メリーチョコレート、24年の夏は「レモン」の焼き菓子で訴求
2024/06/19 12:00 am
メリーチョコレートカムパニーは今年の夏ギフト商戦で、「レモン」を打ち出していく。サブレやクッキー、ミルフィーユなど同社で好調な焼き菓子カテゴリーで、期間限定でレモンフレーバーの商品を販売。夏にぴったりな爽やかな味として訴求する。
チョコレートは夏に溶けやすいため、同社は長らく、夏向け商材としてゼリーなどのクールデザートを主軸に据えていた。ただ、クールデザートは気候に左右される傾向があり、冷夏は苦戦する。そのためここ数年は、気候に左右されにくい焼き菓子の拡販に注力し、売上げを伸ばしてきた。その中で夏季限定のレモンフレーバーの反響が大きかったため、改めて今夏に訴求することにした。
今年は芳醇な味わいのクッキー「カカオサブレアソート」、パイとクリームを重ねてチョコレートでコーティングした「ミルフィーユ」、選んで詰め合わせできるケーキ「サブール ド メリー ガトー」シリーズから、瀬戸内レモン味を発売。「カカオサブレ 瀬戸内レモン」(7枚入り540円、14枚入り1080円)はフレッシュな酸味と香りが口いっぱいに広がる。「ミルフィーユ(瀬戸内レモン)」(5個入り648円、10個入り1188円)は香り高いレモンをクリームにした。「瀬戸内レモンのケーキ」(単品、238円)は刻んだ瀬戸内レモンをトッピングし、爽やかな味を楽しめる。
これらを売場の一カ所に集積し、「レモンフェア」を展開。小型スクリーンで映像も流し、フリー客を誘引する。「売場の中央で瀬戸内レモンフェアを打ち出し、焼き菓子の展開でも面で夏らしさを演出し、訴求する」とマーケティング本部広報宣伝部の小林香部長は説明する。5月から、同社の売場で順次展開を始めている。
原料のレモンはいずれも瀬戸内産のレモンを使用する。国産の農産物に対して安心感を持つ客は多く、「国産の商品を買って応援しよう」という動きも見られる。同社のフルーツゼリー「国産果実の果樹園倶楽部」も国産果実を使用という点が好評だという。そのため、商品名であえて“瀬戸内レモン”とうたい、アピールポイントの1つにした。
春に発売した通年商品「はじけるキャンディ チョコレート with FRUIT」も、期間限定でレモン味を販売している。同商品は、毎年バレンタインに販売する「はじけるキャンディチョコレート。」の姉妹商品で、パチパチとはじける感触が特長のキャンディチョコレート。定番は「メロン」「イチゴ」「モモ」の3種類がある。
はじけるキャンディチョコレート。は毎年バレンタインでレトロ喫茶をモチーフとした缶のデザインが注目を集め、すぐに完売となるほどの人気商品となっている。「手土産など様々な用途で使って頂けるよう、贈答に適したボックスタイプを含めた通年商品として開発した」(小林氏)
はじけるキャンディ チョコレート with FRUITはメロン、イチゴ、モモの3種が入ったボックスタイプの15個入り(1296円)、24個入り(1944円)、33個入り(2592円)と、1つの味が6個入った袋タイプ(486円)を展開する。レモンは袋タイプのみで、春夏の販売となる。
矢野経済研究所の発表によると、2022年の国内ギフト市場規模は前年比104.1%の10兆5360億円。23年は同102.7%の10兆8190億円を見込むという。儀礼ギフトは縮小傾向にあるが、カジュアルギフトや手土産の需要は健在だ。同社は1000円以下~3000円台の商品も豊富に揃えており、これらの需要を着実に取り込んでいく。
(都築いづみ)