日本惣菜協会、2024年度第2回デリカアドバイザー養成研修の受講者募集
2024/10/01 12:00 am
一般社団法人日本惣菜協会は10月1日、惣菜の製造・販売に関する基本的な知識を学べる「デリカアドバイザー養成研修」の受講者の募集を始めた。惣菜を調理および販売する際の注意点、原料原産地やアレルゲン、栄養成分など食品表示に関わる法令関係、食品衛生や労働安全などを通信教育で学べる。百貨店やスーパーマーケット、専門店などの小売業者が惣菜の担当者に受講を奨励しており、申し込みの期間は11月末。受講料は一般が2万2000円、同協会の協力団体と賛助会員、協力会員が1万7600円、正会員が1万6500円。協力団体の中には一般社団法人日本百貨店協会も含まれており、その会員企業には割引が適用される。
デリカアドバイザー養成研修は、小売業者からの人材育成に対する要望を受けた同協会が2013年11月にスタート。直近は「2024年度第1回」で、9月10日の修了認定審査会を経て71人が終了認定者となった。合格率は93.4%。修了認定者の累計は354社・3434人に上る。
デリカアドバイザー養成研修のメリットについて、同協会は「修了認定者からは『知識を身に付けることで、自信を持って対応できるようになった』などの声が寄せられている。売場のリーダーが修了認定を得た後、教材をパートタイマーなどの育成に用い、全体のレベルアップを図るといった企業もみられる」と強調する。近年は、惣菜売場の状況をより深く理解し、取引先との関係性を強めるために受講する食品メーカーの営業担当者も増加。惣菜管理士などの資格者からも「新たな視点で学べる」と好評だ。
惣菜・中食産業は、少子高齢化や単身者の増加、女性の社会進出などを背景に成長の一途をたどる。市場規模は10兆円を超えており、国民の生活を支える。それに伴い国民の関心も強まり、惣菜売場には味だけでなく原材料から栄養素、健康、安全・安心まで問い合わせが相次ぐ。加えて、21年6月には食品などを扱う全事業者を対象とする「HACCPに沿った衛生管理」が制度化。惣菜専門店、スーパーマーケット、百貨店のバックヤードなどで製造される惣菜も含まれ、一層の衛生管理が求められる。
こうした中で、惣菜の担当者には専門的かつ広範な知識が求められ、デリカアドバイザー養成研修も重要な役割を果たす。同協会は「修了認定者は売場にデリカアドバイザー認定証を掲示できる。惣菜を購入する人々の“サポーター”として、信頼される売場づくりを後押ししていく」という。
なお、修了認定者を最も多く抱える企業は中部フーズで311人。以下、関西スーパーマーケットの228人、イズミの218人、ベルクの163人、まつおかの114人と続く(人数は全て2024年9月時点)。