資生堂、インナービューティー事業に参入 ツムラ・カゴメと協業
資生堂が、インナービューティー事業に本格参入する。インナービューティーブランド「SHISEIDO BEAUTY WELLNESS(シセイドウ ビューティー ウエルネス)」を来年2月に立ち上げ、第1弾はツムラ、カゴメと共同で研究開発した商品を発売する。まずは国内で展開し、25年以降は中国などアジア地域にも販路を広げる。20日の発表会で藤原憲太郎社長は「肌・体・心の調和による美の実現に向けた新しいソリューションを創出し、グローバルに発信していきたい」と力を込めた。
資生堂は強みであるスキンケアの知見・研究開発力を生かした、ウェルネス領域の価値創造を指針の1つに掲げている。インナービューティー事業はウェルネス領域展開への第一歩という位置付け。
シセイドウ ビューティー ウエルネスは、一人一人の体内課題にアプローチし、健康美肌を実現する「新美容習慣」を提案する。そのため、肌・体・心の関係性を解明し、肌の予測や改善に導く独自のアルゴリズムを開発した。商品の詳細は1月に発表するが、藤原社長は「成分訴求が中心のサプリメントではなく、体と心から肌を美しくするという技術の下に新しい価値を提供する」と説明する。
ターゲット層は、肌・体・心がつながっていると認識する「内外美容意識層」と定義し、その数は日本で約2800万人と想定した。健康と美容の両方を叶えるサプリメント、食品、サービスなど様々な価値提案を行い、美容サプリメントの領域を超えた「ビューティー×ウェルネス」という新市場の創造を目指す。
化粧品事業とのシナジーも狙う。資生堂では多くの客から健康や栄養に関する相談を受けているため、こうした悩みの解決に生かす。さらに店頭のタッチポイントでデータを蓄積することで、ソリューションの精度を上げていく。
20日の発表会には藤原社長に加えてツムラの加藤照和社長、カゴメの山口聡社長も登壇。加藤社長は「ツムラの開発した新たな和漢成分と資生堂の美容成分を組み合わせることで、新たな価値の創造ができた」と語り、山口社長は「この取り組みを通じて野菜の価値を発信し、野菜への意識を高めたい」と話した。
(都築いづみ)