2024年11月21日

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御殿場プレミアム・アウトレットの「Gotemba Night!!」の目玉、打上げ花火

学校が夏休みに入り、商業施設で開催される夏イベントも佳境を迎えた。夏イベントといっても日本橋や大手町、JR東京駅とその周辺のようにエリアにある商業施設や老舗なども含めて全体を巻き込んだ大規模あり、商業施設単独による夏祭りにスポットを当てたファミリー向けなど多彩で、さらには小学生などの子供を対象とした「おしごと体験」の人気も高い。六本木ヒルズ・虎ノ門ヒルズ・麻布台ヒルズで夏イベントを展開している森ビルは、子供向けだけでなく大人向けの体験型も開いている。一連の夏イベントはワークショップによる体験型が主流であり、今夏は町内での盆踊りが減っているためか、ショッピングモールで盆踊りの復活や初開催も目立つ。


エリアを巻き込んで大規模イベントを展開しているのが日本橋や丸の内、JR東京駅周辺だ。日本橋では三井不動産が主導して夏祭りが実施されている。「ECO EDO日本橋」は今年で16回目となる恒例の夏イベント。今夏の「ECO EDO日本橋2024~五感で楽しむ、江戸の涼~」は、“浴衣で楽しめるまち日本橋”がテーマだ。日本橋の名店や話題のかき氷店が集結した「日本橋かき氷フェスティバル」をはじめ、日本橋エリアの170以上の店舗がオリジナルスイーツ・フード・ドリンクなどの涼しいメニューを展開する「ecoedoメニュー」、仲通り(COREDO室町1・2間)での「晴れたら打ち水!」日本橋、約200個の風鈴が並ぶ「風鈴スポット」、手ぶらで来ても浴衣をレンタルして街歩きが楽しめる「日本橋ゆかたステーション」などが展開されている。

「ECO EDO日本橋」で開く「晴れたら打ち水!」日本橋

また、今年のECO EDOイベントは“日本の夏の涼とエコな暮らし”を共通テーマに、三井不動産が地域と連携してエリアマネジメントを推進している東京ミッドタウン(六本木)、東京ミッドタウン日比谷、東京ミッドタウン八重洲でも実施した。

そのほか、日本橋エリアでは東京ドーム(プリズムホール)との2拠点を会場にして「夏のわくわくキッズフェス2024」や「がんばれ!スタジアム presented by 三井不動産」&「日本橋シティドレッシング2024」が開かれている。日本橋会場で7月26日・27日・28日に開く夏のわくわくキッズフェアは、在日本橋の企業団体、商業店舗など約20の出店者が自社の空間やサービスを活用して子供向けワークショップを用意。福徳神社の衣装をまとってお参りの作法などを学ぶ「神主さん体験」、千疋屋総本店の「果物販売の職業体験」、三越日本橋本店の江戸時代から伝わるまごころを学ぶ「まごころのいろは」、マンダリンオリエンタルホテル東京の「ホテリエ体験」、三井住友銀行ならびに三井住友信託銀行のある三井本館での「銀行職場体験」などがある。

パリ2024オリンピック競技大会の開催に合わせて7月26日~8月11日まで開かれる、がんばれ!スタジアム presented by 三井不動産は、日本橋室町一帯を使った応援機運醸成イベント。オリンピック競技に用いられる器具をモチーフにした全13種の巨大なアスレチック施設を日本橋に登場させ、巨大アスレチックでの遊びを通してオリンピックを応援するきっかけを提供する。共催の日本橋シティドレッシング2024は、三井不動産が所有する商業施設の壁面全体を使ってTEAM JAPANの選手達が躍動する姿をダイナミックに装飾している。

三菱地所主導などで大丸有エリアで開かれる「丸の内夏祭り」は、今年で19回目となる。最大50人で一斉に打ち水を体験できる「丸の内 de 打ち水」をはじめ、「無料の浴衣着付けサービス」、ベトナムのソウルフード・バインミー、ガレット各種、横手焼きそば、話題の韓国料理・ソトックソトック、コーヒー、富士宮焼きそばといったメニューを提供するキッチンカーも大集積。さらに今年は2年ぶりに「丸の内盆踊り」が復活する。高さ約4m強の祭やぐらが登場し、そこから一定間隔でミストが噴霧される。

今夏も東京駅八重洲エリアが連携して「八重洲ごっつぁんチャレンジ!LINEスタンプラリー」が開催された。大丸東京店から74店舗、ヤエチカから64店舗、東京駅エリアから72店舗(グランスタ八重北39店舗、グランスタ八重洲21店舗、グランアージュ12店舗)に加え、今夏から東京駅一番街(36店舗)と東京ミッドタウン八重洲(29店舗)が加わり、東京駅八重洲エリア5施設合わせて275店舗が参加した。これら八重洲エリアを、食べて、巡って、知ってもらうことが目的。八重洲ごっつぁんチャレンジでスタンプ集めると、抽選で横綱賞(東京ステーションホテルペア宿泊券2本)、大関賞(お買物券合計8000円30本)、関脇賞(お買物券合計4000円60本)など合計512本から当たる。

