2024年11月22日

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外出機運が高まり、催事・盛夏アイテムが好調

日本百貨店協会が調査した全国百貨店(71社・177店)の6月売上高は5018億円余で、前年比(店舗調整後)は14.0%増、2019年比でも8.2%増と、新型コロナウィルス禍前を超えるプラス基調が継続している。入店客数は前月より4.4ポイント上昇し6.4%増となり、28カ月連続でプラスだった。

平年より遅い梅雨入りで晴天の日が多かったため外出機運が高まったほか、各社が企画した外商・食品催事や会員施策も奏功した。インバウンドと高付加化価値商材は引き続き活況で、天候がプラス要因となり盛夏アイテムも好調だった。ブライダルなどのオケージョンニーズもみられた。中元商戦はこだわりの素材やパーソナルギフト、自家需要など、ライフスタイルの変化に沿った商品提案が好評で堅調に推移した。

顧客別では、インバウンドが135.5%増の661億円と、27カ月連続のプラスで、前月(718億円)に次ぎ調査開始以来2番目に高い数値となった。19年比でも133.8%増と好調に推移し、購買客数は57.9万人(92.3%増)と過去最多を記録した。免税売上げの1~6月累計は3344億円(162.2%増)で、上半期で初の3000億円を上回った。

国内市場は、増勢が続く高額商材がけん引し、前月より3.4ポイント上昇の5.7%増(シェア86.8%)だった。19年とほぼ同水準で推移した。1~6月累計の前年比は3.3%増となった。

地区別では、大都市はインバウンド需要と好調な高額消費から、33カ月連続プラスの17.1%増で、9地区で前年実績をクリアした。7地区が二桁増で、福岡(28.9%増)、大阪(22.4%増)、京都(20.9%増)は2割超の伸長率を示した。地方は前月より4.9ポイント上昇し3カ月ぶりにプラスに転じ、6地区で前年実績をクリアした。高付加価値商材と盛夏アイテムが伸長し、インバウンド効果も徐々に浸透した。

商品別では主要5品目すべてで前年実績をクリアした。身の回り品(30.0%増)、美術・宝飾・貴金属(34.8%増)、化粧品(13.1%増)は国内外共に好調だった。衣料品(15.7%増)は天候要因から夏物の動きがよく、食堂喫茶(5.8%増)は、ビアガーデンやバーベキューが賑わった。食料品(0.3%増)は生鮮食品(1.9%減)が価格高騰の影響でマイナスだったものの、菓子(3.7%増)がギフトやインバウンド需要で3カ月ぶりにプラスに転じた。