三陽商会、残暑・暖冬対策で中軽衣料を強化
三陽商会は今秋冬、中軽衣料の提案を強化する。従来は8~9月からロング丈のコートを店頭に出していたが、今期は単品のトップスやボトムスを拡充。アウターも軽い羽織り物やショート丈のコートを用意し、暖冬に備える。
同社がこうした施策を講じる背景には、昨年の酷暑・暖冬によるコートの不振がある。加藤郁郎取締役副社長執行役員は「長い残暑、暖冬傾向が予想される中、MDカレンダーの見直しは必須」と語る。3~4月を春、5~7月を初夏・盛夏、8~9月を猛暑、10月~11月を秋、12月~2月を冬といった、“五季”で季節を捉えるという。
今シーズンは特にシャツ、ブラウス、カットソーのアイテムを強化し、メンズで前年比13%増、ウィメンズで27%増、全社計で20%増の生産を計画。特にウィメンズでは、シーズンの立ち上がりとなる9月にブラウスやカットソー、薄手のニット、それらと合わせるデザインスカートやパンツを強化する。
アウターについては、コートの本格的な需要は後ろ倒しになると考え、前半はジャケットやブルゾンといった羽織物を拡充。コートは本格的な寒さでなくても着用できるアイテムを投入する。特にショート丈のコート・アウターは各ブランドで提案を強化し、全社で前年比50%増の生産を計画する。コート全体は前年比95%となるが、その分、トップスや単品ボトムスなどの中軽衣料に軸足を移す。
主力ブランドの「マッキントッシュ ロンドン」ウィメンズでは、秋物立ち上がりの時期である7~8月に、ジャストシーズンで着用できるジレやブラウス、ワンピースなどを打ち出す。特にワンピースは気候に左右されにくくシーズンを通して需要が高いことから、インポート素材のものなどバリエーションを拡大した。
コートは立ち上がりを8月中旬から9月中旬に変更。アウターでは合繊ブルゾン、ショート丈コート、ライナーが取り外し可能な3wayコートなどを充実させる。同ブランドの定番コート「ロズリー」シリーズでも、新たにフードタイプのショート丈コートを発売する。
(都築いづみ)