2024年11月22日

パスワード

購読会員記事

小田急電鉄、新宿駅西口再開発の新築着工

地下5階~地上48階の建設を予定している「A区」の計画建物イメージ

小田急電鉄は25日、「新宿西口地区開発計画」の「A区」で、東京地下鉄と東急不動産との3社共同事業の新築着工を開始した。同計画は、エリア特性を踏まえた「商業」と「オフィス」を主用途としたもの。まちづくりや開発事業の知見を活かし、多様なソリューションとソフト面でのノウハウを取り入れることで、新宿西口エリアの価値の最大化を目指す。

着工時点の設計では、「A区」の敷地面積は約8060㎡、延床面積は約25万1000㎡。駅施設、商業施設、オフィスのテナントなどが主要用途となる。地下5階~地上48階建て、高さは260mと都庁を超える眺望を生かした空間を計画している。

新宿西口開発地に隣接する「A区」「B区」

同計画は、都市再生特別措置法に基づく特定都市再生緊急整備地域内に位置し、「新宿の拠点再整備方針」「新宿グランドターミナル・デザインポリシー 2019」などの上位計画に加え、3つの整備方針を掲げる。

1つ目は、「新宿グランドターミナルの実現に向けた基盤整備」で、駅とまちの連携を強化する重層的な歩行者ネットワークを整える。2つ目は「国際競争力強化に資する都市機能の導入」で交流・連携・挑戦を生み出すビジネス創出機能を整備する。3つ目は、「防災機能の強化と環境負荷低減」で、多重エネルギーネットワークの構築による防災機能を強化し、最新技術の導入により環境負荷低減にも取り組む。

環境負荷低減の一環としてA区の事務所用途において2023年12月に建築物省エネルギー性能(BELS)評価を取得し「ZEB Ready」を達成した。BELSとは、建築物の省エネ性能を表す第三者認証制度で、一次エネルギー消費量を5段階の星マークで表示する。ZEB(Net Zero Energy Building)は、快適な室内環境を実現しつつ、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建築物で、4段階の評価がある。ZEB Readyは一次エネルギー消費量を50%以上削減した建築物を指す。

5つ星のBELSとZEB Ready

同計画は小田急電鉄と東京メトロが推進し、今年2月に東急不動産が正式に参画した。竣工は29年度を予定している。世界一のターミナル駅である新宿駅をはじめ、オフィス街・繁華街という多面性と、様々な人が行き交う多様性に富んだ地で、3社が協力し新たなランドマークの創出に挑む。