2024年2月 大手百貨店4社売上高
高額品と化粧品、春物がけん引し、前月を上回る増収率
大手百貨店4社の2月売上高はいずれも前月の伸長率を上回る好業績を遂げた。阪急阪神百貨店が24.5%増、三越伊勢丹が21.2%増、大丸松坂屋百貨店が21.8%増、高島屋が10.6%増。1月に引き続き、ラグジュアリーブランドなどの高額品や化粧品が堅調だったほか、春物の売上げも伸長した。
高島屋(国内百貨店子会社含む)の売上高前年比は10.6%増となり、前月(7.6%増)を上回る伸長率。店頭に限ると13.4%増となり、2019年比では10.4%増。免税を除いた店頭売上高は19年比4.7%増まで回復した。店舗別では、前月と同じく13店舗のうち11店舗が増収だった。大阪(31.7%増、1月21.9%増)、京都(23.0%増、同9.7%増)、新宿(15.3%増、同13.8%増)、日本橋(9.6%増、同11.4%増)の大型店がけん引した。なかでも京都店は入店客数も26.9%増と前年実績を大きく上回った。またグループ百貨店の高崎(3.6%増)、岡山(2.2%増)、岐阜(1.0%増)がいずれも増収となった。
主要5品目では身のまわり品(28.8%増、1月15.2%増)、雑貨(18.9%増、同9.3%増)、衣料品(10.8%増、同9.4%増)が2桁伸長した。品目別では雑貨の化粧品が(24.0%、同23.4%増)と、高伸長を堅持した。婦人服・洋品(17.0%増、同10.6%増)と美術・宝飾・貴金属(16.8%増、同1.6%減)も2桁の伸びを示した。食料品(3.0%増、同0.9%減)も健闘し、菓子(4.0%増)、生鮮食品(2.4%増)、惣菜(2.4%増)、食料品その他(2.2%増)がすべてプラスだった。
法人事業は大口受注の反動もあり、前月の7.7%増から20.1%減に転じ、クロスメディア事業も売上高の計上方法変更の影響により17.8%減となった。
三越伊勢丹(国内グループ百貨店含む)の売上高前年比は21.2%増となり、前月の10.6%増を上回り14カ月連続でプラスとなった。首都圏5店舗では25.5%増となり、前月の伸長率(11.9%増)を上回った。前月と同様に三越銀座店(48.1%増、同24.0%増)、伊勢丹新宿本店(26.6%増、1月11.4%増)、三越日本橋本店(20.4%増、同11.1%)の基幹店が牽引。3店舗共に8カ月連続で18年度を上回った。
主要5品目はすべてプラスで、雑貨(33.2%増、1月20.0%増)、身の回り品(29.8%増、同16.1%増)、衣料品(21.6%増、同7.2%増)が2桁伸長し、加えて食料品(5.7%増、同4.2%増)、家庭用品(3.9%増、同3.7%減)も健闘した。ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのジャケットやブルゾンなど春物アウターが好調だったほか、引き続きハンドバッグや財布などの革小物、化粧品の売上も伸長した。各店で行われた上顧客向けのイベントやバレンタイン関連のイベントも奏功した。インバウンドは春節の影響もあり、単月最高額となった23年12月に次ぐ高水準だった。
一方の国内グループ百貨店は12.9%増となり、前月の8.2%増を上回った。10店のうち8店が増収だった。
大丸松坂屋百貨店(関係百貨店含む)の総額売上高は前年比21.8%増で、前月(11.7%増)を上回り14カ月連続でプラスとなった。関係百貨店を除いた店計は21.9%増、入店客数の前年比も9.2%増だった。店舗別では心斎橋(46.4%増、1月35.5%増)、札幌(43.6%増、同30.4%増)、京都(22.0%増、同12.9%)、神戸(19.7%増、同12.3%増)、東京(16.2%増、同9.6%増)、名古屋(14.3%増、同1.6%減)が前月に続き好実績を遂げた。
商品別では衣料品が2桁伸長(32.5%増、同17.9%増)となった。特に婦人服・洋品(39.6%増、同24.4%増)がけん引し、ラグジュアリーブランドに加えカットソーやパンツなど春物が好調だった。雑貨も前月(8.1%増)から増加幅が拡大し(24.8%増)、中でも化粧品(41.5%増、同40.7%増)はインバウンド需要もありプラスを堅持した。
阪急阪神百貨店の売上高前年比は24.5%増となり、前月(16.0%増)を上回る伸長率で、19カ月連続の増収だった。
阪急本店(32.0%増)と阪神梅田本店(19.1%増)がけん引した。支店では、前月(10.0%増)に続き増収(15.5%増)。阪神・御影(33.6%増、1月41.8%増)、博多阪急(30.1%増、同18.7%増)、阪急メンズ東京(24.4%増、同3.1%増)、神戸阪急(18.6%増、同16.2%増)が2桁増の増収を遂げた。阪神・にしのみや(9.6%減、同11.9%減)、大井食品館(1.4%減、同1.7%増)を除く全ての店舗がプラスとなった。
商品別では、主要5品目は全てプラスで、身の回り品(47.1%増、1月27.6%増)、雑貨(35.7%増、同28.0%増)の伸び率が高く、衣料品(22.4%増、同6.7%増)も好調だった。