商業施設からホテル、オフィス、学校、緑地まで 高さ200m超も
複合型の大規模再開発ビルの竣工・開業が続いている。別表にもあるように2023年は東京都を中心に全国規模で再開発ビルが立ち上がり、梅田を中心にした大阪府でも機運が高まる。高さが200mを超えるビルもみられ、高層・複合化が加速。その傾向は24年に入っても続きそうだ。
23年の再開発事業で勢いが目立ったのが森ビルと東急グループ。森ビルは10月6日の「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」の開業によって「虎ノ門ヒルズ」の街全体が完成したのに続き、ヒルズの未来形となる「麻布台ヒルズ」が11月24日に誕生し、2つの複合都市が動き出した。
東急グループは渋谷で続く100年に1度といわれる再開発で11月30日、地域最大級のスケールとなる「Shibuya Sakura Stage」の“まち”を始動。23年には同じ広域渋谷圏(渋谷駅半径2.5m圏内)に職・住・遊近接の複合施設「フォレストゲート代官山」を、渋谷以外にも東急新横浜線新綱島駅直結の複合再開発ビル「新綱島スクエア」を、新宿歌舞伎町に国内最大級のホテル×エンタメの高層複合タワー「東急歌舞伎町タワー」を、札幌の繁華街・すすきのに複合商業施設「ココノ ススキノ」を、それぞれオープンしている。24年も東急グループの開発機運は衰えず、広域渋谷圏に「渋谷アクシュ」や東急プラザ「ハラカド」の開業が控える。
竣工する再開発ビルは高層・複合化で大規模化。森ビルの虎ノ門ヒルズや麻布台ヒルズをはじめ「グラングリーン大阪」や「マルーク新さっぽろ」が大規模複合施設の代表だ。
「23年は森ビルにとって大きな節目の年になる。いよいよ『虎ノ門エリア』と『麻布台ヒルズ』が現実の街としてその姿を現す。これまで本当に長い時間をかけながら、全社一丸となって脇目も振らず取り組み続けてきた当社の都市づくりを、広く世界に発信する時がきた。六本木ヒルズ級の街を1年で2つも誕生させるのは、当社の歴史上でも初めて。その大変さは我々の想像の範囲を遥かに超えるものになるが、当社であればやり遂げられる(要約)」
森ビルの辻慎吾社長の23年の年頭所感からは、大きな意気込みが感じられた。それもそのはず、虎ノ門ヒルズも麻布台ヒルズも「六本木ヒルズ」に匹敵する規模の街を誕生させたからだ。虎ノ門ヒルズの場合、14年に地上52階、高さ247mの超高層複合タワー「森タワー」、20年に大規模オフィスと商業施設を擁する複合タワー「ビジネスタワー」、22年に虎ノ門エリアで最大規模となる547の住戸でなる「レジデンシャルタワー」を竣工。最後に加わったステーションタワーは地下4階~地上49階、高さ約266m、延床面積約23万6640㎡という規模の多用途複合の超高層タワーだ。
同ステーションタワーにはオフィス、商業施設、ホテルのほか、これまでの地下鉄駅にはなかった開放的な駅前広場「ステーションアトリウム」、桜田通り上にかかる幅員20mの大規模歩行者デッキ「T-デッキ」が整備され、目玉として最上部(45~49階、一部8階)に「TOKYO NODE」が登場。1万㎡の規模を持つTOKYO NODEはメインホール、3つのギャラリー、屋上のスカイガーデンやプール、レストラン、ラボなどからなり、世界に向けた新たな情報発信拠点に据えた。
商業施設はステーションアトリウムに直結して飲食、食物販、物販を有機的に配置した「T-マーケット」(27店舗、約3000㎡)、4階に虎ノ門エリア最大級の面積および店舗数を誇る飲食店専門フロアなど、地下2階~地上7階に約80店舗、約1万4400㎡の商業空間が誕生。店舗は順次開業しており、16日には27の新店舗が加わり、虎ノ門ヒルズの「食」が完成となる。
完成した虎ノ門ヒルズは、全体の規模が敷地面積約4万8000㎡、延床面積約79万2000㎡、オフィス総賃貸面積約30万5000㎡、商業約170店舗・約2万6000㎡、住宅戸数約730戸、ホテル客室数約370室、就業人口約3万人、居住人口約1800人、緑化面積約2万1000㎡。
