2023年7月 東京・大阪地区百貨店売上高
23カ月連続プラス、納涼イベントの再開で盛夏商材が盛況
日本百貨店協会の調査によれば、東京地区百貨店(12社・22店)の7月売上高は1401億円余で、前年比(店舗調整後)は12.2%増と23カ月連続でプラス、入店客数は12.2%増と共に2桁増のプラスだった。ラグジュアリーブランドや宝飾品などの高付加価値商材が国内、インバウンド共に好調に推移したことで前年を上回った。コロナ禍前の2019年比では2.9%増と、22年12月以降7カ月ぶりにプラスに転じた。
3カ月移動平均値は、直近の5~7月が10.1%増、4~6月が9.8%増、3~5月が10.7%増、2~4月が14.5%増、1~3月が17.2%増、12~2月が14.6%増。プラス基調が続く中で、今年5月~7月は2桁増と勢いを戻している。
商品別では、主要5品目全てがプラスとなった。主力の衣料品は22カ月連続のプラスで15.5%増と7カ月連続で2桁の伸び率。外出需要や天候与件から、Tシャツやカットソーなど盛夏商材が好調に推移したほか、コロナ禍で中止していた花火大会や夏祭り、盆踊りなど納涼イベントの再開で浴衣も大きく売上げを伸ばした。
身回り品は21.4%増で23カ月連続のプラスとなり、ラグジュアリーブランドが他をけん引する中で、円安効果によってインバウンドも好結果で全体を押し上げた。日傘や帽子、サングラスなど連日の猛暑から暑さ対策の商品も好調だった。11.0%増で同じく23カ月連続プラスの雑貨は、日焼け対策のUV関連商品など化粧品が高伸長した。
食料品は5.4%増で3カ月連続プラス。国内と国外共に手土産需要から引き続き菓子が好調で、特にゼリーや冷菓デザートなど涼が取れるものが好評だった。中元商戦では店頭回帰が顕著にみられ、インターネット通販を含みほぼ前年並みに推移した。猛暑からビアガーデンは盛況で、レストランは17カ月連続のプラスだった。
(北田幹太)