2024年11月22日

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松坂屋名古屋店、今秋から大規模改装 ラグジュアリーやアートを強化

新設するファッションゾーンのイメージ

大丸松坂屋百貨店は、11月から順次オープンする松坂屋名古屋店の改装の概要を発表した。対象の売場面積は全館約8万6000㎡のうち約2万7000㎡で、対象ブランドは新規導入の89を含めた211となる。合計投資額は約63億円で、完成は来年秋を予定する。

テーマは「クリエイティビティの表現」と「地域との共創」で、カテゴリーバランスを大幅に再編する。ラグジュアリーブランドの継続的な新規導入に加え、「ファッション」「アート」「酒」「美や健康」などを拡充。富裕層を中心とした次世代層へのアプローチを強化する。

売場面積はラグジュアリーが40%増、アートが145%増、婦人服が61%減の予定で、婦人服は既存ブランド対比だと72%減となる。売上高は、26年度(26年3月~27年2月)に23年度比42%増(総額売上高ベース、リニューアル対象フロアのみ)を目標に定めた。

また、さらなる成長に向けた環境整備として、従業員組織を今年9月に大幅に再編している。顧客営業の基幹を担う外商部門と営業部門との連動性を強め、常に新鮮なコンテンツを提供するコンテンツ開発部門の機能を強化。顧客との強固な関係性の構築と店舗の魅力向上を目指す。

フロア構成とリニューアルの概要

改装のスケジュールは、今年11月中旬に本館4階、11月下旬に本館3階と北館地下1階、12月中旬に本館5階のレディスファッションと本館8階がオープン。来年春~夏に本館5階の子供服、本館6階、本館7階、本館屋上が開き、秋に北館6階がオープンする。

強化カテゴリーであるファッション、アート、酒、美や健康の4つはそれぞれ、本館3~4階、本館8階、北館地下1階、北館6階のフロアを中心に具現化していく。

本館3~4階は「新たなファッションフロアのスタンダード」を目指し、ショップの約6割が新規導入となる。うち約3割が東海地方初出店。3階は世界のファッションシーンをけん引するクリエイティブなブランドを中心に、世界のトレンドに触れられるフロアにする。4階はフロアの中央に自主運営の新ゾーンを設け、海外のファッションシーンに挑戦する国内発のデザイナーブランドやジュエリーブランドを展開。ジュエリーや香りアイテムも集積する。

本館8階は、国内百貨店では初となる、フロア全てをアートのための空間にする。「東海エリアのアートマーケットのハブに」をコンセプトに、展開面積を約2.5倍へ拡大。2つの画廊に加え、オープンな空間のギャラリースペース、アートを感じながらくつろげるカフェを併設する。 隣接する屋上はアートに気軽に触れることができ、学びのある屋上遊園へと刷新する。

北館地下1階は「お酒の元につながりが生まれる場所」がコンセプトで、酒売場には専門ショップを導入するなど品揃えを大幅に拡充。酒売場全体の面積は約2.9倍、品揃えは約2.7倍となる。レストランゾーンは、地元の飲食店を中心に構成し、昼夜問わず楽めるゾーンとなる。

北館6階は美とリラクゼーションを提供するフロアで、ラグジュアリーコスメブランドの国内初展開となるサロンなどが登場する。

空間設計・デザインパートナーには「永山祐子建築設計」を起用。百貨店として建てられた明治時代の松坂屋に多く使われていた「銅」と「真鍮」を店装に使用し、未来と過去を織り交ぜたオリジナリティある空間を創出する。