2024年10月05日

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台風10号の影響あるも、全社増収

大手百貨店4社の8月売上高はいずれもプラスで、阪急阪神百貨店が11.1%増、三越伊勢丹が10.7%、大丸松坂屋百貨店が6.8%増、高島屋が4.6%増となった。下旬の台風10号の影響で臨時休業や入店客数減少などマイナス要因があったが、引き続きラグジュアリーブランドの堅調な推移や各社が企画した上顧客向け催事などが売上げを押し上げた。

高島屋(国内百貨店子会社含む)の売上高前年比は4.6%増だった。店頭に限ると0.2%増で、2019年比で0.1%減。免税を除いた店頭売上高は5.4%減で、19年比で8.7%減となった。店舗別では12店舗のうち5店舗が増収で、新宿(10.0%増)、京都(6.6%増)、大阪(5.8%増)、日本橋(2.2%増)と大型店が健闘した。

主要5品目では家庭洋品(18.5%減)、雑貨(1.1%減)がマイナスで、身のまわり品(7.8%増)、衣料品(1.2%増)、食料品(0.5%増)はプラスだった。品目別では家電(14.5%増)と紳士服・洋品(8.7%増)が活発に動いたものの、家具(63.7%減)や食堂・喫茶(15.5%減)などは振るわなかった。

法人事業は受注が堅調に推移し、前年実績を上回る88.4%増となった。クロスメディア事業は、衣料品、食料品を中心にカタログ受注が堅調に推移し、7.5%増で前年実績を上回った。

三越伊勢丹(国内グループ百貨店含む)の売上高前年比は10.7%増で、20カ月連続プラスだった。台風10号の影響で岩田屋本店、福岡三越、岩田屋久留米店が2日間、静岡伊勢丹、広島三越が1日間臨時休業となった。首都圏5店舗は15.7%増で、前月と同様に伊勢丹新宿本店(25.4%増)、三越銀座店(12.8%増)、三越日本橋本店(3.4%増)の基幹店がけん引した。

主要5品目は家庭用品(0.2%減)を除いた4品目がプラスだった。雑貨(16.7%増)、衣料品(15.1%増)、身の回り品(13.3%増)は2ケタの伸びを示した。

カテゴリーでは引き続きラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドの衣料品、ハンドバッグ、宝飾・時計、化粧品が好調だった。伊勢丹新宿本店では上顧客向けのイベントの実施が奏功し、売上げを伸ばした。インバウンドは国内百貨店計(既存店)で前年を超えて推移し、全体傾向と同様に高付加価値商品への関心の高さが継続している。

大丸松坂屋百貨店(関係百貨店含む)の総額売上高は前年比6.8%増で、20カ月連続でプラスとなった。関係百貨店を除いた店計は6.6%増、入店客数の前年比も2.4%増で、店舗別では札幌(20.4%増)、京都店(8.0%増)、心斎橋(6.3%増)、梅田店(6.3%増)、東京店(6.3%増)の好調が続く。

主要5品目は全てプラスで、雑貨は14.1%増と引き続き化粧品(8.1%増)が好調に推移したほか、上顧客を対象とした催事がプラス要因となり美術・宝飾・貴金属(21.5%増)が活発に動いた。衣料品は5.6%増で、婦人服・洋品(6.4%増)は名古屋店の大型改装による売場面積縮小などのマイナス影響があったものの、ラグジュアリーブランドが引き続き売上げをけん引した。紳士服・洋品(0.4%減)はTシャツやカジュアルシャツなどが動いた一方で、単価の高いスーツなどが伸びずマイナスとなった。身の回り品(5.0%増)は、アクセサリーやハンドバッグのほか、婦人靴が好調だった。食料品では台風10号による入店客数減少というマイナス要因があったものの、和洋酒やグローサリーが売上げを伸ばした。

阪急阪神百貨店の売上高前年比は11.1%増で、25カ月連続でプラス。阪急本店は15.5%増で依然として増勢が続いている。阪神梅田本店は9.5%増だった。支店も前月に続き増収(5.3%増)で、阪神・御影(15.2%増)、博多阪急(8.9%増)、高槻阪急スクエア(8.7%増)、神戸阪急(7.0%増)が伸長した。

主要5品目は全てプラスで、身の回り品(18.8%増)と雑貨(18.2%増)が好調だった。食料品(2.3%増)はプラスに転じ、家庭用品(9.9%増)と衣料品(7.5%増)はプラス基調が継続している。