「KANEBO」が攻勢を加速、ブランドパーパスの浸透へ

2024/07/05 4:21 pm

タグ: 花王  カネボウ 

花王のグローバルプレステージブランド「KANEBO」は9月、美容液「フュージョニング ソリューション」を発売する。人が幸せを感じたときの肌印象のカギとなる「キメ」「ツヤ」「うるおいに満ちた明るさ」「なめらかさ」の4つにアプローチし、いきいきした印象を引き出す。今後は「美ではなく、希望を発信する」というブランドパーパスの訴求も強め、攻勢を加速させる。

美容液「フュージョニング ソリューション」

フュージョニング ソリューションは、“幸せを感じたときのいきいきとした肌印象”へ導く美容液。幸せ肌塗膜技術「フュージョニングテクノロジー」を採用し、くすみ、ごわつきなど凹凸がある肌にも均一でなめらかな浸透膜を形成する。配合成分やうるおいを角層まで届けながら閉じ込め、柔らかく滑らかな肌へ導く。

容量は60mlで、価格は本体が1万4300円、レフィルが1万3750円。9月6日に全国の百貨店や化粧品専門店などで発売し、香港やタイなどでも順次販売を開始する。

「美ではなく、希望を発信する」ブランドへ

今の時代に共感を呼ぶようなキャッチコピーを展開。商品の機能性と相まり支持を高めている

KANEBOは2020年にリブランディングを実施。以降、朝用クリーム「クリーム イン デイ」、洗顔料「スクラビング マッド ウォッシュ」、リキッドファンデーション「ライブリースキン ウェア」など数々のヒット商品を生み出してきた。2023年度(1~12月)の国内事業では、売上高2桁伸長を記録している。

続いて今年1月に発売したリップカラー「ルージュスターヴァイブラント」もキャッチコピーの「そのルージュは、黙らない」と共に大きな反響を呼んだ。3月に発売した化粧水「スキンハーモナイザー」も「悪玉化する皮脂」をトラップするという発想が注目され、新客の獲得につながっている。

これらの快進撃の要因は、商品の機能性に加えて、ブランドパーパスやその発信も大きいという。年に1度、「希望」をテーマにしたテレビCMを放映。また商品の訴求では、欠点を隠したり固定概念を押し付けするような表現は避け、前向きな表現を取り入れている。化粧品事業部門プレステージビジネスグループKANEBOブランドマネジャーの木津裕美氏は「自分の中でワクワクを生み出していけるような、“未来への提示”を重要視している」と話す。

フュージョニング ソリューションの発売を皮切りに、ブランドパーパスを訴求するプロモーション展開を強化する。アジア各地からコミュニケーションアンバサダーを計9人選出し、ブランドの想いと同商品への理解を深めるイベントを9月に実施。その様子の動画コンテンツを発信する。

小売店とのインナーコミュニケーションにも力を入れている(写真は5月に行われた全国専門店ブランドアワード2024)

国内でもブランドパーパスを伝えるため、小売店とのインナーコミュニケーションを積極的に行っている。5月にはカネボウ化粧品を取り扱う専門店を招いた「全国専門店ブランドアワード2024」を開催し、戦略や方針、ブランドの想いを改めて説明した。あらゆるチャネルからブランドパーパスを届け、「美ではなく希望を発信するブランド」としての認知、共感を拡大させていく。

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