夏のイベントではないが、東京駅と周辺を巻き込んだ活動は大規模清掃活動「東京エキマチキラピカ作戦」が行われている。02年にJR東京駅から始まった同キラピカ作戦。15年からは大手町・丸の内・有楽町を活動エリアとする「大手町キラピカ作戦」、16年からは八重洲・日本橋・京橋を活動エリアとする「八重洲・日本橋・京橋キラピカ作戦」も同時開催するようになった。昨年11月8日に開かれた「第16回東京エキマチキラピカ作戦」には、126企業・団体合わせて1231人が参加した。

東京ステーションシティで活動する会員企業と共に、東京駅とその周辺のエリア全体の魅力と価値向上を目指す一般社団法人東京ステーション運営協議会が主催となって東京駅構内におけるイベントも多い。今夏は東京ステーションシティと学生とが連携したプロジェクト、移り変わる東京駅の未来へ紡ぐ写真展「東京駅:SOW THE FUTURE(未来に種をまく)2024」、東京駅から広がる街や文化を楽しみながら学べる体験型謎解きイベント「リアル宝探し ダイスに導かれた三日月(ムーン)鉄道」が開かれている。すでに開催(7月10~16日)が終了したのが、グランスタと阪神梅田本店の「クリエイターズヴィレッジ」。次世代クリエイターを応援する阪神梅田本店のプロジェクトで、その2回目がグランスタ東京のスクエアゼロとchikakitaを会場にして、クリエイターによるファッション雑貨、レザーグッズ、アート作品など多彩なクリエイションが一堂に会した。

東京ガーデン紀尾井町の夏イベント「KIOI SUMMER 2024 feel nature」は、東京ガーデンテラス紀尾井町が千代田・紀尾井町エリアで実施するタウンマネジメントプログラムの一環。紀尾井町エリアの価値向上に向けて、19年から毎年開催している。東京ガーデン紀尾井町は、紀尾井町タワーと紀尾井レジデンス、赤坂プリンスクラシックハウスを有する複合市街地で、施設内にはショップやレストラン、カフェ、ホテルなどがある。緑も豊かで施設内には3つの広場やバラ園、ビオトープなどを有する。今年のKIOI SUMMERは夏の夜を楽しむプログラムとして、約30万球の電飾を使用した「KIOI 光の天の川」を、紀尾井テラス1階の花の広場、同4階の水の広場、同1階のテラスの小道で展開。初の試みとなる盆踊りは、8月23~24日に開催される。

今夏は首都圏で盆踊り大会を開くショッピングモールが目立つ。渋谷スクランブルスクエアが7月13日と20日(各日18時15分~19時15分/19時45分~20時45分)に開くのが「天空の夏祭り」。渋谷の上空229mで踊る迫力ある「ROOF TOP盆踊り」を実施した。屋内展望回廊・SKY GALLERYには「空の提灯回廊」が初登場する。ニッケコルトンプラザが8月17日・18日(各日18時~21時)に開く「コルトン盆踊り」は今夏で33回目。7月27日の「えびな みんなの夏まつり」はビナウォークと隣接する海老名中央公園を会場に、やぐらを囲んで踊る盆踊りをはじめ、地域団体や地元高校生によるパフォーマンスや縁日遊びなどが行われる。5年ぶりに盆踊りを復活させるのがコクーンシティ新都心。開催は8月10~11日(各日16~21時)となる。サンシャインシティの納涼盆踊大会は開業した年から開かれ、45回目となる今夏は8月1~3日の開催となる。少し先の10月12~14日には、立川にあるGREEN SPRINGSが2階中央広場で妖怪盆踊り「たちかわ妖怪盆踊り2024」を開く予定だ。

森ビルが開く夏イベントは3つ。麻布台・虎ノ門・六本木のヒルズを舞台にした小学生対象の「ヒルズ街育プロジェクト」2024年夏プログラム、麻布台ヒルズ初の夏イベントとなる「夏の広場を楽しむ『SUMMER AT THE GREEN』」、“大人の学び”をテーマにした虎ノ門ヒルズの「夏の体験型イベント」となる。

麻布台・虎ノ門・六本木の各ヒルズで開催する「ヒルズ街育プロジェクト」

ヒルズ街育プロジェクトは、麻布台ヒルズで「環境とみどりのヒミツ体験ツアー(8月19~20日開催)。虎ノ門ヒルズ(ARCH Toranomon Hills Incubation Center)では「新規事業創出に挑戦!困りごとを解決する新しいサービスや商品を生み出そう!」をテーマに、ヤマハと「みんながもっと楽器を楽しめるような未来のサービス」、セブン-イレブン・ジャパンと「人と地球に優しい未来のコンビニ」を考えるプログラム(8月1・2日開催)を企画する。六本木ヒルズでは「安全と安心のヒミツ体験ツアー」(8月8~9日開催)で、通常は一般非公開の防災センターや非常食が保管されている備蓄倉庫などを探検し、人と街を災害から守るヒミツを探る。「アートのヒミツ探検ツアー」(8月15日開催)では、森美術館で開催中の「シアスター・ゲイツ展」をスタッフによる解説を聞きながら鑑賞。「六本木ヒルズのヒミツ探検ダイジェストツアー」(7月29日~8月1日、8月5~7日開催)では、通常非公開の屋上庭園や備蓄倉庫を探検するなどして、街づくりで大切にしている安全・環境・文化を学ぶ。

