2024年11月22日

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花王の「ソフィーナ iP」、総合皮膚科学スキンケアブランドへ

花王 

花王は11月4日、リブランディングした「SOFINA iP」からブランドを象徴する美容液と、ブランド初となる化粧液を発売する

花王は、スキンケアブランド「SOFINA(ソフィーナ) iP」をリブランディングする。「素肌に、科学をインストールする」をブランドスローガンに、同社独自の先端皮膚科学研究に基づき、商品を開発。4年ぶりにリニューアルする「ソフィーナ iP ベースケアセラム〈土台美容液〉」と、角層細胞の潤いを可視化する技術を評価法に用いたブランド初となる化粧水「ソフィーナ iP 角層トリートメント 基礎化粧液」を、11月4日に発売する。来年以降、高機能クリーム、集中美容液と順次ラインナップを増やす予定で、2027年には同社の22年出荷売上げ額の2倍を目指す。

新商品を手に撮影に応じる、花王化粧品事業部門マステージビジネスグループ長の小林恵美氏

ソフィーナ iPは、1982年に誕生した「ソフィーナ」の新ブランドとして2015年に販売を開始した。リブランディングの背景について、化粧品事業部門マステージビジネスグループ長の小林恵美氏(以下、小林氏)は「モノ・情報過多な社会潮流において顧客の『迷い』や『不安』が増えている」現状を挙げる。「肌を内側からきれいにするという本質を追求し、効能や作用を論理的に理解したい」と望む顧客にとって、「納得して信じられるソリューションブランドになる」ことを目標に据える。

同時に、ソフィーナブランドへの原点回帰も目指す。「皮膚科学に立脚した本質的なスキンケアを、手に取りやすい価格で1人でも多くの方に使ってほしい」との想いから、「ソフィーナならではの『確かなサイエンス』に焦点を当て、ソフィーナのスキンケアらしい“尖り”をしっかり出していく」(小林氏)。

新たなブランドロゴは、角層細胞の六角形の集合体に着想を得た。ブランドカラーはサイエンスを象徴するホワイト、肌の内に秘めたパワーを表すイエロー、ブランド誕生から使用するグリーンで、原点回帰と新しい時代への提案力を表現した。客が選びやすいよう、商品特徴をパッケージの正面に配したデザインにもこだわった。

ソフィーナ iP ベースケアセラム〈土台美容液〉は、毛穴の約20分の1サイズの高濃度炭酸泡が特徴の美容液。揮発しにくい泡状の美容液が角層の最深部まで浸透し、潤い、きめ、ツヤ、ハリ、ごわつき、乾燥による小じわを目立たなくするなど、様々な肌悩みにアプローチする。新たに高麗人参エキスを配合し、保湿力もアップさせた。

同社は「炭酸を如何に肌に届けるか」の実現に向け、1970年代に炭酸ガス研究を開始して以降、商品開発に炭酸技術の活用範囲を拡大させてきた。今回、炭酸分子と炭酸イオンの黄金比の発見により、“炭酸サーバーのような泡”をつくり出すことに成功。高濃度炭酸泡の肌への作用は「血流を促進し、肌を明るくする」、「肌への浸透ルート形成で、浸透感をアップさせてなじみを良くする」、「角質を正常化して肌をつるんとなめらかな状態」にして「ニキビ発症を軽減」、「紫外線による炎症の抑制」、「真皮弾性成分の産生を促進し、肌にハリ与える」の6つとなる。

価格は本体(90g)が5500円、レフィルは90gと180gで、それぞれ4950円、9350円。

ソフィーナ iP 角層トリートメント 基礎化粧液は、「ケラチン保水」と「セラミド保湿」で角層細胞そのものが潤う「角層トリートメント処方」の技術を採用。ケラチン保水は、角層細胞自体が潤いを抱え込める状態に構造を立て直し、水分で満たされふっくらと立体的な角層細胞に導く。セラミド保湿は、セラミドを白い粉状から微細化・非結晶化することで透明液に変える同社独自の「マイクロ流体化技術」を用いて、化粧液への配合を実現した。これにより、美容液が角層細胞まで浸透し水分を保持。乳酸発酵成分も配合し、乾燥しがちな環境でもしっとりとした柔らかな肌状態が続く。

価格は本体(160mL)が2420円、来年1月13日に発売するレフィル(150mL)は1980円。

新商品発表会の会場には、角層細胞の潤い状態を解析し可視化できる「ATR-IRイメージング装置」も登場した

角層細胞自体の潤い状態を可視化できる新技術も開発した。22日に開かれたメディア向け発表会では、同社解析科学研究所の上席主任研究員で理学博士の内藤智氏が、赤外線を使用して解析する「顕微ATR-IRイメージング法」について説明した。「顕微ATR-IRイメージング装置」で、採取した皮膚の角層細胞中にあるタンパク質の水分や保湿の量を画像で捉えることに成功した。同社が長年こだわってきた角層細胞そのものが潤う研究成果に、10数年かけて取り組んできた独自の解析技術が掛け合わされ、今回の新たな技術に辿り着いた。

今後は「ブランドの伝達者」を起用し、デジタル媒体に留まらずテレビや店頭などでも宣伝を強化していくという。化粧品事業部門マステージビジネスグループSOFINA iPブランドマネジャーの鈴木裕之氏は「お客様ご自身が迷いなく、ソフィーナ iPの“最適解”に辿り着けるような環境を提供していく」と力を込めた。

(中林桂子)