マルショウエンドウの「ショゾン」が好調、新シリーズでさらに拡販へ
マルショウエンドウのオリジナルバッグブランド「SCHOZON(ショゾン)」が好調だ。2023年春に誕生して1年、様々なシーンに対応する品揃えと日本製の確かな仕立てで、顧客からの支持を獲得。外出需要の高まりも追い風に、着実に売上げを伸ばしている。さらにブランド強化を図るべく、24年秋冬は新たに2つのシリーズを投入して、顧客への訴求を強める。
ショゾンは「日常に少しのエレガンスを添えるバッグブランド」として、昨春にスタート。「ハレもケも。」のテーマで、カジュアルからトラベル、フォーマルまでと幅広い機会に対応する。ほぼ全ての商品が日本製という丁寧な仕立てもブランドの強みだ。商品本部広報販促部執行役員部長の遠藤剛氏は「軽さや収納といった機能性と、やはり日本製という品質が安心感につながり、支持をいただいている」と、好調理由を語る。
ブランドスタート時は4シリーズだったが、現在は8シリーズで構成する。「当初より市場の反応を見ながらスクラップ&ビルドを行っていく予定だった。おかげさまで反響も良かったのでシリーズが増えていった」(遠藤氏)という。
既存のシリーズに今秋、「Doppio(ドッピオ)」「Con(コン)」の2つが新たに加わる。ドッピオはイタリア語で「ダブル」を意味する。その名の通り2つのバッグがドッキングした形状で、バイカラーのデザインがユニークな印象を与える。バッグの内側には、片方のバッグにファスナーポケット、もう片方には仕切り付きで深さのあるオープンポケットが付く。中央のバッグの結合部分には上部にDカンが付属しており、鍵などを付けることもできる。素材はシワ加工したナイロンを使用し、「サブバッグ以上メインバッグ未満」の使用シーンを想定しているという。大小2型で、価格はそれぞれ1万5400円と、1万2650円。色は「ブラック」「マスタード」「パープル」の3色となる。
もう一方のコンは、イタリア語で「一緒に」の意味。素材は小さなシボの型押しとメタリック加工を施した牛革を使用し、色は「シャンパン」「ブラック」「シルバー」「グリーン」の4色で展開。ラインナップは幅広い用途に合わせ、それぞれ異なる機能を持たせた4型を揃える。巾着型にデザインしたショルダーバッグ(2万5300円)は、財布や携帯など必要な小物だけをまとめて入れるのに最適なサイズ感。中身の取り出しもしやすいよう側面に縦ファスナーを付け、バッグの口はマグネットでスムーズに開閉できる。
ちょっとした外出にも適したサイズの手持ちタイプのバッグ(3万8500円)は、両側にポケットを付け、取っ手部分に付けられるマルチケースも付属する。収納力のあるトートバッグ(3万9600円)も同じくマルチケースが付く。マグネットで容易に開閉でき、バッグの背面にはファスナー式のポケットを内蔵する。
バッグの前胴に財布の機能を付けた、ショルダー型のバッグウォレット(2万7500円)も用意する。バッグ部分はハンカチやスマートフォンなどが入る十分な容量を備え、財布部分はラウンドファスナーで開けやすく、内側にはカードを細かく整理できる収納ポケットも付けた。
既存のシリーズにも新顔が登場する。ショゾンの中核を担うトラベルバッグシリーズ「LIETO(リエート)」では、小振りなリュック(2万3100円)とボストンバッグ(2万7500円)を投入する。アフターコロナによるトラベル需要増で、昨年出したキャリーバッグは狙い通り顧客から好評。これを受け、今年も引き続きバリエーションを拡充する。ボストンバッグはキャリーバッグの上に乗せて持ち運びができるサイズに仕上げ、セットアップでの使用を薦める。リュックも電車内で扱う際の負担を軽減するため、すでに販売しているリュックよりも一回り小さくした。
カジュアルとフォーマル双方のシーンで使えるバッグを揃える「GIOCOSO(ジョコーソ)」でも、新たなデザインのバッグ(3万3000円)を出す。ハンドルとなる紐がバッグの両サイドの縁にループ状に沿い、柔らかな印象を与えると同時に、落ち着いた雰囲気も感じられるシンプルなデザイン。カラーは「ブラック」「ベージュ」「オーク」「オリーブ」「ネイビー」と、様々なシーンや装いに合う5色を揃える。
カジュアル過ぎず汎用性の高い無地ナイロンのシリーズ「RAFFINE(ラフィネ)」からは、気軽に持てるショルダーバッグ(1万9800円)、オリジナルジャカード生地に牛革を合わせたエレガンスな「LEATHERY(レザリ)」からは、デイリーなスタイルにも合うショルダーバッグ(2万4200円)が、新型としてそれぞれ加わる。
遠藤氏はショゾンの現在地について「当社の売上げをけん引するまでには至っていないが、確実に戦力になっている」とし、「今後、柱となるようにしていきたい」と意欲を示す。充実したラインナップとクオリティの高さを武器に、ブランド成長力を一層高めていく構えだ。
(中林桂子)