2024年7月 大手百貨店4社売上高
夏物衣料が好調も、食品がマイナスに
大手百貨店4社の7月売上高はいずれもプラスで、阪急阪神百貨店が14.1%増、大丸松坂屋百貨店が10.0%増、高島屋が8.9%増、三越伊勢丹が7.0%増となった。衣料品は、正価の婦人ブラウスやパンツなど夏物衣料に動きがみられた。身の回り品は、セール比率の低いアクセサリーやハンドバッグが好調で、気温の上昇に伴い夏物アイテムも動いた。インバウンドでは引き続きラグジュアリーブランドが伸長した。
高島屋(国内百貨店子会社含む)の売上高前年比は8.9%増だった。店頭に限ると8.1%増で、2019年比で11.9%増。免税を除いた店頭売上高は0.8%増で、19年比で2.0%増となった。店舗別では13店舗のうち6店舗が増収で、京都(14.5%増)、大阪(13.7%増)、新宿(12.4%増)、日本橋(6.4%増)と大型店がけん引した。
主要5品目は食料品(5.0%減)を除きプラスで、身のまわり品(20.5%増)と雑貨(17.0%増)は引き続き高い伸長率を維持し、家庭用品(10.2%増)と衣料品(5.5%増)も堅調だった。品目別では美術・宝飾・貴金属(23.4%増)、家電(17.3%増)、化粧品(12.7%増)が活発に動いた。
国内客では、婦人ブラウス、パンツなど正価品の夏物衣料や、旅行用品に動きがみられた。インバウンドは、ラグジュアリーブランドを中心とした高額品が伸長し全体を押し上げた。法人事業は受注が堅調に推移し、前年実績を上回る28.7%増となった。クロスメディア事業は、通販カタログの計画的な部数、ページ数削減の影響により前年実績をわずかに下回った(0.4%減)ものの、食料品が健闘し想定を上回った。
三越伊勢丹(国内グループ百貨店含む)の売上高前年比は7.0%増となり、19カ月連続でプラスとなった。首都圏5店舗は10.6%増で、前月と同様に三越銀座店(26.0%増)、伊勢丹新宿本店(12.3%増)、三越日本橋本店(5.5%増)の基幹店がけん引した。
主要5品目は食料品(5.9%減)、家庭用品(12.8%減)を除いた3品目がプラスだった。雑貨(17.3%増)、身の回り品(16.9%増)は2ケタ増の伸長となった。衣料品(8.0%増)は先月の20.4%減からプラスに転じた。
カテゴリーではラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドの衣料品、ハンドバッグ、宝飾・時計、化粧品が好調で、気温の上昇に伴ってサングラス、カットソー、ブラウス、パンツなどの夏物アイテムへの関心も高まった。インバウンドは国内百貨店計(既存店)で先月と同水準の売上高を記録し、高付加価値商品が好調だった。
大丸松坂屋百貨店(関係百貨店含む)の総額売上高は前年比10.0%増で、19カ月連続でプラスとなった。関係百貨店を除いた店計は9.5%増、入店客数の前年比も2.7%増だった。店舗別では札幌(24.9%増)、心斎橋(18.4%増)、京都(12.3%増)、博多大丸(11.6%増)が高伸長を遂げた。
主要5品目は全てプラスで、衣料品(14.6%増)、雑貨(15.7%増)が高い伸びを示した。商品別では、婦人服・洋品(18.4%増)はラグジュアリーブランドが売上げをけん引し、気温の上昇に伴い夏物衣料品が活発に動いた。身の回り品(2.8%増)は、インバウンド需要もありセール比率の低いアクセサリーやハンドバッグが好調だったほか、美術・宝飾(16.5%増)が引き続き好調に推移した。雑貨は化粧品(20.1%増)の日焼け止めや化粧水などのスキンケア商品がよく動いた。食料品では中元ギフトが対前年マイナスとなり、全体でも前年実績を下回った。
阪急阪神百貨店の売上高前年比は14.1%増で、24カ月連続でプラス。阪急本店は20.3%増で依然として増勢が続いている。阪神梅田本店は5.3%増だった。支店も前月に続き増収(7.5%増)で、博多阪急(23.8%増)、神戸阪急(10.4%増)、阪神・御影(9.9%増)が高い伸びを示した。
主要5品目は食料品(0.6%減)を除きプラスで、身の回り品(32.7%増)と雑貨(28.9%増)が高い伸びを示した。衣料品(4.9%増)もプラス基調が継続している。