パルコ、現代百貨店と戦略的協業
パルコが韓国の大手百貨店「現代(ヒュンダイ)百貨店」と、戦略的協業に関する基本合意を締結した。パルコは韓国のファッションブランドやエンターテインメントなどを日本で展開するだけでなく、日本のファッションやカルチャーなどをアジアのトレンド発信地であるソウルを通じ、世界に向けて発信する。渋谷PARCOでは5月から7月にかけて現代百貨店とコラボレーションし、韓国のファッションブランドのポップアップストアを開く。
渋谷PARCOは、デジタルネイティブ世代であるミレニアル世代とZ世代(=MZ世代)が中心顧客。生まれながらインターネットに触れ、国境を越えた価値を共有できる世代だ。現代百貨店は韓国でMZ世代へのアプローチに注力する百貨店で、特に21年2月にオープンしてソウルの新たな観光スポットとなった百貨店「THE HYUNDAI SEOUL」(ザ・ヒュンダイ ソウル)は、一部では“韓国の渋谷PARCO”と呼ばれる。渋谷PARCOと同様、ラグジュアリーブランドと次世代のトレンドブランドが共存し、カフェやエンタメなどが融合。パルコと現代百貨店は共鳴する部分が多い。
今回の基本合意締結によって、日本への韓国のコンテンツやカルチャーなどの誘致はもとより、韓国のマーケットに向けた日本初のコンテンツの提供も視野に入れる。将来的には渋谷PARCOおよびパルコのエンターテインメント事業を軸に、渋谷PARCOを基点に開発する「トーキョーカルチャー」などの発信に取り組んでいく。
今後は、現代百貨店が発掘し、ファッションアイコンに成長した韓国ブランドが日本に上陸。 渋谷PARCOをはじめ全国の主要都市のPARCO各店で、ポップアップストアを開催する。5月には「THE HYUNDAI×PARCO Limited Store with NUGU」をラインナップ。渋谷PARCOの3階、POPUP SPACEを会場に2カ月間に亘って9ブランドが連続して登場する。
渋谷PARCOでパク・ソジュンがアンバサダーを務めたことで話題となった韓国ブランド「NOICE」(5月10~16日)を皮切りに、韓国のトレンドに敏感な若者から支持を集める「EMIS」(1階、7月12~28日)、昨年10月に同店でのポップアップで話題となった「Matin Kim」(5月24~30日)、2人の女性デザイナーが手掛ける韓国発レディストリートブランド「MSCHF」(6月7~13日)などのほか、「ORR」(5月31日~6月6日)、「FOTTSFOTTS」(6月14~20日)、「The Barnnet」(6月21~27日)、「Sienne」(6月28日~7月4日)などを予定する。
ファッションだけでなく、エンタメコンテンツも同時に披露される。NOICEでは日本でも人気の高い韓国の国民的俳優、パク・ソジュンが特別来日するイベントを予定する。
(塚井明彦)