さらに麻布台ヒルズと六本木ヒルズでは、約1カ月(全5回)かけて実施する中期探求プログラム「みらまちキャンプ」が開催される。そのプログラム内容は1回目が「オリエンテーション&六本木探索ワークショップ」、2回目が「安全と安心のヒミツ探検ツアー」、3回目が「アートのヒミツ探検ツアー」、4回目が「環境とみどりのヒミツ探検ツアー」、5回目が「未来ソウゾウワークショップ&発表会」となる。

麻布台ヒルズのSUMMER AT THE GREEN(7月20日~9月1日開催)は、フード・ドリンクメニューやジャズライブを広場で楽しむ「SUMMER GARDEN」、隣接する西久保八幡神社の盆踊りと合わせて開く「麻布台ヒルズ納涼祭り」、そしてテナント企業や店舗と連携して特別な体験を提供する子ども向けのワークショップ「ヒルズ・ワークショップ フォー・キッズ2024」からなる。

虎ノ門ヒルズの夏の体験型イベントは、“大人の学び”をテーマにしたワークショップ「TORANOMON HILLS CULTURE」と、様々な分野で活躍する人々が想いやアイデアを語るトークイベント「HILLS BREAKFAST」、体験型展覧会「Perfume Disco-Graphy 25年の軌跡と奇跡」の3つ。TORANOMON HILLS CULTUREには虎ノ門ヒルズのショップ&レストラン23店舗が参加し、大人が楽しめるワークショップを開催。鮨 すがひさによる「寿司にぎり体験とお魚の話」、うなぎの中庄による「うなぎを知る~土用の丑とひつまぶしについて~」、虎ノ門横丁による「タベアルキスト マッキー牧元氏とめぐる虎ノ門横丁はしごツアー」といったワークショップが開かれる。

小学生から人気なのが、鉄道会社やショッピングセンターなどで開催されている「おしごと体験」だ。東急モールズデベロップメントや小田急SCディベロップメントでは、運営している商業施設 がこぞって参画して大々的に展開している。東急モールズデベロップメントが昨年の夏休みに開催した「キッズスタッフイベント」には、197のお仕事体験に588人の募集枠が設けられたのに対し1万3969件の応募があった。当選倍率は25倍で、その中には248倍となった体験もあった。小田急SCディベロップメントでも昨年夏休みに開いた「おしごと体験イベント」で、約250人の定員に対して3300人超の応募があり、当選倍率は最大91倍となった。

東急モールズデベロップメントが運営する、五反田東急スクエア、武蔵小杉東急スクエア、たまプラーザテラス、青葉台東急スクエアなど12施設では、今年も「キッズスタッフイベント」を開催する。キャンピングカーの飾り付けや青果店での接客、テニススクールスタッフなど16枠の体験メニューが新たに加わり、229の体験数(対象人数772人)となる。二子玉川ライズ・ショッピングセンターの体験イベントでは、「カリス成城」にあるアロマ店で試香紙のお渡しや声掛けなどを、東急電鉄二子玉川駅でのこども駅員さん体験では、駅プラットホームでの放送、駅内施設見学などを行う。グランベリーパークの場合、猫カフェの「Cat Café MOFF」で清掃・猫のご飯・猫のブラッシングといった猫の世話を体験し、キャンピングカーを扱う「トイファクトリー東京」ではキャンピングカーの飾り付けやデザインに取り組む。

小田急線の駅で制服・制帽姿になり、列車の指示合図等をする「駅員体験」(小田急SCディベロップメント)

一方の小田急SCディベロップメントのおしごと体験イベント2024は、新百合ヶ丘エルミロード、相模大野ステーションスクエア、本厚木ミロードなど小田急沿線の7つのSCと対象駅で実施。新たに地元の映画大学と連携したCM制作体験や、ロマンスカーミュージアムでのスタッフ体験など21のメニューが加わり、96種類・全107枠に262人が体験できる体制を整えた。7月30日に体験イベントを開く新百合ヶ丘エルミロードの場合は、小田急線新百合ヶ丘駅の「駅員さん」でロマンスカーの発車合図・窓口体験ができ、日本映画大学の「CM制作体験」では内容検討や撮影など、CM制作に関わる一連の業務を体験できる。ビナウォークでは小田急線海老名駅の「駅員さん」(駅の裏側・アナウンス体験)、ロマンスカーミュージアムでの「ミュージアムスタッフ」(展示車両の清掃・お客様案内)、TOHOシネマズ海老名での「映画館見学ツアー」(映画館の裏側見学)などがある。

(塚井明彦)

主要商業施設で開かれる2024年夏のイベント