虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの開業で「虎ノ門ヒルズ」が完成
「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」(以下ステーションタワー)が、10月6日開業する。2014年に竣工した「虎ノ門ヒルズ 森タワー」を起点に、20年に「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」、22年に「虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー」が竣工。ついに「虎ノ門ヒルズ」の街づくりが完成となる。これにより虎ノ門ヒルズは、区域面積7.5ha、延床面積約79万2000㎡のスケールとなり、オフィス約30万5000㎡、住宅約730戸、商業施設約170店舗、2つのホテル(約370室)、情報発信拠点やカンファレンス施設などが整い、「国際新都心・グローバルビジネスセンター」が始動する。
ステーションタワーは、地上49階、地下4階、高さ266m、延床面積約25万3540㎡で、街と駅との一体開発によって誕生する多用途複合の超高層タワー。これまでの地下鉄駅にはなかった開放的な駅前広場「ステーションアトリウム」や、桜田通り上にかかる幅員20mの大規模な歩行者デッキ「T-デッキ」が整備される。情報発信拠点「TOKYO NODE」、ステーションアトリウムと直結したマーケット「T-MARKET」、東京初進出となる「アンバウンド コレクション by Hyatt」の「ホテル虎ノ門ヒルズ」、エリア初となる大型セレクトショップやレストランフロアなどが登場する。
ステーションタワー最上部(45~49階、一部8階)に誕生するのが、約1万㎡のスペースを充てた情報発信拠点であるTOKYO NODE。その中心となる46階のメインホール「TOKYO NODE HALL」は、皇居を望む東京の眺望を背景にプレゼンテーションやパフォーマンスが可能だ。360度の没入空間を演出できる「TOKYO NODE GALLERY A」や、1020㎡の圧倒的な大空間を誇る「TOKYO NODE GALLERY B」などを設置。地上250mの49階には、オープンエアの広大なスカイガーデンと象徴的なインフィニティプールを配置。同階には、小林圭氏が新たに立ち上げるコンセプトレストラン「KEI COLLECTION PARIS」と、北村啓太氏が手掛けるフレンチガストロノミー「アポテオーズ」もオープンする。
商業施設は地下2階~地上7階に約70店舗、約1万1200㎡の商業空間となる。地下2階の駅前広場・ステーションアトリウムに直結する新業態・T-MARKETには、約3000㎡のスペースにカフェ、ダイニング、ブリュワリー、バーラウンジ、角打ちなどの多彩な飲食店から、スイーツ、チーズ&ワイン、フラワー、雑貨など多様な27店舗が集結。また、T-MARKETではシェフ同士のコラボメニュー、生産者によるワークショップ、アートや音楽などのイベント開催も予定する。
2~3階には、ベイクルーズによるエリア初の大型セレクトショップ(約2800㎡)が出店する。4階(約1500㎡)には、ビブグルマン獲得店や予約困難な人気店など多様な20店舗が集まるダイニングフロア。くずし鮨の「鮨 おにかい×2」、串揚げとワインの「創作串揚げ つだ」、「中華バル サワダ」、フレンチの「Lien」などが登場する。地下1階(約860㎡、4店舗)は気軽に立ち寄れる飲食と物販のフロア。5階には、約2000㎡の規模で東急スポーツオアシスが、これまで虎ノ門エリアになかった大型フィットネスを出店する。これらの商業空間ができることにより、虎ノ門ヒルズの全商業施設の規模は、店舗数約170、店舗面積約2万6200㎡となる。
1階、11~14階には、客室数205室、標準客室約27~34㎡のホテル虎ノ門ヒルズが11月にオープンする。“街の様々な施設や機能と連携する「街のホテル」”をコンセプトに、街に開かれたレストランやカフェ、ラウンジを備え、「虎ノ門のアーバンリビングルーム」として多様なゲストを迎え入れる。
オフィスは9階、10階、15~44階に、総貸室面積約10万7000㎡の最先端ワークプレイスとして誕生する。基準階面積約3400㎡、コアから窓面までの距離約18.5mの広大で開放的な無柱空間は、グローバル企業の多様なニーズや働き方のスタイルによって自由なレイアウトが可能。加えて各バンク上層2フロアの東西面2か所、計8カ所に、ワーカー同士のコミュニケーションやコラボレーション促進を目的として、吹き抜け空間や上下階をつなぐ階段をあらかじめ設けた「マグネットゾーン」が整備される。
(塚井明彦)