2024年1月 大手百貨店4社売上高
ラグジュアリーブランドや化粧品が引き続き堅調
大手百貨店4社の1月売上高は、全て前年比でプラスとなった。阪急阪神百貨店が16.0%増、大丸松坂屋百貨店が11.7%増、三越伊勢丹が10.6%増、高島屋が7.6%増。12月に引き続きラグジュアリーブランドなどの高額品や化粧品が好調だった。
三越伊勢丹は、法人外商事業やEC事業、小型店舗を含む伊勢丹新宿本店、同じく三越日本橋本店、三越銀座店、伊勢丹立川店、伊勢丹浦和店の合計が11.9%増、地域事業会社の合計が8.2%増、全体は10.6%増と13カ月連続でプラスとなった。
例年と比較して気温が高く推移し、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのジャケットやブルゾンなど春物アウターが好調だった。先月と同様にハンドバッグや財布などの革小物や、化粧品の売上げが大きく伸び、各店独自のイベントも集客につながり売上げをけん引した。免税売上げも引き続き高水準を維持している。
店舗別では、三越銀座店(24.0%増)、岩田屋三越(15.6%増)、新宿本店(11.4%増)、日本橋本店(11.1%増)が2桁増だった。商品別ではその他雑貨(8.0%減)、家庭用品(3.7%減)、その他(3.0%減)、衣料品その他(1.3%減)、サービス(0.3%減)を除いた全ての項目がプラス。特に雑貨の化粧品(26.0%増)、美術・宝飾・貴金属(20.4%増)の伸長が目立った。
大丸松坂屋百貨店は、直営店の合計が12.3%増、法人・本社等が7.3%減、関係百貨店の博多大丸と高知大丸を含めた百貨店事業の合計が11.7%増と13カ月連続で2桁増となった。
店舗別では、心斎橋店(35.5%増)、札幌店(30.7%増)が大きな伸び率で、博多大丸(17.4%増)、京都店(12.9%増)、神戸店(12.3%増)、東京店(9.6%増)がプラス。入店客数は百貨店事業合計で9.0%増だった。
商品別の主要5品目のうち衣料品(17.9%増)は、婦人服・洋品(24.4%増)がニットやジャケットの定価商品が好調に推移したことに加え、ラグジュアリーブランドが売上げをけん引した。紳士服・洋品(14.2%減)はジャケットやコートが好調だったが、品番移管の影響でマイナスとなった。雑貨(8.1%増)は、化粧品が40.7%増と堅調で13カ月連続の2桁増と好調を維持。身の回り品(6.3%増)は、アクセサリーが好調に推移した。食料品(5.6%増)は、おみやげ需要やバレンタインの好調により、菓子が売上げをけん引した。
高島屋の7.6%増にはクロスメディア事業(25.4%減)が含まれており、それらを除くと8.5%増。既存店対比では前年、20年、19年を上回った。中旬以降、寒暖差に対応できるジャケットやニットなどの春物に動きがあった。インバウンドは、引き続きラグジュアリーブランドをはじめとする高額品が堅調だった。
店舗別では、大阪店(21.9%増)、新宿店(13.8%増)、日本橋店(11.4%増)が2桁増で、大宮店(8.0%減)、堺店(0.5%減)を除いた店舗がプラスとなった。免税売上高は105.0%増で、20年比で54.6%増、19年比では71.7%増といずれも大きく上回った。店頭売上高は8.5%増、20年比は8.2%増。免税を除いた店頭売上高は2.6%増、20年比は4.4%増だった。
商品別では主要5品目のうち食料品(0.9%減)を除いてプラスで、家庭用品(11.2%増)、身の回り品(15.2%増)が2桁増、衣料品が9.4%増、雑貨が9.4%増だった。家庭用品では、家具(41.7%増)、衣料品では婦人服・洋品(10.6%増)、雑貨では化粧品(23.4%増)の伸びが目立った。
阪急阪神百貨店は、阪急本店が20.2%増、阪急梅田本店が17.6%増、支店の合計が10.0%増、全店合計は16.0%増と18カ月連続で2桁増。入店客数は全店計で9.0%増だった。支店では阪神・御影(41.8%増)、博多阪急(18.7%増)、神戸阪急(16.2%増)が2桁増の増収を遂げ、阪神・にしのみや(11.9%減)を除く全ての店舗がプラスとなった。
商品別では、家庭用品(1.0%減)がマイナスだったが、雑貨(28.0%増)と身の回り品(27.6%増)が2桁増、食料品(9.3%増)、衣料品(6.7%増)もプラスだった。サービス(21.3%増)の伸び率も高かった。