2023年6月 全国百貨店売上高
売上高と入店客数が共に16カ月連続プラス、円安効果でインバウンド増勢
日本百貨店協会が調査した全国百貨店(70社・181店)の6月売上高は4412億円余で、前年比(店舗調整後)は7.0%増となり、16カ月連続でプラスだった。入店客数は3.5%増で、同じく16カ月連続でプラス。中旬の気温上昇や外出機会の増加、旅行需要などが起因し、衣料品や服飾雑貨、化粧品が夏物商材を中心に推移した。高付加価値商材の増勢が続く中で、円安効果と入国制限の解除からインバウンドも売上げを押し上げた。コロナ禍前の2019年との比較では売上げが5.1%減、入店客数は19.7%減と前月とほぼ同水準で、回復基調は続いている。
3カ月移動平均値は直近の4~6月が7.3%増、3~5月が8.3%増、2~4月が12.4%増、1~3月が14.6%増、12~2月が11.2%増、11~1月が7.1%増。依然としてプラス基調が継続している。
国内と海外の顧客別では、インバウンドが320.3%増と一段と高い伸びをみせ16カ月連続でプラスとなった。シェアは国内が93.6%、インバウンドが6.4%で、国内は16カ月連続のプラスとなる1.8%増。19年比ではインバウンドが0.8%減、国内が5.3%減でコロナ禍前の水準に戻りつつある。
地区別では、都市は9地区が前年を超え10.1%増と2桁増で21カ月連続のプラス。インバウンドと高額商材が売上げを伸ばす要因となった。地方は1.9%減だった。
商品別では、主要5品目のうち4品目がプラスとなった。中でも、雑貨(12.0%増)と身の回り品(10.4%増)は2桁の伸びを示した。化粧品(18.7%増)はインバウンドの需要に加えて、メイクアップやUV関連商品が好調で前月より伸び率は上昇した。主力の衣料品(8.8%増)はジャケットやカットソー、ワンピースなど夏物衣料を中心に動き、クリアランスも好調な滑り出しをみせた。食料品(0.9%増)は菓子と惣菜が共に22カ月連続増で食品催事や手土産需要が引き続き売上げを伸ばした。父の日の開催期間は、酒類や銘菓、カジュアルウエアが良く動いた。
(北田幹太)