2024年10月30日

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オイシックス・ラ・大地、“もったいない”野菜販売でフードロス削減

猛暑と干ばつで規格外となった「もったいないにんじん」

オイシックス・ラ・大地が展開する食品のサブスクリプションサービス「Oisix(オイシックス)」は31日、猛暑の影響で規格外となった北海道産の「もったいないにんじん・もったいないじゃがいも」の袋詰め販売を行う。業務提携するアグリゲート社と協業し、畑のフードロス削減への取り組みによるもので、語呂合わせで「野菜の日」である8月31日に実施する。JR東日本クロスステーション デベロップメントカンパニーでも、食品ロス問題をテーマにした「もったいない野菜マルシェ」を、東京駅で9月7日より開催。エキナカ利用者に向けて、SDGsの取り組みの一環として行う。

もったいない野菜マルシェで販売されるモモ

同社がアグリゲート社との協業で始めた「もったいない野菜」の第1弾は、今年7月に実施した規格外となったモモ。記録的な強風で傷が付き、宅配サービスでの販売が難しい――。オイシックス・ラ・大地との契約生産者がつくる規格外となった完熟モモを使用したスムージーを、アグリゲートが展開する旬八青果店で販売した。

表面にかさぶたができて規格外となった「もったいないじゃがいも」

第2弾となる今回は、廃棄直前のもったいないにんじんとじゃがいも。今年の夏は猛暑と干ばつの影響により、北海道全体でにんじんの実が細くなったり表面の色が褐変したりしているものが多く、収穫量も減少している。褐変は気になる部分を取り除きさえすれば問題なく食べられても、選別の手間をかけることができない。オイシックス・ラ・大地が取引する北海道・十勝の契約生産者の農場では、毎日約1トンもの規格外とされるにんじんを廃棄している現状がある。

そこで、細めに育ってしまい、色や形が変わっているという理由で規格外になったにんじんと、表面にかさぶたができて規格外となったじゃがいもの袋詰め販売(店舗によっては大容量袋詰め販売)を、旬八青果店五反田TOC店と旬八キッチン天王洲店で実施する。2つとも、価格は袋に詰め放題で税込み398円、販売期間は8月30日から入荷終了時期までとなる。オイシックスでも、31日より「わけありにんじん(北海道産)」(税込み322円)を「おたすけOisix」で販売する。

もったいない野菜マルシェで販売されるきゅうり

JR東日本クロスステーション デベロップメントカンパニーが、JR東京駅のイベントスペース「スクエア ゼロ」で開催するもったいない野菜マルシェは、昨年に続き2回目。今年も毎日現地から新鮮な状態で届く規格外・過剰野菜となった野菜を揃える。一部の野菜は新幹線による荷物輸送サービス「はこビュン」で輸送されるほか、食品ロス問題に取り組んでいる高校生たちのアイデア商品なども販売。加えて今年は、こうした野菜や果物を使用したスムージーやカレーパンなどが楽しめるイートインコーナーを開設し、実際に野菜に触れられるワークショップも開かれる。

同マルシェで販売されるのは、規格外野菜・果物、過剰野菜、加工品、お米などとなる。実際にきゅうりやミニトマトなどの野菜を育てる「畑のような造作」が設置され、畑の横にはイートインコーナーの「畑カフェ」が設置される。ここでは「もったいない野菜スムージー」、「もったいない果物スムージー」、「東京農大コラボスムージー」など5種類のスムージーをはじめ、「もったいない野菜カレーパン」、「もったいない野菜の黒酢あんかけと五穀パンセット」、「もったいない果物の懐かしいジャムパン(学校マルシェ/山形県立置賜農業高等学校の商品を使ったコラボ商品)」が楽しめる。同マルシェとイートインコーナーの開催期間は9月7~13日。

ワークショップは、規格外野菜を使用したベジブーケをつくる。ベジブーケの第一人者小山美千代氏と、小山氏が主宰するベジブーケレッスンを修了したクリエイターがレクチャーし、東京農業大学の学生もサポートする。参加者は実際に規格外野菜や過剰野菜に触れることができ、制作したブーケは持ち帰って料理として再利用できる。開催日は9月7~9日の3日間で、1人当たり1000円で参加できる。

商品開発をしている和歌山県立神島高等学校の生徒たち

会場内に設けられる「学校マルシェ」のブースでは、9月9日と10日に和歌山県立神島高等学校と山形県立置賜農業高等学校の生徒が開発した商品のPR販売も行う。実際に商品開発をした和歌山県立神島高等学校の生徒が、対面形式で直接顧客に食品ロス削減への取り組みの経緯や商品について説明する。

(塚井明彦)