麻布台ヒルズも虎ノ門ヒルズに優るとも劣らない。その規模は敷地面積約6万3900㎡、延床面積約86万1700㎡、オフィス総賃貸面積約21万4500㎡、商業約150店舗・約2万3000㎡、住宅戸数約1400戸、ホテル客室数約122室、就業人口約2万人、居住人口約3500人、緑化面積約2万4000㎡だ。
この麻布台ヒルズは完成までに35年の歳月を費やしているだけに、森社長にとって感慨深いものがあるようだ。辻社長は麻布台ヒルズのオープニングセレモニーの挨拶でも「麻布台ヒルズは1989年に街づくりのお声がけをし、約300人の権利者の皆様と共に長い歳月をかけてつくり上げた街です。街のコンセプトは『Green & Wellness、人と人をつなぐ広場のような街』です。健康と環境を軸にした街づくりは世界でも初めてではないかと思います。8.1haという広大な区域面積の約3割にあたる2.4haを緑化し、再開発前の6倍の緑地を生み出しました。今は亡き森稔は、30年以上前から『建物を超高層化して足元に広大な緑地をつくり出す。そして多彩な機能を複合化させた街こそ、これからの東京に必要なものだ』と提唱し、森ビルはヒルズの街づくりを進めて参りました。麻布台ヒルズはこの考え方を受け継いだ『ヒルズの未来形』です」と語っている。
街のシンボルとなる約6000㎡の中央広場や約320種の植物が配され、果樹園や菜園もあるなど、街全体が緑で包まれている。それだけでなく、麻布台ヒルズは多様な機能が複合するコンパクトシティを形成。日本一の高さを誇る森JPタワーには最上階に住宅(アマンレジデンス)、オフィスがフロアの多くを占め、下層階は慶應義塾大学予防医療センター、都心最大級のインターナショナルスクールや商業施設がある。レジデンスBに住宅、オフィス、商業、レジデンスAに住宅、ホテル(ジャヌ東京)、商業がある。
3つの高層棟のほかにA、B、C、Dからなる低層のガーデンプラザがあり、商業、ミュージアム、ギャラリーなどが入る。商業施設は森JPタワーのタワープラザ(59店舗)、レジデンスAとB(12店舗)、ガーデンプラザ(80店舗)に広がり、合計で約150店舗、店舗面積が約2万3000㎡。Cに開設される注目の商業施設は店舗面積約4000㎡を充て、食を集積した「麻布台ヒルズ マーケット」で、Dには10のラグジュアリーブランドからなるラグジュアリーストリートも誕生する。
JR札幌駅・札幌市営地下鉄新さっぽろ駅に直結して昨年11月30日、大和リースの都市型商業施設「BiVi新さっぽろ」(地下2階~地上6階、延床面積2万165㎡)がオープンした。商業フロアの1~4階にはスーパーマーケットから飲食店、食物販、雑貨、ドラッグなど、北海道初進出や道内企業の人気店を含む34店舗が名を連ねる。館内の中心部には室内公園「BiVi PARK」が設けられ、大型LEDビジョンやスタジオが置かれ、コンシェルジェも配され、緑を感じながら心地良く飲食したり、気軽に集えたりする空間がつくられた。
このBiVi新さっぽろの周りには時期を同じくしてホテルや分譲マンション、教育・医療施設などが開業している。このほど完成した「マールク新さっぽろ」は、これらの機能の整備に当たってきた大規模複合開発。BiVi新さっぽろも同開発プロジェクトに基づく商業施設で、関わったのは大和ハウス工業を中心に大和リース、医療法人脳神経研究センター新さっぽろ脳神経外科病院、医療法人新札幌整形外科病院、社会医療法人交雄会新札幌病院、学校法人札幌学院大学、学校法人滋慶学園札幌看護医療専門学校によるコンソーシアムだ。
開発の内容は「商業、ホテル、予防医療・地域医療、タワーマンション、子育て、産学連携、教育の7つの成長エンジン」をコンセプトに、約5万5700㎡(一部借地含む)を有する敷地を2街区に分け、G街区に大学や専門学校などの教育施設、I街区に供用駐車場、医療施設4棟、分譲マンション、ホテル、商業施設を整備した。
