ルック、上期業績は増収 国内事業が好調
2023/08/18 5:52 pm
ルックホールディングスの2023年12月期第2四半期(23年1~6月)の連結業績は、最終損益が11億5300万円と前年を下回ったものの、計画値より4.8%上回った。売上高は前期比3.6%増の270億7700万円、営業利益は同20.5%減の13億7900万円となった。百貨店や直営店の集客回復、インバウンド消費の復調などが、売上高、営業利益を押し上げ、欧州や北米の好調ぶりも売上げに寄与した。一方、韓国事業におけるセール販売の増加が減益要因となった。
国内事業は、売上高が前期比1.3%増の119億9400万円、営業利益が同2.4%増の9億5700万円。セール販売の縮小と不採算店舗の閉鎖が奏功し、増収増益につながった。ブランド別では主力の「マリメッコ」が、同約10%増と堅調に推移し、「アー・ペー・セー」と「スキャパ」が同約15%増、「キース」も同約7%増と好調な売上げを記録した。プロパー販売比率についても、前年77%に対して今年は80%と着実に増加。多田和洋代表取締役社長は「バーゲンをあてにせず、プロパーでしっかり売り切れる仕組みをつくっていきたい」と今後の方針を述べた。
韓国事業の売上高は前期比4.8%増の137億9000万円、営業利益は同41.2%減の7億6500万円となった。アウトレット店舗などでのセール販売が増加したことにより、粗利益が確保できず大幅な減益となった。多田社長は、韓国の市場環境の変化についてはまだ不透明な部分があるとした上で、「在庫増加が収益を圧迫しないよう、仕入れ、販売に注力していく」とした。
欧州事業ついては、前年同期比19.6%増の21億5000万円と大きく伸長。新型コロナウイルス禍が落ち着いたことで、卸し、小売り共に順調に推移し黒字転換した。そのほかの海外エリアについては、以前より採算性が厳しかった中国と香港の事業を終了したため、売上高は前期比33.8%減の1億5900万円。北米の売上げが好調だったため、赤字幅は縮小した。
販路別の売上高は、百貨店が30億円(前期比7.5%増)、直営店が40億4200万円(同0.8%増)、Eコマースが22億5000万円(同7.8%減)。新型コロナウイルスの鎮静で実店舗の売上げが回復し、他方でECサイトでの購入が減少した。こうした結果は「予想の範囲内だった」とする多田社長。見方によっては「店とお客様の結び付きが強い」ということで客が店頭に戻ったとしながらも、限定商品の用意をはじめ、今年はクリスマス商戦用のギフトセットのバリエーションを増やすなどして、売上げ回復を図る狙いだ。
23年12月期の通期連結業績は、売上高550億円、営業利益38億円、純利益28億円を計画。発表当初からの修正はなく、現在は営業利益のみ計画値を1.5%下回っているが、多田社長は「おおむね計画通り」との見解を示す。
今年は19年から進める中期経営計画の最終年度であることから、「良い形で着地をして、次の中期経営計画につなげていきたい」(多田社長)。下期(23年7~12月)は新たにマリメッコ、アー・ペー・セー、「アー・ペー・セー ゴルフ」、「レッセパッセ」の計4店舗を出店する。不採算店舗の整理と並行して、収益が期待できる良い案件については積極的に進めていく意向だ。多田社長は「攻めるべきは攻める」と意欲を込めた。
(中林桂子)