松屋の冷凍食品売場、実演試食販売で新客の開拓へ
松屋銀座店の冷凍食品売場「ギンザ フローズン グルメ」は18日、地下2階のイベントスペースで実演試食販売を開催した。冷凍食品の宅配サービスを手掛ける「GREEN SPOON(グリーンスプーン)」のミネストローネと、パンを扱う「Pan&(パンド)」のクロワッサンを振る舞った。ギンザ フローズン グルメは昨年9月~今年8月の売上げが計画値の1.5倍と好調だが、この2ブランドの実演試食によって、さらに若い世代の新客を獲得する狙いがある。
ギンザ フローズン グルメは当初から40~50代を主なターゲット層としていたが、実際は館全体の主要層である50~60代のシェア率が高い。食品部食品一課長の今井克俊氏は「(50~60代より)少し下の年齢層のお客様のご利用を増やしたかった」と意図を説明する。
中でも同店の近隣に居住する、富裕層を取り込みたい考えだ。今回提供した2品は栄養とおいしさ、調理の簡便さを兼ね備えており、ターゲット層のニーズにマッチすると判断。ミネストローネは918円、クロワッサンは355円と同売場の中では比較的廉価で、トライアルにも適している。「仕事や家事で忙しい方も多いと思うので、少し寒い日の朝食などに食べていただければ」(今井氏)。
グリーンスプーンは野菜をふんだんに使ったメニューが特徴のブランドで、スムージー、スープ、サラダなどを製造・販売している。20~40代の女性が客層の中心で、若い客を取り込みたいギンザ フローズン グルメからのアプローチをきっかけに展開を始めた。
パンドは、厳選した素材と伝統の製法で仕込んだパンを、焼きたての状態で急速冷凍して提供する。水分がとどまっているタイミングで冷凍するため、パサパサせずおいしい状態で食べられる。同ブランドを手掛けるスタイルブレッド社は、元々ホテルやレストランへの卸売をしており、その味は各所で高く評価されている。
ギンザ フローズン グルメは今夏に4ブランド20品目を新たに発売し、明治屋ストアーへの卸売も始めた。冷凍食品市場の成長を追い風に、事業規模の拡大を加速させている。
(都築いづみ)