アラ商事、「心を豊かにするファッション」で購買意欲を喚起
2024/06/28 11:58 am
アラ商事は「心を豊かにするファッション」を切り口に、消費者の目線を引き付けられる目新しいビジュアルプレゼンテーションの方法を提案する。
展示会を通じて3カ月ごとを目途に新しいメッセージを発信していく。9~11月は①マインドフルネスや心の平静をテーマにしたファッション②個々の独自性やアイデンティティを尊重するスタイル③自己肯定感やポジティブなメッセージを発信するファッション④快適性とリラックス感を重視したファッション――という内面的かつ精神的なトレンドに注目。人々がファッションを通じて精神的な豊かさを求めた時、コミュニケーションが非常に重要となるため、ライフスタイルを彩る「ギフト」をテーマにした商品と演出を用意する。
「1つは、感謝を伝えるためのギフト、もう1つは『自分へのご褒美』も含めたギフトを、メッセージとして演出する」(同社)。例えば、ここ数年はブライダルシーンに限らずパーティーなど“オシャレして集まる機会”が増え、ネックウエアを拡販するチャンスになっているという。着飾るための自分へのご褒美は、まさにファッションであり、ギフトの需要だ。
メッセージ性を表現できる商品も提供する。オリジナルブランド「アールダム」は世界的なシーズントレンドにフォーカス。「温かみ」と「立体感」を追求するとともに、展示会ではスーツやジャケットのシーズントレンドの生地も一緒に見せて、ファッション性を強調する売場づくりを提案した。
同じくアールダムは「ガーデンパーティー」を意識した商品も用意。白色やシャンパンカラーのバリエーションが多彩だが、ミックスした色目のタータンチェック、カジュアルシーンでも着用できる秋冬仕様のニットタイや蝶タイが印象的だ。「ビジネス、パーティー、カジュアルの3軸で自家需要と贈答需要を取り込む」(同社)。蝶タイは最近、若年層の売れ行きも良く、消化率が高いという。
ギフトでは「ダックス」や「ポールスチュアート」「カルバンクライン」で、新しい販売方法を百貨店のネクタイ売場に提案する。具体的には、各ブランドの特徴とシーズン提案をわかりやすく編集。色で選ぶ女性は多く、より分かりやすく、選びやすくして、贈答需要を引き出す。
ファッションやギフトで売上げの伸長を狙う一方、ラグジュアリー市場やインバウンド(訪日外国人)、若年層ら伸び代のあるターゲットへの対応にも力を注ぐ。
ラグジュアリーとインバウンドの受け皿としては「アレサンドロ」と「エー・アール・エー」を訴求。アレサンドロでは国産の最高級のネクタイを揃えており、エー・アール・エーは日本の伝統的な柄を施し、訪日外国人との親和性が高い。「アレサンドロのガムツイルとエー・アール・エーのブラックコレクションは評判も高く、ラグジュアリーファッションとしても提案していく。」(同社)。
若年層では「フォスカ」が好調に推移。スナップタイやワンタッチスカーフで新たな需要を引き出す。スナップタイは都会的なイメージの商品を試験的に販売したところ、若年層の評価が高かった。ワイシャツとのコーディネーションも示して拡販を狙う。ワンタッチスカーフは襟付きのシャツに加えて丸首のシャツに合わせてPR。スナップタイもワンタッチスカーフもコーディネイト提案を徹底していく。
展示会では引き続き、オーダーメイドやリメイク、アップサイクル、群馬県桐生市に擁するグループ会社、アルファテックスの自社工場が手掛けるファブリックなども紹介。オーダーメイドやリメイクはイベントでの展開が増え、アップサイクルはワンマイルバッグの評判が良く、ファブリックは再生ポリやシルクを中心に受注が好調だ。ネックウエアの新作を披露するだけでなく、様々なビジネスモデルを示し、既存の取引先における商機の拡大、新しい取引先の開拓などにつなげる。
(野間智朗)