G街区は「札幌学院大学」(21年4月開学)と「滋慶学園札幌看護専門学校」(21年4月開校)の2つの教育施設で構成。札幌学院大学は地域住民にも開かれた都市型・開放型キャンパスとして運用され、大学内に設置された社会連携センターや図書館、カフェテリア、キャンパス広場は一般開放し、地域住民との交流拠点として活用されている。滋慶学園札幌看護医療専門学校は看護学科、視能訓練士学科、歯科衛生士学科、臨床工学士学科の4学科を設け、マールク新さっぽろ内の医療施設と産学連携協定を締結し、施設見学や見学授業、臨床実習を実施する。
I街区は分譲マンション「プレミストタワー新さっぽろ」(23年5月竣工)、ホテル「ラ・ジェント・ステイ新さっぽろ」(23年7月開業)、BiVi新さっぽろ、共用駐車場「D-Parking新さっぽろ駅前」(21年4月開業)、「脳神経研究センター新さっぽろ脳神経外科病院」(22年7月開業)・新札幌整形外科病院」(22年8月開業)・「交雄会メディカル交雄会さっぽろ病院」(22年7月開業)・「D-スクエア新さっぽろ」(同)の医療施設4棟で構成される。
D-スクエア新さっぽろの1階には北海道ガスが運営する「新さっぽろエネルギーセンター」が設けられ、I街区一帯のエネルギーを集中供給。大浴場も備えた総客室数172のホテル、ラ・ジェント・ステイ新さっぽろは観光やビジネスの拠点として活用され、ホテル前に整備された様々なイベントが開催される広場「アクティブガーデン」は地域活動や地域の交流の場として利用される。I街区の施設は街のシンボルである屋内空中歩廊「アクティブリンク」でつなぎ、季節や天候に左右されることなく安全な歩行者動線を確保する。
25年に「大阪・関西万博」の開催を控える関西では大阪、神戸を中心に複数の再開発事業が進行中。特に大阪は梅田駅周辺で目立つ。西日本旅客鉄道と大阪ターミナルビルによる「大阪駅ビル計画(仮称)」(建物名称「イノゲート大阪」)、旧大阪中央郵便局跡地を含む大阪駅西地区の「梅田3丁目計画(仮称)」(「JPタワー大阪」)、うめきた1期エリアの大規模複合施設「グランフロント大阪」に続くうめきた2期地区開発事業の「グラングリーン大阪」の開発工事が進んでおり、これから先も「大阪丸ビル」の建て替え計画や阪急阪神ホールディングスグループによる大規模再開発プロジェクト「芝田一丁目計画」などが控える。
中でもスケールが大きいのはグラングリーン大阪だ。区画面積は約9万1150㎡に上り、うめきた公園、オフィス、ホテル、中核機能、商業施設、住宅が27年度までに完成し、全体まちびらきとなる。24年9月に先行まちびらきとなるのはうめきた公園(サウスパークの全面・ノースパークの一部)および北街区賃貸棟だ。
「みどりとイノベーションが融合したまちづくり」をコンセプトに、緑豊かな「うめきた公園」を中心に、ビジネスから観光まで幅広いニーズを担う「南街区」、イノベーティブなライフデザインを実現する「北街区」と、大きく3つのエリアに分かれる。大規模ターミナル駅直結の都市公園としては世界最大級の規模(面積約4万5000㎡)を誇るうめきた公園はJR大阪駅に直結し、オフィス、中核機能などを有する民間宅地とシームレスにつながる。「未来へのひらめきと原動力となる『みどり』」をデザインコンセプトに、南公園は都市的空間、北公園は緑が多く、自然な空間とするとともに、周辺地区に開けたつくりになる。うめきた公園には大屋根イベントスペース、情報発信棟、カフェレストラン棟などもできる。
オフィスは総賃貸面積約3万4000坪と大規模だ。南街区のパークタワーの6~27階に入るオフィス(総賃貸面積約9万3000㎡)は、西日本屈指の基準階約1250坪を誇る。南街区のゲートタワーの5~17階(総賃貸面積約2万㎡)は基準階約480坪。ホテルは南街区にスーパーラグジュアリーホテル「ウォルドーフ・アストリア大阪」(客室数252)とアップスケールホテル「ホテル阪急グランレスパイア大阪」(同482)、北街区にライフスタイルホテル「キャノピー byヒルトン大阪梅田」(同308)を誘致する。
中核機能の「JAM BASE」は、国などのイノベーション支援機関の入居を想定したオフィスや会議室、講義室などから構成されるプラットフォーム施設、イノベーション創出を事業とする企業などが位置する場所として、コワーキングスペースやSOHO、交流スペースなどを有した施設を整備する。
