2024年10月30日

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三陽商会の「ポール・スチュアート」、ジャケットスタイルを拡充

立ち上がりは、春の息吹を感じるパステルカラーのアイテムを提案する

三陽商会の「ポール・スチュアート」レディースは来春夏、ジャケットスタイリングを充実させる。ビジネスからオケージョン、カジュアルまで対応できるよう、デザイン・素材・価格に幅を持たせ、シーズンを通じて提案する。同ブランドは元々、エグゼクティブキャリアをターゲットとしたジャケットスタイリングを強みとしていた。コロナ禍が明け日常が戻り、オフィスやオケージョン向けウエアの需要が回復しているため、改めて打ち出す。

ビジネス向けには、尾州産のウールを100%使用したジャケットを発売。高密度な打ち込みながら綾組織にすることで、適度なハリと上質な柔らかさのある素材に仕上げた。裏地はストレッチ性のあるものを使用し、着心地にもこだわった。テーラード型とVネックノーカラー型の2種類があり、同素材のパンツ、スカートも揃える。

ワイドパンツと合わせた、オフの日向けのスタイリングも打ち出す

オケージョン向けには、光沢感のあるツイード素材のジャケットを用意する。イギリスのリントン社が開発した素材で、同色系の糸が織りなす色合いを楽しめる。オフの日向けには、重厚感があるが軽くてストレッチの効いたジャケットや、チェック柄ですっきりとしたシルエットのジャケットを展開する。

夏に向けてはリネン素材のジャケットや、非常に軽くて通気性の良い「フロータブルジャケット」を打ち出す。とりわけフロータブルジャケットは、中が空洞となっている糸「中空糸」を採用し、圧倒的な軽さと着心地の良さを実現している。ウォッシャブルでシワになりにくいため、蒸し暑い夏や梅雨の時期でも快適に過ごせる。

素材やテイストに加えて価格にもメリハリを付け、多様なニーズに応える。例えば国産素材のジャケットは6万円台から用意し、インポート素材のジャケットは14~16万円台に設定した。担当者は「秋冬商戦でも、ウールコートの価格帯は10万から18万円まであるが、高いから売れないということはない。価格に見合う価値を提供することが重要」と語る。

「エポカ」ではエグゼクティブキャリア向けの新ラインをトライアルで始める

なお、エグゼクティブキャリア層からのビジネスウエアの需要は高まっているようで、同じくレディースの「エポカ」では来春夏、エグゼクティブキャリア層向けの新シリーズをトライアルで始める。アイテムはジャケット、ドレス、パンツを中心に構成。素材はオリジナルまたはインポートで、一格上の上質感を演出する。

担当者によると、外商顧客などの富裕層から要望が寄せられたという。「ラグジュアリーブランドほどではないが、これまでのドメスティックブランドよりワンランク上、といった服のニーズが高まっている」(担当者)。まずは一部の店舗で販売し、反応を見て今後につなげる。

(都築いづみ)