2024年10月30日

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23カ月連続プラス。インバウンドは同月対比で過去最高額を更新

日本百貨店協会が調査した全国百貨店(72社・180店)の1月売上高は4593億円余で、前年比(店舗調整後)は7.1%増となり、23カ月連続でプラスだった。元日に発生した能登半島地震の影響が出た店舗もあったが、新型コロナウィルス5類移行で行動制限が無くなった初商は堅調だった。インバウンドと高付加価値商材がけん引し、物産展等の催事やイベントも奏功した。コロナ禍前の2020年比でも0.2%増とプラス基調が継続している。

3カ月移動平均値は直近の11~1月が6.5%増、10~12月が6.2%増、9~11月が7.5%増、8~10月が8.8%増、7~9月が9.8%増、6~8月が9.0%増と、プラスを堅持した。

国内と海外の顧客別では、円安などを追い風にインバウンドが、105.9%増と22カ月連続でプラス。売上高は399億円で20年1月の316億円を更新(25.7%増)し、同月対比で過去最高額を記録。加えてシェアは国内が91.3%、インバウンドが8.7%で、国内は23カ月連続プラスの2.4%増となった。7カ月連続でコロナ禍前の実績を上回っている。

地区別では、大都市はインバウンドが好調で9.2%増、28カ月連続でプラスとなった。9地区が前年実績を越え、中でも5地区(福岡、大阪、札幌、神戸、京都)は2桁増だった。インバウンド需要が浸透してきた地方でも0.4%増と2カ月ぶりにプラスに転じた。

商品別では、主要5品目全てで前年をクリアした。身の回り品(18.0%増)、雑貨(20.2%増)、美術・宝飾・貴金属(9.0%増)、食料品(24.3%増)、菓子(8.2%増)は、コロナ禍前の実績も越えた。特にラグジュアリーブランドのバッグ、時計、宝飾品などの高額商材は、36カ月連続のプラスで依然として増勢が続いている。化粧品はインバウンド効果もあり、8.2%増と高伸した。衣料品は天候与件から防寒着が苦戦したが、ジャケットやニット、カットソーなどのプロパー商材が好調だった。食料品は2カ月ぶりにプラスに転じ、ギフトや手土産、インバウンド需要もあり菓子が好調だったほか、食品の福袋も伸長した。バレンタイン商戦は、多様化する需要を捉えた商品展開や関連スイーツ、イートインなどリアル会場でのイベントも好評だった。