三陽商会、通期業績予想を上方修正 第2四半期は黒字化
三陽商会の2024年2月期第2四半期(3~8月)の連結業績は、純損益が7億4400万円の黒字だった。前期実績を9.9億円、計画値を5.4億円上回った。売上高、営業利益、経常利益も前期実績、計画値を超えている。人流の回復やインバウンド需要の拡大、プロパー販売の強化などが寄与した。これを踏まえて通期業績予想を修正し、売上高は前期比6%増の615億円、純利益は同3割増の28億円を見込む。
第2四半期連結業績は、売上高が281億5500万円(前期比10.6%増)だった。営業利益は7億1800万円(10億3500万円の改善)、経常利益は7億8700万円(9億2800万円の改善)、当期純利益は7億4400万円(9億9000万円の改善)となった。
増収はインバウンド回復の影響が大きく、インバウンド関連の売上高は18億円だった。オケージョン需要の拡大や会社設立80周年の記念商品の存在も追い風となった。販路別では全販路で前年を超え、特にリアル店舗が好調だった。
リアル店舗は百貨店が10%増、直営店が26%増、アウトレットが16%増となった。コロナ前の19年と比べると百貨店が25%減、直営店が41%減、アウトレットが85%増だが、これは前年度からプロパー店舗とアウトレットの役割を明確化したことが背景にある。大江伸治社長は「プロパー店舗ではプロパー商品の販売に徹し、未消化品はアウトレットに速やかに移動する。セール販売をアウトレットに集約することで、プロパー店舗におけるプロパー販売比率が向上した」と説明する。
こうした施策によって、プロパー販売比率は前期から2ポイント改善の68%となった。粗利益率は計画値を0.3ポイント、前年を0.6ポイント上回る62%に改善している。円安や資源価格の高騰によって原価が上昇したが、平均売価も12%上がったことで吸収し、原価率は前年並みを維持した。
通期業績予想は今年6月末に上方修正したが、さらに修正した。売上高が615億円(前期比6%増)、売上総利益が385億円(7%増)、販管費が354億円(5%増)、営業利益が31億円(39%増)、経常利益が32億円(32%増)、純利益が28億円(30%増)を見込んでいる。
(都築いづみ)