2024年11月21日

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今夏で19回目となる「六本木ヒルズ盆踊り」(写真は昨年の同盆踊り)

夏イベントで積極攻勢が目立つのがアウトレットモールだ。館内だけでなく、館外にある広場やステージも利用して子供から大人まで楽しめるイベントを展開している。軽井沢・プリンスショッピングプラザの今夏のイベントは「信州クラフトビールフェスタ in 軽井沢2024」と、野外シネマイベント「グラスサイトシネマ」。前者は軽井沢ブルワリー、南信州ビール、マリカブルーイングなど、信州の個性派ブルワリー11社のクラフトビールが販売される。軽井沢の8月の平均気温が22.5度(2023年8月の平均気温)という心地良いガーデンモール芝生の広場で、音楽ライブを聞きながら地ビールとグルメを楽しめる。後者も、同芝生の広場で映画が上映され子供から大人まで楽しめる趣向となっている。

軽井沢・プリンスショッピングプラザの「グラスサイトシネマ」(22年開催時の様子)

軽井沢・プリンスショッピングプラザでは夏に限らず大型イベントを仕掛けており、23年9月に「軽井沢アートリンク at ハロウィン」、同12月に「KARUIZAWA クリスマスマーケット」、通年展開となった「KARUIZAWA PRINCE PLAZA ILLUMINATION」、今年は3月に北陸新幹線が福井県の敦賀駅に延伸したのに伴い、福井県との連携イベント「“福井がいま、おもしろい!in 軽井沢”『福井県観光・物産フェア』」、同5月にEVやヘリテージカー、キャンピングカーが一堂に会するカーライフイベント「KARUIZAWA MOTOR GATHERING 2024 SPRING」、同6月に様々なシーンで活躍する音楽アーティストによる「KARUIZAWA SOUNDPICNIC2024」などを開催している。こうしたイベントが集客に少なからず貢献しており、軽井沢・プリンスショッピングプラザの売上げは22年度に続き23年度も前年超えを果たし、24年度上期も前年を上回った。

三井不動産が展開する「三井アウトレットパーク」の夏イベントとしては、レゴジャパンとのコラボレーションイベント「レゴアドベンチャーズSUMMER 2024」を、8月10~18日に11施設で開催する。レゴブロックで花がつくれる「レゴボタニカルガーデン」や、自分だけのオリジナル最強のメカがつくれる「レゴニンジャゴーメカ・アクションラボ」「レゴブロックで街づくりワークショップ」「レゴブランドの着ぐるみグリーティング」などのワークショップやブースが登場する体験型無料イベントとなっている。

レゴイベントに加え、三井アウトレットパーク横浜ベイサイドでは地域関係者とによる環境保全イベント「学べる!楽しめる!『エコWEEK』」を開催中(7月26日~8月12日)。今回で4日目となるエコWEEKは、参加店舗数約50店舗、地域企業参加数約15企業と規模が拡大している。地域企業とのコラボレーションでは、ユニクロの古着アップサイクルワークショップや、関東学院大学による「ボールベアリングの組立体験」「水素ロボット」「ケミカルライトウォーター」「夏をひんやり~温度を目で見てみよう~」のイベントを実施する。ほかに横浜ベイサイドマリーナ エコボートで「マリンクリーン体験クルーズ」なども行う。出店店舗とのコラボレーションではSHIPSの「うみゴミでつくる、カラフルまんげきょう」、GAPの「古着販売&世界で一つだけのエコバッグ作り」、garage YOKOHAMAの「木工ワークショップ」などで、出店店舗によるエコ・エシカル商品の販売もある。

ショッピングや館内環境だけでなく、地域とのつながりや体験型イベントなども強化してワクワクさせる施設づくりに取り組んでいるのが、三菱地所・サイモンの「プレミアム・アウトレット」。今夏、首都圏のプレミアム・アウトレットでは、御殿場プレミアム・アウトレットが打ち上げ花火が人気の「Gotemba Night!! 2024」、ふかや花園プレミアム・アウトレットが「Summer Festa」、酒々井プレミアム・アウトレットが「酒々井町を巡って満喫しよう『酒々井町 ぐるっと スタンプラリー』」、佐野プレミアム・アウトレットが「ミストがでる!?恐竜 in 佐野プレミアム・アウトレット」を展開する。

