高島屋、七夕のアクセサリー販促が好調、目指すは定番化
高島屋は阪急阪神百貨店と共同で、新たなアクセサリー需要の喚起に向けたプロモーション「わたしの七夕アクセサリー」を展開している。「七夕」をテーマに、12星座の「星座石」、星、月などをモチーフにしたアクセサリーを店頭やECサイトで訴求する。期間は6月19日~7月9日。6月19日のスタート以降売上げは好調で、特に星座石がフックになっているという。
わたしの七夕アクセサリーは各店舗のアクセサリー売場と、ECサイトで開催。12ブランド約120種類以上のアクセサリーを揃える。店頭ではPOPと商品を並べ、ECサイトでは専用ページを開設した。阪急阪神百貨店では、阪急うめだ本店のアクセサリー売場で開催している。
ラインナップの目玉は星座石を使用したアクセサリーで、10ブランド約70種類を用意した。星座石は占星術研究家の鏡リュウジ氏が監修し、6月29日には高島屋新宿店で同氏のトークショーも開催した。
開始以降、売行きは順調。元々、同社のアクセサリーは直近で前年比2桁増が続くなど右肩上がりだったが、売上げはさらに上昇した。店頭でPOPを見て「私の星座石ってこれなんだ」と会話する客が見られるなど、星座石を切り口としたアプローチが成功している。このプロモーションは国内の中間層をターゲットに想定していたが、中国では星座石に馴染みがあるようで、訪日客の購買も想定以上にあった。
この取り組みを始めた背景には、アクセサリー商戦の変化がある。高島屋MD本部婦人雑貨担当バイヤー木谷文香氏は「アクセサリーといえばクリスマスギフトが年間のヤマだったが、最近はプレゼントが多様化し、コスメなどを購入する人も増えてきた。今も売れる時期ではあるが、以前ほどではない」と説明する。
そこで新たな需要喚起の場の創出を目指し、七夕をテーマとしたプロモーションを考案した。一過性のものではなく、「現在、日本ではバレンタインにチョコレートを買うのが当たり前になっているように、季節のイベントとして定着させていきたい」(木谷氏)。
星座石という商材は、星や願いごとといったモチーフと親和性が高いことや、発信力の高いインフルエンサーを立てられること、自分の星座石を選ぶ楽しさがあることから選ばれた。今回のプロモーションでは自家需要を狙い、長期的にはブランドの認知度や人気を高め、ギフト、ブライダル用途へとつなげていきたい考え。
取引先のアクセサリーメーカーも協力的な姿勢で、中にはこれに合わせて新作を用意したメーカーもあった。「阪急阪神百貨店も含め、私達は日本のシーズンイベントとして定着させたいと本気で考えている。その熱意が皆様に伝わり、協力していただけた」と木谷氏は話す。今後についてはまだ未定だが、毎年の定例化を目指している。
(都築いづみ)