2024年11月22日

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4社全て前年比2桁増、高額品やインバウンド勢い持続

大手百貨店4社の7月売上高は、全て前年比2桁のプラスとなった。伸び率が高い順は阪急阪神百貨店が15.8%増、三越伊勢丹が13.7%増、大丸松坂屋百貨店が11.7%増、高島屋が11.0%増。依然として高額品やインバウンドがけん引し、カットソーやサンダルなど夏物商材も堅調に推移した。

三越伊勢丹は、法人外商事業やEC事業、小型店舗を含む伊勢丹新宿本店、同じく三越日本橋本店、三越銀座店、伊勢丹立川店、伊勢丹浦和店の合計が17.6%増、地域事業会社の合計が7.2%増、全体は13.7%増と7カ月連続で2桁増を記録した。高付加価値商材の宝飾品やハンドバッグが引き続き、好調で売上げを押し上げた。外出需要や気温上昇で夏物衣料や服飾雑貨も堅調に推移しており、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心に軽衣料やバッグなど秋物商材にも動きがみえた。

商品別では、サービス(28.4%減)を除いた全てのカテゴリーがプラス。大半が2桁の伸び率で特に、食堂・喫茶(28.8%増)、身の回り品(27.1%増)、その他雑貨(22.9%増)が高かった。

大丸松坂屋百貨店は、直営店の合計が13.5%増、法人・本社等が25.1%減、関係百貨店の博多大丸と高知大丸を含めた百貨店事業の合計が11.7%増と7カ月連続で2桁増のプラスとなった。店舗別では、下関店(1.4%減)を除き全てプラス。心斎橋店(34.5%増)、東京店(26.4%増)、梅田店(21.7%増)、京都店(14.4%増)、札幌店(13.2%増)は2桁増だった。入店客数は百貨店事業合計で26.3%増。

商品別では、家電(7.3%減)、紳士服・洋品(2.2%減)、その他食料品(2.2%減)を除いて全てプラス。中でも食堂・喫茶は人流の回復による利用客の増加が寄与し31.8%増と大幅に増加した。紳士服・洋品は定価商品が全般的に好調だったが、品番移管の影響によりマイナスとなった。雑貨(16.2%増)では、インバウンドが増加して化粧品が28.4%増と8カ月連続で2桁増。食料品(4.7%増)は夏休みの帰省での手土産需要の増加で菓子が好調に推移した。

高島屋の10.1%増には法人事業(9.0%増)やクロスメディア事業(41.1%減)が含まれており、それらを除くと9.4%増。店舗別では、大宮店(5.2%減)、堺店(1.5%減)を除いた店舗がプラス。中でも大阪店(20.6%増)、京都店(17.7%増)、日本橋店(15.2%増)、新宿店(10.7%増)は2桁増だった。免税売上高は217.2%増と高伸長を継続し、コロナ禍前の19年比では35.5%増とコロナ禍前を大きく上回った。免税を除いた店頭売上高は4.4%増、19年比は1.2%増とこちらもプラスに回復した。入店客数は5.5%増だった。

商品別ではメインカテゴリーはサービス(1.7%減)を除いて全てプラス。食堂・喫茶(28.4%増)、身の回り品(17.0.%増)、衣料品(15.4%増)、その他(10.5%増)は2桁増だった。衣料品では婦人服・洋品(18.4%増)、家庭用品では家電(47.1%増)、雑貨では化粧品(17.3%増)が特に伸びている。

阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店が15.9%増、阪神梅田本店が18.0%増、支店の合計が14.9%増、全店合計は15.8%増と12カ月連続で2桁増。入店客数は全店計で19.8%増でどちらも共に2桁増のプラスだった。支店では、阪神・にしのみや(2.0%減)を除き全てプラス。中でも、宝塚阪急(11.2%増)、高槻阪急(14.4%増)、博多阪急(22.5%増)が2桁増で、神戸阪急は31.4%増と大きく伸びて他店をけん引した。

商品別では、全てのカテゴリーがプラス。食料品(5.5%増)とその他衣料(6.5%増)を除くカテゴリーは2桁増だった。中でも伸び率が目立つのは、その他(41.0%増)、身の回り品(31.1%増)、食堂・喫茶(30.3%増)だ。

(北田幹太)