2024年10月30日

パスワード

全て増収、高級品の勢い続き気温低下で秋物にも動き

 

大手百貨店4社の10月売上高は、全て前年比でプラスとなった。伸び率が高い順は大丸松坂屋百貨店が13.6%増、阪急阪神百貨店が13.2%増、三越伊勢丹が10.3%増、高島屋が9.1%増。気温低下から秋物に動きがみられたが、コートなどの防寒衣料は不調だった。

三越伊勢丹は、法人外商事業やEC事業、小型店舗を含む伊勢丹新宿本店、同じく三越日本橋本店、三越銀座店、伊勢丹立川店、伊勢丹浦和店の合計が13.2%増、地域事業会社の合計が5.2%増、全体は10.3%増と10カ月連続で2桁台に達した。独自イベントや外国展などの催事が奏功し売上げを押し上げた。ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心に、秋物衣料品やハンドバッグ、宝飾などへの関心の高さも継続している。

店舗別では、全てプラス。三越銀座店(35.0%増)、伊勢丹新宿店(11.8%増)は2桁増だった。

商品別では、子供服・洋品(4.7%減)、その他(4.2%減)、呉服寝具他(3.3%減)を除いた全てのカテゴリーがプラス。中でも雑貨(18.9%増)はその他雑貨を除いた項目が2桁の伸び率で、特に美術・宝飾・貴金属(21.8%増)の伸長が目立った。

大丸松坂屋百貨店は、直営店の合計が14.9%増、法人・本社等が1.0%減、関係百貨店の博多大丸と高知大丸を含めた百貨店事業の合計が13.6%増と10カ月連続で2桁増となった。平年より気温の高い日が続き秋冬物の売れ行きは鈍かったが、ラグジュアリーブランドが引き続き好調で大きく売上げを伸ばした。

店舗別では、京都店(18.9%増)、札幌店(18.5%増)、東京店(17.3%増)は2桁増だった。中でも心斎橋店は43.9%増と大きな伸びで他店をけん引した。入店客数は百貨店事業合計で12.1%増。

商品別では、大半のカテゴリーがプラスで主要5品目のうち雑貨(23.6%増)、衣料品(17.1%増)、身の回り品(10.3%増)、特に化粧品はインバウンドや保湿系の商品が好調で29.0%増と11カ月連続の2桁増となった。紳士服・洋品はジャケットやパンツ、シャツなどが売れたが、防寒衣料の不調の影響でマイナスだった。身の回り品は(10.3%増)はアクセサリーや旅行用品が勢いを持続。食料品(3.7%増)は菓子が8.8%増、惣菜が4.6%増と共に好調に推移した。

高島屋の7.1%増には法人事業(19.4%減)やクロスメディア事業(20.8%減)が含まれており、それらを除くと6.9%増。国内外共に好調で前年と新型コロナウィルス禍前の18年を上回った。高額品が引き続き堅調に推移し、気温低下に伴い秋物雑貨も好調だった。

店舗別では、大宮店(6.8%減)、柏店(3.4%減)、泉北店(2.8%減)を除いた店舗がプラス。中でも大阪店(26.9%増)、京都店(20.1%増)、日本橋店(11.7%増)は2桁増だった。免税売上高は164.7%増と勢いを増して、コロナ禍前の19年比でも74.3%増、18年比では44.9%増とどちらも大きく上回った。免税を除いた店頭売上高は1.9%増、19年比は29.1%増。店頭売上高は9.1%増、19年比は32.8%増、入店客数は1.9%減だった。

商品別では主要5品目のうち食料品(2.0%減)を除いて全てプラス。身の回り品(15.7%増)、雑貨(12.9%増)は2桁増だった。衣料品では婦人服・洋品(10.9%増)、家庭用品では家具(26.0%増)、雑貨では化粧品(20.9%増)の伸びが目立つ。

阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店が16.7%増、阪神梅田本店が4.4%増、支店の合計が10.8%増、全店合計は13.2%増と15カ月連続で2桁増。入店客数は全店計で8.8%増だった。支店では、高槻阪急(9.2%増)、阪急メンズ東京(7.0%増)、宝塚阪急(4.5%増)、中でも博多阪急(25.7%増)、神戸阪急(18.1%増)が2桁増と大きな増収を遂げた。

商品別では、子供服・洋品(0.8%減)、家庭用品(1.0%減)を除いた大半のカテゴリーが前年をクリアした。中でもサービス(32.6%増)、身の回り品(29.2%増)の伸び率が高かった。