酒々井プレミアム・アウトレットで開催中の酒々井町 ぐるっと スタンプラリーは、酒々井町のエリアの魅力を発信し、町内の観光・周遊を促進するために4施設(酒々井プレミアム・アウトレット、酒々井温泉 湯楽の里、飯塚本家、まるごとしすい)が結束して実現した連携企画。酒々井温泉 湯楽の里は、温泉かけ流しの展望露天風呂や高濃度炭酸水などの温泉などがあるリラクゼーション施設だ。飯塚本家は300年続く酒蔵で、ショップやギャラリー、宿泊施設も備えている。まるごとしすいは地元農家の採れ立て新鮮野菜や酒々井町の特産品などを販売している。スタンプラリーで巡り、3つまたは4つスタンプを集めると各施設のオリジナルノベルティなどがプレゼントされる。

ショッピングセンター事業を運営している東急モールズデベロップメントでは、子供たちを対象としたイベントが盛んに行われている。というのも、同社は商業施設運営を通じてサステナブルなまちづくりを推進していくため、“Tokyu Malls Development Sustainability Action”を本格的に始動させ、「循環型社会の実現」と「脱炭素社会の推進」、そして「子どもの笑顔をつくる」の3テーマに重点的に取り組んでいるからだ。

子供の笑顔をつくるでは今夏、子供を対象としたイベントとして南町田グランベリーパーク、二子玉川ライズなどの12施設が参加した小学生向けおしごと体験「キッズスタッフイベント」を展開。施設ごとでも夏イベントが開かれ、武蔵小杉東急スクエアが、川崎市市政100周年を記念した抽選会と子供お絵描きからなる「未来の武蔵小杉を考えるお絵描きコンテスト」と、顧客のアイデアから企画した夏休みイベントの「武蔵小杉東急スクエアで世界旅行」&「おかし千本引き」、港北TOKYU S.C.が都筑区のものづくり企業との共創イベント「サステナブルフェア」、二子玉川ライズがアートをテーマにした「TRY ART PARK」、ライズ内のレストラン&カフェ31店舗が参加した「TRY SUMMER GOURMET」、南町田グランベリーパークが「世界のカブト&クワガタ展」といった具合だ。

さらに、青葉台東急スクエアが地域の学校や団体と連携した子供向け企画「位置についてヨ~イ SUMMER」は、8月の毎週末に仕掛けるイベント。中学校吹奏楽部による「スクエアコンサート」「バンジートランポリン」「みんなでラジオ体操をしよう!」「キッチンカーがやってくる」「美大生と共に描こう!5m超えの巨大アート制作」など9企画となる。

青葉台東急スクエアの夏休みイベント「ラジオ体操」(過去の開催時の様子)

地域密着を標榜する青葉台東急スクエアは地域連携に取り組み、様々な人が集う・交わる・活動する場となって、地域の学校の吹奏楽部によるスクエアコンサート、青葉警察署・青葉消防署・日本体育大学とラジオ体操イベントなどを共催。新型コロナウイルス禍では、演奏会を開けない青葉台吹奏学部の中高生に演奏する場を提供したいと、クラウドファンディングを活用して青葉台東急スクエア内にある本館5階の区民文化センターのフィリアホールで実現させた。最近では、小学生向けのおしごと体験に参加した子供達が考案した企画を「青葉台東急スクエア屋上で星空night」として開催している。参加した小学生4人が出し合ったアイデアが星空観賞としてイベント化された。普段使用されていない屋上に芝生を敷き詰めて会場が設営され、子供達の夢を叶えることになった。

(塚井明彦)

主要商業施設で開かれる2024年夏のイベント(パート2)