2024年10月30日

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アルビオン、アーユルヴェーダ着想の全身リラックスオイル「スパランカ」発売

アルビオンから「アーユルヴェーダ」に着想を得たオイル「SPA LANKA」が登場

アルビオンは17日、新発想のリラックスアイテム「SPA LANKA(スパランカ)」を発売した。洗浄用オイルの「スパランカ オイルウォッシュ」(250mL、4400円)と、オイル状美容液の「スパランカ オイルセラム」(200mL、5500円)の2種類で、いずれも頭皮からフェイス、ボディまで全身に使用できる。世界3大伝統医学の1つである「アーユルヴェーダ」に着想を得て、スリランカ産の伝統植物から抽出したエキスを配合。心身のリラクゼーションにつながる香りとともに、しっとりとなめらかな肌に導く自然由来のボディケアを叶える。スリランカでの長年に亘る植物研究の成果を投じ、新たな領域でブランドプレゼンスを高める。

商品開発部商品開発グループの百済貴子氏(左)と、杉原友江氏(右)

「美しくなるための新しい提案」として誕生したスパランカ。そのきっかけは同社の社員達による、ある“気付き”だった。現代社会における多くの情報をはじめ、食事による栄養、肌に成分補給する化粧品など「体に取り込む作業」は日常化している。一方で「体から(体内に蓄積した老廃物などを)出す作業は積極的には行わない」と、商品開発部商品開発グループの杉原友江氏は話す。「ストレスの多い現代に生きる人達、ひいては自分達にとっても『体から出す作業』が必要ではないか」と考えた。汗をかくことやファスティングなどではなく、目指したのは「使用するだけで心身をすっきり軽やかにする究極のリラックスアイテム」だった。

「スリランカ伝統植物研究所」の量産用農園では、数多くのスリランカ固有の植物を栽培する

構想時期とタイミングを同じくして、同社の開発研究機関「スリランカ伝統植物研究所」(以下、研究所)での美容成分開発の成果も得られた。2014年に東京農業大学生物産業学部と共同で開設した研究所では、スリランカの貴重な伝統植物を栽培し、化粧品への有用成分の開拓に向け研究を行う。これまでの研究で発見した植物の香り成分によるストレス緩和などに加え、今回、植物の葉の抽出物に肌への良好な作用があることを発見。化粧品用エキスとしての実用化に成功した。

スリランカの伝統植物「トゥルシー」(左)と「アダトダ」(右)。アーユルヴェーダで昔から薬草として用いられてきた

そこで着目したのがアーユルヴェーダだ。古来から伝わる薬草を生かした伝統医学で、心身の不調を整え、病を予防する「予防医療」として知られる。研究所があるスリランカはアーユルヴェーダの本場でもある。現地の人達は薬草の効能について知識を持ち、自身の体調に合わせて薬草を購入して使用する。スーパーマーケットや道端でも様々な薬草が販売されるほど、スリランカでは日常生活に根付いた考え方だ。

杉原氏は所属を同じくする百済貴子氏と実際にスリランカに赴いた。現地では、アドバイザーとして携わった梅原しょうこ氏(日本アーユルヴェーダ伝統医療協会理事、スリランカと日本にある伝統医療センター「シャンティランカアーユルヴェーダ」代表)からのアドバイスや、ドクターからの説明を受けたり、アーユルヴェーダの施術を体験したりと、知識を深めた。

杉原氏は「かぐだけで疲れやストレスが軽減されるような香りにしたい。それをエビデンスのあるものにしたい」と、香りにもこだわり、調香を重ねた。肌への感触や泡立ち具合などについても、納得するまで何度も調整を行った。

スパランカは「心地良いテクスチュア」「深呼吸したくなる香り」「美しさの扉を開く植物」の3つの調和をテーマに、心身に解放感をもたらすアイテムとして訴求する。名称には、アーユルヴェーダと同様のサンスクリット語である「島」を意味する「LANKA(ランカ)」を採用。「『スパランカ』というスリランカにある、知る人ぞ知るエステ」というストーリー性で、透明感のある落ち着いたカラーのボトルデザインにも、その世界観を表現した。

「スパランカ オイルウォッシュ」(250mL、4400円)

スパランカ オイルウォッシュは、とろみのあるオイルで肌の不要な汚れを取り除き、全身を洗い流せる洗浄用オイル・マッサージ料。バジルの一種で高い薬効があるとされる「トゥルシー」の葉と、樹皮や枝、種子にも薬効がありアーユルヴェーダで広く処方される「ニーム」の葉から抽出したエキスを、それぞれ保湿成分として配合した。肌をしっとりなめらかに整える。通常、洗い流す目的のオイルは泡立たないものが多いが「オイルでも泡立ち、すっきりと洗い流せて、しっとり感も残る。“良いとこ取り”ができた」と、百済氏は太鼓判を押す。

「スパランカ オイルセラム」(200mL、5500円)

オイル状美容液・マッサージ料のスパランカ オイルセラムは、トゥルシーのエキスと、エネルギーの循環を整える薬草としてアーユルヴェーダで2千年以上に亘り活用されてきた「アダトダ」の葉のエキスを、それぞれ保湿成分として配合。入浴後に体の水気を拭き取り、手のひらでなじませるように付けることで、肌にツヤとしなやかさを与える。べたつきにくく、さらっとした心地良いオイル感を実現した。

いずれも頭皮、フェイス、ボディと全身に使用できるのが特長。一般的に各部位の肌が必要とする成分や、求める使用感は異なる。百済氏は「頭皮はさっぱりさせたいけれど、ボディはしっとりさせたいなど全身に使えるベースの感触には1番悩んだ」としながらも、「全身に使って、しなやかさやなめらかさを実感し、満足してもらいたい」と自信を示す。

さらにスパランカは「限定しない」ことも、商品価値として打ち出す。例えば、化粧品の場合は使用する順序が指定されているものが多い。しかしスパランカは、推奨している使い方や分量はあるが、使用ステップをはじめ、使う体の部位、時間や季節においても決まったものはない。「本能の赴くままに、自身が心地良いと思う使い方をしてほしい」(杉原氏)

ターゲットについても、杉原氏は「リラクゼーションや浄化作用は皆に必要なもの。老若男女問わず使ってほしい」と特定しない。そうした中、同社の社員達を対象にモニターを実施したところ「30代後半から40代前半のハードに仕事をしている女性達に、ピンポイントで“刺さった”」という。使用者からは「アーマ(アーユルヴェーダにおける体内に過剰に蓄積されたもの)が溜まっているのを実感した」と、リアルな声が多く寄せられた。百済氏は「自分達の悩みや経験から考えると、近い世代に“刺さる”かもと思った」としながらも、予想以上の反響だったと明かした。

こうした個人の実感に加え、植物の香り成分や、葉の抽出エキスによる作用はデータでも実証されている。杉原氏は「自分も被験者になりながら、良いデータが出た時は本当にうれしかった」と安堵する。

今後の販促については、百貨店や専門店でのサンプル配布や、公式ホームページやSNSでの宣伝を実施。百済氏は「最初から全身への使用でなくてもお手元で試していただいたり、店頭でのお手入れに組み込んでいただければ」と期待を寄せる。

アルビオンのスリランカ伝統植物研究所は、今年開設10年目を迎える。培ってきた植物研究による技術と知見を発揮し、美しさへの新たな挑戦を始める。

(中林桂子)