2024年10月30日

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花王、汗の不快感から肌を守る「ビオレZero」投入

シートとローションの2種類をラインナップ

花王は3月2日、スキンケアブランド「ビオレ」で、汗やベタつきなどの不快感から肌を守り、快適に過ごせるシートやローションを発売する。新技術として、汗を乾かし続ける「高蒸散パウダー」が肌を包み込む「持続型パウダーヴェール」を採用。“さらさら感”を長時間に亘りキープする。共にオープンプライスだが、想定価格はシートが530円前後、ローションが1080円前後。国内だけでなく、2024年中に台湾や香港、シンガポールでも販売を始める。

ビオレの新しいシリーズ「ビオレZero」として打ち出す。スキンケア事業部の小林達郎ブランドマネジャーは「紫外線や赤外線、暑さや寒さ、乾燥、臭い、化学繊維の増加など『環境ストレス』から素肌を守る。特に湿度と温度にフォーカスし、汗やベタつきの不快感から素肌を守り、ずっと快適に過ごせるようにする」と開発の経緯や狙いを説明する。

カギとなるのが持続型パウダーヴェールだ。スキンケア研究所の友國敦史上席主任研究員によれば「“汗ケア”を根本的に変えた。汗には体温調節という大事な働きがあり、上手に付き合うことが重要。汗は止めず、ベタつかないようにして、より速く乾かせるようにした」という。新しいパウダー「多孔質シリカ」が塩分や油脂を吸い込み、乾きやすい汗に変える。

ラインナップはシートとローションの2種類。シートは、拭く時にたっぷりの水分を実感できる一方、拭いた後はすぐに心地良いさらさら感に変化し、それが長く続く。1枚で全身を拭けるサイズ(230×200mm)で20枚入りだ。ローションは風呂で使う。洗浄後の肌に塗布してシャワーで流すと、翌朝の寝起きまで快適に過ごせる。内容量は200mL。

発売は3月2日だが、汗やベタつきが気になる時期と親和性が高いため、梅雨を目途に全国の主要駅などで体験型のイベントやサンプリングなどを実施。拡販につなげる。

ビオレは1980年の誕生以来、社会の潮流やニーズを踏まえ、消費者の快適な生活を実現するため、様々な商品を提案してきた。洗顔料、液体ボディウォッシュ、毛穴パック、シート状メイク落とし、ボディシート、日焼け止めなどが支持され、売上げは右肩上がりで推移。事業規模も拡大しており、現在は62の国と地域で販売する。

今後も「成長ドライバー」(小林氏)と位置付けるスキンプロテクション(=UVやストレスケアなど)の領域を中心に新商品を投入していくとともに、アジアや欧米の各国への進出を加速。27年の売上げを23年の1.2倍に引き上げる。

(野間智朗)