2024年11月21日

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東急吉祥寺店、若手企画のイベントがヒットを連発

「吉祥寺カルチャースクエア」の野外映画上映会の様子。映画「SING/シング:ネクストステージ」を上映した

東急百貨店吉祥寺店では、若手社員が企画したイベントのヒットが続いている。今年開催した「リアル謎解きゲーム」や、カルチャーをテーマとした「吉祥寺カルチャースクエア」が盛況。2021年から始まったスイーツ催事「KICHIJOJI あま〜いおかしな世界」も人気を博している。東急のカードを持たない「非会員客」が多いのが特長で、新客との接点にもなっている。

同店は今年が開店50周年で、年間を通じて様々な記念企画を実施している。2つのテーマがあり、1つが「これまで支えてくれた顧客への感謝・還元」で、もう1つが「次の50年に向けた、新客の来店促進と認知度拡大」。前者はセールや特別商品の販売を行い、後者は若手社員が主体となって新規性の高いイベントを企画している。

店内を巡って謎を解き明かす「リアル謎解きゲーム」を開催した

若手企画の第1弾は「リアル謎解きゲーム」(3月14日~27日)で、店内を巡って謎を解くゲームを行った。子供でも解ける難易度の初級編「くままとなっくのドタバタアニバーサリーパーティー」と、謎解き経験者が楽しめる上級編「50年の刻を巡るタイムトラベル」の2コースを用意した。

続いて4月11日~14日には、アメリカンカルチャーや吉祥寺カルチャーを集結した「吉祥寺カルチャースクエア」を開催。催事場での物販に加えて1階にはキッチンカーが登場し、屋上ではダンスステージや野外映画上映会を行った。

2つとも盛況で、謎解きゲームは2週間で約2000人が参加。吉祥寺カルチャースクエアも多くの客で賑わい、野外上映会は800人もの客が屋上に集まった。どちらも非会員客が多く、若手社員の企画が新客を呼び込む“快挙”となった。

「吉祥寺カルチャースクエア」のダンスステージも活況を呈した

50周年企画以外では、スイーツ催事「KICHIJOJI あま〜いおかしな世界」も若手社員が手掛けて成功したイベントとなる。同催事は21年に初開催して好評を博し、22年、23年と続けて開催。いずれも売上げは好調に推移している。元々食品を担当していた若手社員が発案したことがきっかけで、催事の担当部署に異動し、実現にこぎ着けた。

成功した要因について、同店店長の東出隼洋氏は「若手社員も『もっと新しいお客様に来店してもらいたい』という問題意識を強く持っていて、やりたいことが最初から明確だった。それを我々がサポートする形だったのが良かった」と述べる。

新客の獲得、特に若い世代の取り込みは百貨店にとって重要な課題だ。若手社員がそれについて自主的に考えて行動すること、周囲はそれを尊重し支えることが成功の秘訣のようだ。

(都築いづみ)