日清オイリオ、歳暮はオリーブオイル需要に的
原料価格の高騰などによって食用油は値上げが続くが、日清オイリオグループの歳暮商戦にとってはチャンスともいえる。「自分で買うと高いから、贈り物でほしい」というニーズが高まるからだ。特に最近はオリーブオイルの価格上昇が止まらないため、同社は「ボスコ」セットやギフト専用ブランド「オリーバ デ オイリオ」とボスコの詰め合わせセットで、商機に備える。
食用油の価格上昇がギフトの売れ行きに影響を与えるのは、同社の数字に表れている。食品事業本部ホームユース事業戦略部ギフト課長の藤野英夫氏によると、食用油の値上げを背景に、油のみギフトの売上高は2022年度上期(22年4~9月)が前期比110%、下期(10月~23年3月)が同120%と高伸した。
同社の調査でも、同社製品を選んだ理由として「贈る相手に頼まれたから」が、価上げ後は上位に挙がるという。藤野氏は「親戚など、お互いに言いたいことを言える関係性の方に『今年は油がちょっと高いから欲しいわ』と頼まれたりするようだ。食用油はフォーマルギフトの定番の中でも日用品に近い立ち位置のため、そのような動きがみられる」と説明する。
食用油全般の値上がりには一服感が出ているが、オリーブオイルは世界的な異常気象によってオリーブの不作が続き、値上げが続いている。そのため、今冬シーズンはオリーブオイルの詰め合わせセットが売れ筋とみる。値上げはメディアでも度々取り上げられており、「テレビで放映されているのを見て、『そういえば』と思い出す方もいらっしゃると予想する」(藤野氏)。店頭のギフトセンターなどで注文が増えることを予想し、商品の円滑な供給に力を注いでいる。
オリーブオイルセットの内容は、今期から一部見直し
オリーブオイルの詰め合わせセットは2シリーズある。「ボスコ&オリーバ デ オイリオ エキストラバージンオリーブオイルギフト」は、「オリーバ デ オイリオ エキストラバージンオリーブオイルオヒブランカ(以下、オリーバ デ オイリオ オヒブランカ)」と「ボスコエキストラバージンオリーブオイル」の詰め合わせで、価格は税抜き3000円と5000円がある。
オリーバ デ オイリオ オヒブランカはギフト専用品で、スペインのアンダルシア州で収穫されたオリーブのみを使用する。収穫後すぐのタイミングで搾油し、オリーブ本来の味・香り、鮮度を残している。ボスコは早摘みグリーンオリーブを原料に採用した、フルーティで豊潤な味わいを特長とする。
もう1つの「ボスコオリーブオイルギフト」シリーズは、ボスコオリーブオイルとボスコエキストラバージンオリーブオイルを組み合わせたセットで、価格は税抜き1000円、2000円、3000円、5000円を用意する。
この2シリーズは、今回のタイミングでリニューアルしている。これまでは、オリーバ デ オイリオ エキストラバージンオリーブオイルの「オヒブランカ」と「ピクアル」の2種類をセットにしたシリーズを展開していたが、今期よりオヒブランカとボスコとのセットに変更。認知度の高いボスコと組み合わせることで、訴求力の向上も狙った。ボスコのみのセットも、セット内容を一部商品で変更した。
無論オリーブオイル以外のギフトも数多く揃えており、最近人気が高まっている「日清こめ油」や「日清健康オイルアマニプラス」などが入る「日清こめ油&ヘルシーオイルギフト」、コレステロールゼロの「日清ヘルシーキャノーラ油」や揚げ物の吸油量を抑制する「日清ヘルシーオフ」などで構成される「日清ヘルシーオイルギフト」、様々なオイルを詰め合わせた「日清バラエティオイルギフト」など全13シリーズを用意した。
最近はオイルの味や風味にこだわる人や、健康に良いオイルを求める人、多くの種類を少しずつ楽しみたい人など、多様なニーズがある。それらに応えられる幅広いラインナップで、購買の機会を拾っていく方針だ。
(都築いづみ)