2024年10月30日

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井上、来年3月末で本店の営業を終了

井上 

2025年3月末、創業140年の歴史に幕を閉じる

井上は24日、来年3月末で長野県・松本駅前にある本店の営業を終了すると発表した。築45年となる建物の老朽化に伴い大規模な設備更新が必要とした上で、顧客に快適に買い物を楽しんでもらうことが困難と判断した。営業終了後は、同社が運営する商業施設「アイシティ21」の百貨店棟に統合する。本店跡地の活用方法については未定で、近く従業員を対象に説明会を行うとしている。井上裕代表取締役社長は「松本市内において一部専門部分を組み入れた新たな事業展開を検討しており、これからも中信エリアの商業振興の一助となるべく精進してまいります」とコメントした。

統合先となる東筑摩郡山形村のアイシティ21については、百貨店業で培った「おもてなし力」に磨きを掛け、売場や商品構成の見直し、テナントの新規導入などのリニューアル計画を進行中。店舗営業のみならず、外商やネット事業、地域と連携した商品開発などを通して顧客接点を拡充し、新時代のショッピングセンターを目指すとしている。

井上は1885年に同市大手2丁目で呉服店として創業。百貨店として業態を広げ、1979年に本店を現在の駅前に移転した。1980年代には年間200億円ほどの売上げがあったが、この数年はピーク時と比べて売上げが半減していた。同じ駅前では「松本パルコ」が来年2月の閉店を決めており、中心市街地の商業環境が大きく変わることとなる。