商業施設は、新駅の整備により世界との交流拠点となる南街区ではアジア初上陸の食と文化を体験できる大型フードマーケット「Time Out Market Osaka」を中心に、国内外からの来訪者が楽しめるレストランやショップが入居。南街区(地下1階~地上3階)の商業施設面積は約1万2500㎡(有効面積)となる。南街区のゲートタワーの3~4階には都市型スパ(有効面積約6000㎡)が設置される。同スパは天然温泉や都市公園を一望できるプール、ジムが備わり、健康と美の拠点となる。北街区では四季を感じられる豊かな自然の中、ナレッジキャピタルを有するグランフロント大阪・北館とデッキで連結。都市で暮らす人々への豊かなライフスタイルを提案するショップが軒を連ねる。北街区1・2階の商業施設の有効面積は3000㎡だ。
北街区の落ち着いたエリアに誕生するのがレジデンス「グラングリーン大阪 THE NORTH RESIDENCE」。地上46階建てのタワーマンションで、総戸数484に上る。
エンターテインメントに特化した施設として注目されるのが「東急歌舞伎町タワー」や「横浜アリーナ」、「長崎スタジアムシティ」だ。
23年4月14日に開業した東急歌舞伎町タワーはエンタメを代表する施設といえる。新宿TOKYU MIRANOの跡地に開発された国内最大級のホテル×エンタメの超高層複合施設で、地下5階~地上48階、高さ約225m、延床面積約8万7400㎡。ホテルは18~38階に「HOTEL GROOVE SHINJUKU」(538室)と39~47階に「BELLUSTAR TOKYO」(97室)を擁する。
ホテル以外は全てエンタメ施設で、地下1~4階にライブホール(スタンディングで約1500人収容できる「Zepp Shinjuku」)とナイトエンターテインメント施設(「ZERO TOKYO」)、2階に「歌舞伎町横丁」などのエンターテインメントフードホール、3階はアミューズメントコンプレックス「namco TOKYO」、4階にダンジョン攻略体験施設、5階にウェルネスエンターテインメント施設、6~8階が劇場「THEATER MIRANO_Za」、9~10階が映画館「109シネマズプレミアム新宿」(8スクリーン、752席)となっている。
みなとみらい21地区60・61街区のウォーターフロントにケン・コーポレーションが開発を進めてきた「ミュージックテラス」(街区名)が22年9月に開業した。ミュージックテラスはアリーナ棟の「Kアリーナ横浜」(地上9階、高さ約45m、延床面積約5万3852㎡)、ホテル棟の「ヒルトン横浜」(地下1階~地上28階、高さ約100m、同3万4815㎡)、オフィス棟の「Kタワー横浜」(地下1階~地上23階、高さ約100m、同2万9716㎡)からなる。
ミュージックテラスの核となるKアリーナ横浜の座席数は2万33で、世界最大級の音楽アリーナとして注目される。“すべては「音楽」を楽しむために”をコンセプトに掲げ、見え方から座席、音響、照明、映像までこだわり、世界でも類を見ない音楽に特化した大型アリーナだ。
Kアリーナ横浜の特徴について、Kアリーナ横浜を運営するKアリーナマネジメントの田村剛社長は「Kアリーナ横浜のように音楽に特化したアリーナは世界中を見ても存在しない。音楽専用アリーナとして日本の中で最大、世界でも最大級といえる。音響にこだわっており、全ての座席がステージ正面に向けて扇形に配置されて迫力があり、アーティストからすると一体感をつくりやすい。座席にしてもファブリックシートで座り心地が良い。音も抜群で、スピーカーはL-acousticsのスピーカーを採用し、200個も使っており、どの席に座ろうと均一の音を聞ける。舞台音響音声設備だけでなく、舞台映像設備も舞台照明設備も優れる。しかも、会場の設営・撤収に携わる人やアーティストにとっても大変使いやすいアリーナを完成させることができた」と語った。
