)の売上高前年比は9.7%増で、店頭に限ると7.9%増、免税売上高は20.4%増、免税を除いた店頭売上高は6.5%増を示した。店舗別では12店舗のうち9店舗が増収で、京都(18.6%増)、日本橋(14.9%増)、高崎(13.7%増)、横浜(9.1%増)、新宿(8.8%増)の伸び率が高かった。

主要5品目はすべてプラスで、家庭洋品(19.6%増)、雑貨(13.3%増)、身のまわり品(12.1%増)、衣料品(6.0%増)、食料品(0.8%増)だった。品目別では家具(42.7%増)、子供服・洋品(22.9%増)、美術・宝飾・貴金属(17.2%増)が高伸長した。法人事業は受注が堅調に推移し、前年実績を上回る60.5%増を記録した。クロスメディア事業は、通販カタログの計画的な部数、ページ数の削減の影響により前年実績を下回ったものの、想定は上回った。

三越伊勢丹(国内グループ百貨店含む)の売上高前年比は1.0%増で、21カ月連続プラスだった。伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店の旗艦店を中心に高付加価値商材の好調が続き、三越伊勢丹計は1.5%増となった。伊勢丹新宿本店は0.4%減となったが、上顧客向けのイベントを本年は8月、昨年は9月に実施していたことが主な要因。8~9月の2カ月計では前年比11.2%増を記録している。

主要5品目は食料品(2.9%減)、衣料品(1.5%減)を除いた3品目がプラスで、雑貨(6.1%増)、身の回り品(3.8%増)、家庭用品(0.8%増)となった。後半の気温の低下に伴い薄手のジャケットやアウターなどの秋冬アイテムが動いた。引き続きラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのハンドバッグ、宝飾、化粧品などが堅調に推移した。インバウンドは前年を超えて推移しており、国内百貨店(既存店)の全体傾向と同様に高付加価値商品への関心の高さが継続している。

大丸松坂屋百貨店(関係百貨店含む)の総額売上高は前年比6.2%増で、21カ月連続でプラス。関係百貨店を除いた店計は5.1%増、入店客数の前年比も5.1%増だった。店舗別では静岡(20.4%増)、上野(19.1%増)、博多(15.8%増)、札幌(13.9%増)、梅田店(12.7%増)が伸び率が高かった。

主要5品目は全てプラスで、雑貨(13.4%増)が好調だった。中でも化粧品(19.7%増)は高い伸びを示し、前半に発売したスキンケアの新製品の売上げが好調だったことなどがプラス要因となった。衣料品は1.8%増で、婦人服・洋品(1.9%増)は、厳しい残暑により秋物衣料品が振るわなかったものの、引き続きラグジュアリーブランドが売上げをけん引した。紳士服・洋品(3.8%増)は、ジャケットやTシャツが活発に動いた。身の回り品(2.8%増)は、アクセサリーやハンドバッグの好調が続き、夏物のパラソルやスニーカーなども売れた。食料品(1.4%増)は、入店客数が伸びたターミナル店舗を中心に、菓子や惣菜が動いた。

阪急阪神百貨店の売上高前年比は5.8%増で、26カ月連続でプラス。阪急本店(13.1%増)は増勢が続いている。阪神梅田本店(18.5%減)はマイナスとなった。支店は引き続き増収(5.1%増)で、博多阪急(10.2%増)、高槻阪急スクエア(8.6%増)、神戸阪急(7.6%増)、阪神・御影(5.8%増)が伸長した。

主要5品目は全てプラスで、雑貨(15.8%増)と家庭用品(12.7%増)が2桁の伸びを示した。衣料品(4.1%増)、食料品(0.7%増)、身の回り品(2.2%増)は堅調だった。