2023年12月 大手百貨店4社売上高
全て増収、ラグジュアリーブランドや化粧品が堅調に推移
大手百貨店4社の12月売上高は、全て前年比でプラスとなった。阪急阪神百貨店が12.3%増、三越伊勢丹が9.6%増、高島屋が7.4%増、大丸松坂屋百貨店が7.3%増。11月に引き続きラグジュアリーブランドなどの高額品や化粧品が好調だった。
三越伊勢丹は、法人外商事業やEC事業、小型店舗を含む伊勢丹新宿本店、同じく三越日本橋本店、三越銀座店、伊勢丹立川店、伊勢丹浦和店の合計が11.8%増、地域事業会社の合計が5.9%増、全体は9.6%増と12カ月連続でプラス。外出の機会が増えたことで両本店では冬物のジャケット、セーター、雑貨のハンドバッグ、財布、靴、宝飾や化粧品などの売上げが伸長し、イベントの開催も集客につながった。伊勢丹新宿本店では、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心に春夏の新作も好調だった。
店舗別では、三越銀座店(23.0%増)、岩田屋三越(12.0%増)、伊勢丹新宿本店(11.3%増)が2桁増だった。商品別ではサービス(54.7%減)、その他雑貨(4.8%減)、衣料品その他(2.7%減)、その他(1.6%減)を除いた全ての項目がプラス。特に化粧品(21.6%増)、子供服・洋品(21.3%増)、身の回り品(21.1%増)の伸長が目立った。
大丸松坂屋百貨店は、直営店の合計が8.0%増、法人・本社等が14.6%減。関係百貨店の博多大丸と高知大丸を含めた百貨店事業の合計が7.3%増となった。平年より気温が高く推移し、婦人服・洋品はコートなどの防寒衣料は不調だったが、ラグジュアリーブランドが売上げをけん引した。
店舗別では、札幌店(24.7%増)、心斎橋店(20.7%増)が2桁増で、博多大丸(7.6%増)、京都店(6.8%増)、東京店(6.2%増)、名古屋店(4.6%増)、神戸店(4.3%増)も伸長した。入店客数は百貨店事業合計で6.8%増だった。
商品別の主要5品目のうち衣料品(13.2%増)では、紳士服・洋品(18.8%減)がコートやブルゾンなどの売上げの不調や、品番移管の影響でマイナスとなった。次いで雑貨(11.5%増)は、化粧品が28.0%増と13カ月連続の2桁増と好調を維持。そのほか美術工芸品も売上げを伸ばした。身の回り品(3.3%増)は、ハンドバッグや旅行用品が堅調だった。食料品(0.6%増)は、菓子が5.3%増とクリスマスケーキや年末年始の手土産需要により好調に推移した。
高島屋の5.9%増には法人事業(17.1%減)、クロスメディア事業(13.0%減)が含まれており、それらを除くと7.4%増。前年と新型コロナウィルス禍前の18年を上回った。年末年始の外出機会の増加で、化粧品やジャケット、ワンピースなどに動きがあった。インバウンドは高額品を中心に好調で、単月で過去最高を更新した。
店舗別では、大阪店(20.8%増)、京都店(12.5%増)が2桁増だった。大宮店(10.1%減)、岐阜高島屋(9.7%減)、堺店(2.4%減)、高崎高島屋(2.0%減)、柏店(0.6%減)を除いた店舗がプラス。免税売上高は111.2%増で、コロナ禍前の19年比でも90.4%増、18年比では64.2%増といずれも大きく上回った。免税を除いた店頭売上高は2.2%増、19年比は2.8%増。店頭売上高は7.4%増、19年比は7.5%増だった。
商品別では主要5品目のうち家庭用品(5.6%減)、食料品(3.0%減)を除いてプラスで、身の回り品(14.0%増)と衣料品(12.0%増)が2桁増、雑貨は9.7%増だった。衣料品では婦人服・洋品(15.9%増)、雑貨では化粧品(21.6%増)の伸びが目立った。
阪急阪神百貨店は、阪急本店が15.1%増、阪神梅田本店が11.9%増、支店の合計が8.5%増、全店合計は12.3%増と17カ月連続で2桁増。入店客数は全店計で6.8%増だった。支店では阪急メンズ東京(7.1%増)、阪神・にしのみや(5.4%増)、高槻阪急(2.2%増)、千里阪急(0.8%増)、都筑阪急(0.7%増)、宝塚阪急(0.3%増)などがプラスで、中でも博多阪急(18.4%増)、神戸阪急(15.6%増)、阪神・御影(10.4%増)は2桁増だった。
商品別では、家庭用品(5.4%減)がマイナスだったが、身の回り品(29.5%増)と雑貨(22.5%増)が2桁増、衣料品(5.2%増)、食料品(3.3%増)もプラス。サービス(46.8%増)の伸び率が高かった。