高島屋のバレンタインデー商戦は稀少性や流行性、SDGs、イベントを強化
高島屋は9日、バレンタインデー商戦で販売するチョコレートを報道陣に発表した。主なテーマとして「日本初上陸、高島屋初登場」「サステナブルなフルーツショコラ」「食感を楽しむ“お菓子系”ショコラ」「フランストップクラスシェフショコラ」「店頭イベントの強化」の5つを掲げ、それぞれのポイントを説明。例えば、日本初上陸かつ高島屋限定としては「ジャド・ジュナン」や「ボーマニエール」「ドルチェネロ」を展開し、店頭イベントの強化では人気のパティシエやショコラティエに目の前で実演してもらえ、その場でケーキや飲み物などを楽しめる「アムール デセール サロン」を新宿店で初めて開く。高島屋は昨年のバレンタインデー商戦の売上げが前年比13.2%増を記録。新型コロナウイルス禍前の数字を上回り、今年は同6%増を狙う。
高島屋のバレンタインデー商戦は「アムール・デュ・ショコラ」の名称で、各店で19日から順次スタート。国内外で100以上のブランドを揃える。日本初上陸や高島屋初登場は、ジャド・ジュナンやボーマニエール、ドルチェネロのほかに「ラ ペーニャ ドゥルセ」が高島屋初登場。サステナブルなフルーツショコラは、規格外として廃棄処分になる果物をピューレに生まれ変わらせる設備や技術を有する千代田組と協業し、そのピューレを使ったチョコレートを打ち出す。「エキリーブル」「トシ・ヨロイヅカ」「モンサンクレール」「シルスマリア」「メゾン ショーダン」の5ブランドが高島屋限定として販売する。
食感を楽しむ“お菓子系”ショコラは「近年のブーム」(森下由佳子MD本部食料品部バイヤー)であり、品揃えを強化。日本初上陸で高島屋限定の「オー・ラ・ラ」の「ペブルアソート」は、キャラメライズしたアーモンドやホワイトチョコレートでコーティングしたペカンナッツなどを詰め合わせた。
フランストップクラスシェフショコラは毎年完売が相次ぎ、売上げのけん引役でもある。今年は「ジャック・ジュナン」の「ヌーヴォーセレクション」、「パトリック・ロジェ」の「ドームアソート」、「ファブリス・ジロット」の「コフレ ブルー」などが高島屋限定だ。6人の著名なショコラティエの技と個性をアソートした「スペシャルコラボレーションBOX」は売上げが年々伸びており、今年は昨年の1.1倍の量を用意し、さらなる拡販につなげる。
店頭でのイベントは、新規のアムール デセール サロンと昨年初めて新宿店で行った「ピエール マルコリーニ アフタヌーンティー」を実施。アムール デセール サロンは24日~2月2日で、ヴァンサン・ヴァレ氏、德永純司氏、イヴァン・シュヴァリエ氏らが登場する。予約制で、13日に受付を始めた。ピエール マルコリーニ アフタヌーンティーは昨年、15分で予約が埋まるほどの盛況で、今年はメニューの一部を変更し、日本橋店で24日~2月6日に提供する。予約は17日から可能だ。
昨年のバレンタインデー商戦は店頭の売上げが19年比で3.8%増を記録し、コロナ禍前を上回った。インターネット通販の売上げも毎年伸びており、コロナ禍前の2.5倍に膨らんだ。森下氏は好調の背景を「この時期にしか買えないチョコレートが多く、男女を問わず自家需要が増えている。とりわけフランストップクラスシェフショコラが人気で、日本初上陸や高島屋初登場も売れ行きが良い」と語り、「今年はアフターコロナで店頭回帰が一層進む」と分析。前年比6%増の売上げは可能とみる。
(野間智郎)