Kアリーナ横浜の特徴はまだある。飲食も楽しめるアリーナにしたことだ。アリーナ内には売店が11カ所設けられているほか、5階には400席の飲食スペース「LOUNGE5」、7階にあるラグジュアリーなバーラウンジ「Arena Bar7」は横浜の夜景を見ながら楽しめる。Arena Bar7はライブを見に来た人だけでなく、近隣で働く人や来街者も利用できる。加えてアリーナの6階にはVIP対象の豪華ラウンジがあり、ここで100人程度が酒や食事をしながらライブを楽しめる。
ケン・コーポレーションの佐藤繁会長はKアリーナ横浜の出来映えについて次のように述べた。
「これまで国内にはエンターテインメントを大きく前進させるような施設が不足していた。我々がここで挑戦したのは、コンサートで音楽を楽しめるだけでなく、音楽を通して生活が豊かになれる施設をつくりたい、しかも日本の音楽文化を発展させ、日本の音楽文化を世界へも発信したいという思いからで、思い切って多彩な設備を導入した。今までのアリーナと何が違うかというと、圧倒的な音の良さ。ワンデーコンサートを可能とし、全てのミュージシャンが利用できようにもした。俗に“横浜またぎ”といわれるが、ここ横浜で大きな国際会議やイベントがあっても宿泊せず、都心などへ向かってしまう。それを阻止したい思いでKアリーナ横浜とヒルトン横浜を立ち上げた」
三菱重工業の長崎造船所幸町工場跡地にジャパネットホールディングスが開発を進めている長崎スタジアムシティ(リージョナルクリエーション長崎が運営・管理)の開業が今年10月14日に決まった。長崎スタジアムシティは2万席を完備したサッカースタジアム(PEACE STADIUM Connected by SoftBank)を中心に、6000席のアリーナ(HAPPINESS ARENA)、約90店舗からなる商業棟(STADIUM CITY SOUTH)、客室数約243のホテル棟(STADIUM CITY HOTEL NAGASAKI)、長崎最大級となる賃貸オフィスのオフィス棟(STADIUM CITY NORTH)からなる。敷地面積は約7.5ha、建築面積は約4万4800㎡、延床面積は約19万4000㎡。
プロサッカークラブ、V・ファーレン長崎のホームスタジアムとなるPEACE STADIUMは日本一ピッチに近いスタジアム。ピッチまで約5mと、選手を間近に感じ、臨場感あふれるスタジアムを実現する。観戦しながら飲食ができるフードホール(ホテル2階)があり、サッカースタジアム醸造ビールを提供するザスタジアムブリュウスナガサキもオープンする。
また、日本初となるスタジアム上空を飛べるZIPラインも動く。プロバスケットボールクラブ、長崎ヴェルカのホームとなるHAPPINESS ARENAは多機能・可変型のアリーナとして音楽コンサートやイベント会場としても機能。アリーナ棟の屋上には自由に使えるフットサルを完備する。
STADIUM CITY HOTEL NAGASAKIは日本初のスタジアムビューホテル。サッカーの試合やスタジアムのグリーンを味わえるスタジアムビューホテルと、長崎の山の美しい景色が見られるマウンテンビューの2種類の部屋を用意する。ホテルの客室、プール、サウナ、レストランなどの各所からスタジアムが望め、しかもサッカーを身近に感じられるようにスタジアム側の客室の窓は可能な限り広く開く。一部の客室は特別仕様で、サッカーの試合観戦時にはボックス席に変化する。
商業棟のSTADIUM CITY SOUTHは長崎初出店のショップやレストラン、アミューズメントなどからなるショッピングモールで、アウトドアメーカーのスノーピークが手掛ける直営店およびカフェ、ジャパネットたかたの商品が試せる体験型店舗「ジャパレクラボ」などがオープン予定。同商業棟には約30種のアクティビティが楽しめる屋内型エンターテインメント施設「VS STADIUM NAGASAKI 」が登場する。商業棟とホテル棟には、長崎スタジアムシティの地下1500mから湧出した天然温泉を使った施設をオープン。商業施設内の温浴施設では露天風呂や屋上での足湯も楽しめる。
そのほか、STADUM CITY NORTHは1フロアが640坪にも上る。無柱空間で効率の良いレイアウトを実現でき、賃貸オフィス、シェアオフィスの2形態を設置。スタジアムを一望できる最上階には入居者専用のラウンジを設ける。
(塚井明彦)