2024年10月30日

パスワード

衣料品や身のまわり品、雑貨が好調

大手百貨店4社の6月売上高はいずれもプラスで、阪急阪神百貨店が27.1%増、大丸松坂屋百貨店が20.4%増、三越伊勢丹が17.8%増、高島屋が17.2%増となった。インバウンド需要が高いラグジュアリーブランドのアクセサリーやハンドバッグが引き続き好調だった。デザイナーズブランドの衣料品も伸長した。パラソルやサングラスなどUV対策の夏物アイテムのほか、晴雨兼用傘や寒暖差対応のジャケットなどが動いた。

高島屋(国内百貨店子会社含む)の売上高前年比は17.2%増だった。店頭に限ると16.8%増で、2019年比で16.9%増。免税を除いた店頭売上高は7.8%増で、19年比6.5%増となった。店舗別では13店舗のうち11店舗が増収で、大阪(25.8%増)、京都(23.9%増)、新宿(22.3%増)、日本橋(18.8%増)と大型店がけん引した。

主要5品目はすべてプラスで、身のまわり品(37.2%増)と雑貨(25.6%増)は引き続き高い伸長率を維持し、衣料品(15.4%増)と家庭用品(12.2%増)も2桁の伸びを示した。品目別では家電(37.2%増)、美術・宝飾・貴金属(33.4%増)、化粧品(21.3%増)、子供服・洋品(17.7%増)、婦人服・洋品(17.5%増)が活発に動いた。

対国内客では、梅雨入りに伴い晴雨兼用傘や寒暖差対応のジャケットなどが好調だった。インバウンドは引き続きラグジュアリーブランドを中心とした高額品の伸長が、全体を押し上げた。法人事業は受注が堅調に推移し、前年実績を上回る36.0%増となった。クロスメディア事業は通販カタログの計画的な部数、ページ数削減の影響により前年実績を下回る10.7%減だった。

三越伊勢丹(国内グループ百貨店含む)の売上高前年比は17.8%増となり、18カ月連続でプラスとなった。首都圏5店舗は21.9%増で、前月と同様に三越銀座店(39.2%増)、伊勢丹新宿本店(24.3%増)、三越日本橋本店(16.1%増)の基幹店がけん引した。

主要5品目は食料品(1.3%減)を除いた4品目がプラスだった。雑貨(34.2%増)、身の回り品(27.8%増)は約3割増の伸長となった。衣料品(20.4%増)も好調で、中でも子供服・洋品(11.6%増)は先月の2.3%減から大幅に伸長した。

カテゴリーではラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドの衣料品、ハンドバッグ、宝飾・時計、化粧品が好調で、気温の上昇に伴ってサングラス、ブラウス、パンツなどの夏物アイテムの関心も高まった。インバウンドは単月で最高額を記録した24年5月に次いで、2番目に高い実績となった。

大丸松坂屋百貨店(関係百貨店含む)の総額売上高は前年比20.4%増で、18カ月連続でプラスとなった。関係百貨店を除いた店計は19.1%増、入店客数の前年比も9.1%増だった。店舗別では心斎橋(33.7%増)、京都(27.4%増)、博多大丸(26.8%増)、札幌(25.9%増)が高伸長した。名古屋(15.4%増)、梅田(15.3%増)、東京(14.5%増)、神戸(13.5%増)、上野(12.0%増)、高知(10.2%増)も2桁増だった。

主要5品目は全てプラスで、雑貨(26.0%増)、衣料品(24.0%増)が高い伸びを示した。婦人服・洋品(27.2%増)は、名古屋店の大型改装による売場面積縮小などのマイナス影響があったものの、引き続きラグジュアリーブランドが好調だった。紳士服・洋品(7.4%増)は、気温の上昇に伴いジャケットやカジュアルシャツなどが動いた。身の回り品(12.4%増)はインバウンド需要の高いアクセサリーやハンドバッグが好調を維持したほか、パラソルやサングラスなどUV対策商品が伸長した。雑貨(26.0%増)は、化粧品(19.7%増)の好調が続き、美術・宝飾・貴金属も36.9%増と外商売上げなどにより高伸した。食料品は3.0%増となった。例年と比較し梅雨入りが遅れ、前半に入店客数が増加したことも伸長につながった。

阪急阪神百貨店の売上高前年比は27.1%増で、23カ月連続でプラス。阪急本店は37.7%増で依然として増勢が続いている。阪神梅田本店は9.2%増だった。支店も前月に続き増収(16.7%増)で、博多阪急(35.1%増)、阪急メンズ東京(21.5%増)、神戸阪急(16.2%増)、阪神・御影(16.2%増)、高槻阪急スクエア(12.4%増)が2桁増を遂げた。

主要5品目では全てプラスで、身の回り品(52.1%増)と雑貨(35.3%増)が高い伸びを示した。衣料品(24.1%増)もプラス基調が継続している。