2024年10月30日

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京王百貨店、新宿店の4、6、7階を新装 22年秋からの大規模改装が完了へ

2月22日に7階にオープンする「フライング タイガー コペンハーゲン」

大規模改装を推し進める京王百貨店新宿店は、3月7日までに4階、6階、7階を新装する。都内初出店の「ザッカニア」など計11店舗を新規に導入し、既存の店舗もリニューアル。3層で約30店舗を一新する。同店は「新宿西口の買い物環境充実」と「次世代顧客の取り込み」を目指し、2022年秋に約10年ぶりとなる大規模改装に着手。3月7日までに全体の約4割が入れ替わり、大規模改装は完了する。22年秋のリニューアルから1年が経過した昨年10月~今年1月の売上高は、前年比約13%増と好調。第3弾に当たる今回の大規模改装で勢いに弾みを付ける。

今回のリニューアルは、売場面積の約1割が対象。「引き続き『FUN(よろこび・楽しさ)とFAN(ファン・愛好家)が集まる場』をテーマに、好調領域であるギフト雑貨や趣味性の高いキャラクター雑貨、エリア需要の高い人気ショップを拡充する」(京王百貨店)。

4階は主力の婦人服で約20店舗を新装する。1日に「コムサマチュア」がリニューアルオープンしたほか、15日には「ビースリー」を全国初となる「ビースリー プラス」に刷新し、22日にはいわゆる「大きいサイズの婦人服売場」であるライラックを改装。レギュラーサイズやカジュアルラインなどを充実させる。3月7日には「ハルメクおみせ」を約1.4倍に拡大。品揃えだけでなく、イベントをはじめとする“コト”も強化する。

6階は新たに5店舗が開き、7店舗をリニューアル。04年から構える「快眠サロン」を19日と29日の2段階で新装する。新規は22日に「レイジースーザン」、29日に「ベッテンスタジオ」、3月7日に「石見銀山 群言堂」と「アートスクエア」、「ロイヤル・アッシャー」が、それぞれオープン。ベッテンスタジオは快眠サロン内に入る。快眠サロンは「エアウィーヴ&ロフテー」を19日に刷新し、立ったまま手軽に体形を測定できる「エアウィーヴ マットレス・フィット」を導入し、「ねむりの相談所」や「シモンズ」も計測器を拡充。コンサルティングを強化する。

2月22日には6階に「レイジースーザン」が登場する

7階は新規に6店舗を加え、3店舗を新装する。新規では10日に「BeBe」、16日にザッカニア、20日に「パイレーツファクトリーギフツ」、22日に「フライング タイガー コペンハーゲン」と「Zoff」がオープン。リニューアルでは「サンリオ」を約2.5倍に拡大して移設する。7階は親子三世代での利用が最も多く、品揃えの幅を広げて買い回りの向上や若年層の開拓につなげる。

同店は22年秋に服飾品を中心に約30店舗、23年春に食品に14店舗を誘致した。いずれも奏功しており、22年秋に手を入れた2階は全体的に活況。中でも「ラシット」「マザーハウス」「ビアズリー」が売上げを伸ばしている。京王百貨店は「2階は比較的非組織顧客が多いフロアだったが、当社やショップによる顧客化が進んだ成果」と分析する。食品も好調で、惣菜や菓子がけん引する。

大規模改装は第3弾で完了するが、「今後も30~50代の次世代顧客の取り込みを狙うとともに、世界有数の乗降客数を誇る新宿駅上に位置し、西口オフィス街をつなぐ往来の要衝にある立地利便性をさらに追求し、より多くのお客様に愛される店づくりを目指す」(京王百貨店)という。

(野間智朗)