2024年11月21日

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三陽商会、盛夏商品の拡充に本腰 長く続く猛暑に対応

猛暑対策を施したアイテムを展開する(写真は「ポール・スチュアート」メンズの「フロータブルレインセットアップ」)

三陽商会は、盛夏向け商品の拡充に注力する。これまで6~8月はクリアランスセールや秋物の立ち上がりの時期だったが、最近は猛暑が続き、実需に対応した商品の需要が高まっている。そのため、機能素材や天然素材を取り入れた、猛暑を快適にするウエアを充実。6~8月の商品生産数は、期中追加生産分を含めて昨年の15~20%増を見込む。併せて、盛夏商品の展示会も10年振りに開催された。

メンズでは、ジャケットとパンツのセットアップ、1枚で着ても様になるTシャツの2つのカテゴリーを強化した。「マッキントッシュ フィロソフィー」のメンズはブランドの強みである機能性を生かし、盛夏に特化したシリーズや素材を使用したコラボレーションを打ち出す。「トロッター」シリーズのコラボ企画として、「トロッター ウィズ ムーンレイカーズ」が消臭、防スケ、防シミ機能を持つセットアップなどを、「トロッター ウィズ フリーズテック」が持続冷感性を備えたポロシャツやカットソーを販売する。

「ポール・スチュアート」のメンズは、着用時の快適さとエレガントなスタイルを両立できるラインナップを提案。目玉商品の「フロータブルレインセットアップ」は、中空糸を使用した表地と、肩パッド・芯地・裏地などを除いた仕様によって、極めて軽量なのが特徴。撥水性も高く、雨の日でも気兼ねなく着用しやすい。

ウィメンズではジャケットや、夏向け機能素材を用いたブラウスを各ブランドが強化した。「マッキントッシュ ロンドン」のウィメンズは綿や麻、ポリエステルといった夏向けの素材を多く採用し、半分以上の商品に接触冷感の機能を持たせている。酷暑向けに肌離れの良いゆったりとしたカットソーやシャツも用意。首元にギャザーを入れたり袖にドロストを付けたりすることで、カジュアルになりすぎないデザインにしている。

「キャストコロン」は夏らしい素材のバリエーションを増やすため、麻や綿など天然素材の商品を拡充した。「リネン混シリーズ」として発売するブラウス、グルカパンツ、スカート、ショートジャケットはポリエステル混紡でシワになりにくく、手洗いも可能だ。

三陽商会は年々続く猛暑の長期化に対し、秋以降のMDカレンダーも変えていく意向だ。加藤郁郎取締役副社長執行役員は「当社はコートの比率が非常に高く、例年は8月頃から新作をお披露目し、コートを軸としたコーディネートを展開していた。しかし猛暑でアウターが動かないとなると、トップスを起点としたコーディネートを組んだりなど、今までとは違うスタイルにしていく必要がある」と語った。

(都築いづみ)